中小企業診断士として生きる−2 〜その価値とあり方の考察〜
名称独占資格の中小企業診断士には、既得権益がありません。俗に士業とよばれる専門職の中でも、珍しい国家資格と言えるでしょう。
また、他の士業資格はほとんどが法律系の資格です。
中小企業診断士は、法律家ではありません。法律の専門分野もありません。
強いて言うならば、「会社法」に詳しいくらいでしょうか?
しかし、経営のコンサルティング局面で、経営者から法律に関する相談を受けることがあります。
もちろん、適当な答えをすることはできません。その場合は、人的ネットワークを持っているかが経営者からの信頼を得るかどうかを決めます。
一番いけないのが、「専門分野ではないので…」と放置すること。
あるべき答えは「専門分野ではないので、適当なことは言えません。後ほど調べてお答えします」です。
中小企業診断士は、他の士業資格と比較して守備範囲が広いのが特長です。
そのため、広い見識と視野を備える必要があります。
ところで、弁護士はさまざまな他の資格(税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士など)への登録が可能です。 ※司法書士は、代理業務が可能
法律系の資格で弁護士が登録できない(代理もできない)資格は、公認会計士、土地家屋調査士です。
もちろん中小企業診断士も登録できません。専門分野が全く違うからです。
他の法律系資格が「過去の事例を基にした課題解決」を専門とするならば、中小企業診断士は未来の問題解決を担う専門家です。
時には過去の根拠に基づかない、コンサルティング提案をする場面があります。
そのために、日々日々、自らのスキルと皮膚感覚・経験、知見・知性、五感を使った観察力などを磨いておく必要があるのです。
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