起業家が軌道化するために−2 〜起業後のマーケティング考察〜
次に説明する経営計数指標は、”売上原価”と”売上総利益(粗利益)”です。
原価管理(コストマネジメント)は、経営の行方を決める…といっても過言ではないでしょう。
原価が意味するところは、商売の”モトデ”であるということです。原価というものは”適正原価”を追い求めるべきであり、「原価は高すぎても、低すぎても問題である」ということを認識しましょう。
原価計算の方法はここでは避けますが、例えば飲食店の場合「ひとつのメニューにどれくらいの原価がかかっているか?」を明確にする必要があります。
なぜなら、原価計算が明確になされていないと「値決め」ができないからです。
「一杯のラーメンにかかる原価を計算して、付加価値(粗利益)を乗せて値決めする」ことが基本です。
起業家の中には、値決めを「競合他社と比較したら、これくらいでいいだろう」とテキトーに値決めする方がおられますが、これこそ「どんぶり勘定」と呼ばれるものです。
そして、原価は高すぎれば利益が出ない(儲からない)し、低すぎても品質が落ちます。
コンサルタントの中には、「原価できるだけ落として粗利を稼ぎましょう」と主張する輩もいますが、これこそ机上の空論で、商売はそんなに甘くありません。
「高品質を保ちかつ高付加価値を実現する価格」を追い求めることが、商売のイロハです。
売上から原価を差し引いたものが”売上総利益(粗利益)”です。
一般的に「粗利益率」という指標は、売上原価/売上×100で計算します。
この粗利益率(売上総利益率とも呼ばれます)は、例えば売上が1億円の場合、粗利益の1%向上は実に100万円(1億円の1%)の利益貢献をもたらします。
それだけ、粗利益率の管理(マネジメント)は重要かつ難しい試みなのです。
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