経営改善計画書は何のためのものか?

金融機関が求める経営改善計画書。

貸し付けた先の企業が、経営悪化に陥った際、専門家が支援しながら策定して、返済金の再計画(リスケジューリング)を実施するための指針計画書です。

この経営改善計画書(以下、計画書)の目的は一体なんでしょうか?

何のための計画書でしょうか?

以前、共同で計画書を策定した診断士が言いました。

「早く策定しないと…。返済を止めなければならないんだから。」…。

なるほど、とても重要なファクターであることは間違いありません。

しかしながら、とても違和感を持ったことを覚えています。

経営改善計画書自体は、早急に策定する必要がありますが、目的は借入金返済のリスケ実行が目的ではありません。

計画書に策定している内容を、クライアントが心の中に落とし込み、実直に実行してもらうようになることが目的です。

ですので、「早急に策定」することだけが重要ではないのです。

策定を支援する専門家(税理士や中小企業診断士)は、経営改善計画書を策定するクライアントにできるだけ寄り添い、支援していく必要があります。

また、計画書にはもっとも大切な内容があります。

大切なのは、業績計画(数値計画)ではありません。業績数値はあくまでも結果です。

結果を達成するためのプロセス、つまり「アクションプラン(施策行動計画)」が重要です。

また、プロセスは常にクリエイティブ性が求められます。

業績を上げるためには、コストカットよりも収入(売上)アップを意図して、前向きで大胆な施策計画を実施します。

中小企業においては、経費削減は限界があるからです。もっともやってはならない禁じ手は「人件費の削減」です。

もし、止むを得ず人件費削減に踏み込まなければならない時は、まず役員報酬を大幅に下げましょう。

それよりも、できる範囲でどんなマーケティング施策を立案して実行してくかをじっくりと立案します。

とくに客数アップにつながる施策立案が、もっとも望ましい改善施策と言えます。

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