人事考課制度を考える

人事考課制度を創ろうとされる中小企業が増えています。

正社員が10名を超えたら、適切な人事考課制度を創る方がベターです。

やりがいのあるシステムづくりを謳って、成果報酬型の評価制度を創る手法が流行りましたが、全く使えない仕組みをかなりの確率で散見します。

以下、使えない人事考課制度の特徴を列挙します。

 

①職級の定義が明確でない。

あるべき姿を定義として定めていないと、職級ごとのステップアップ、キャリアアップが不明確になり、結果として全く使えない制度になります。

 

②評価項目の文言が抽象的すぎて、評価者によって大きく偏る。

評価項目の文言は、具体的であればあるほど、ブレが少なくなります。この悪い特徴は、下手なコンサルタントがよく創る制度です。結果、投資に見合う制度はできません。

③数字(結果業績)のみの定量評価で、定性評価が盛り込まれていない。

業績数値のみでの評価制度は、社内がギスギスしてきます。結果、風通しの良いいい会社とは、程遠い社風が生まれます。

 

④評価項目が多すぎて、評価者の負担が大きすぎる。

評価者は万能ではありません。評価者の負担も考慮した、適正なボリュームでの策定が望ましいです。

 

⑤キャリアアップと昇級額が連動していない(あるいは、計算式があいまい)。

評価制度ばかり整えても、それがどういう効果(報酬)をもたらすのかが不明だと、全く意味がありません。

 

人事考課制度を、高いコンサルフィーを払って策定したけど、全く使えない…というお悩みはよく聞きます。

間違ってはならないのは、人事考課制度の目的です。

ある税理士は、人件費の適正な配分の実現と言っていましたが、それは副次的効果です。

 

人事考課制度導入の目的は、一にも二にも「社員のモチベーションを上げるため」なのです。

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL