中小企業診断士の実際 〜儲け方の指南は不可能である
中小企業診断士として日々活動していると、経営そのものの目的を履き違えている経営者に時々遭遇します。
「中小企業経営の本質は、儲けることが目的でなく、関わる全ての人を幸せにすること」とは恩師、坂本光司先生の言葉です。
つまり、「いい会社」になることが経営の目的なのです。
であるならば、”儲けること”は何でしょう?
売上・粗利・営業利益・経常利益…などは、すべて”結果現象”にしかすぎません。
結果現象ならば、未来にあるものは”目標”ということになります。そうです。業績というものは、「目標であり、結果現象にしかすぎない」のです。
中小企業診断士として経営者の寄り添う時、「儲け方教えますよ」という言葉・指南はダブーです。
もしそのようなスキルを備えた診断士がいれば、お目にかかりたい。
実際に、そのような言葉を憚りなく口にする人もいますし、「私は失敗したことがありません。」と断言していた経営コンサルタントも知っています。
中小企業診断士は、クライアント企業が「いい会社」に近づいていくための支援をする専門家です。
前にも書きましたが、診断士は魔法使いではありません。
ましてや、錬金術師でもありません。
後述しますが、コストカッターでもありません。
中小・零細企業(個人事業含む)経営の町医者的存在として、縦横無尽に走り回るスペシャリストです。
また、処方するのは明らかに漢方薬です。
この辺りについては、後述したいと思います。
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