中小企業診断士が経営改善計画書を策定する目的
中小企業診断士として、財務的に課題のある企業に対して「経営改善計画書」を策定する仕事があります。
経営改善計画書を策定する目的は何か?
経営改善を進めていくための指針書とすることに他ならないのですが、時に目的を違えている企業様もあります。
その目的を金融機関(メインバンクを含めた融資先)に対するリスケ(返済猶予施策)であることになってしまうと、経営改善が進まない事態に陥ります。
時に、我々のような専門家でも、目的を勘違いしている人もいますから注意が必要です。
以前、ある診断士の先輩と口論になったことがあります。
先輩診断士「できるだけ早く改善計画書を作らないと。リスケすることが大切だから。」
自分「計画書の策定は、リスケが目的ではないでしょう。経営のパフォーマンスを上げることが大切でしょう。」
先輩診断士「……。」
結局議論は噛み合わず、結論は出ませんでしたが、リスケは所詮リスケです。
借入金返済を一定期間ストップさせ、資金繰りを楽にしてその間に収益構造を改善する…だけ。
大切なのは、具体的戦略の立案です。
ただの数字の楽観的羅列であれば、だれでも策定できます。
我々のようなプロの診断士が策定する経営改善計画書は、具体的な収益構造の改善戦略を”ふんだんに”盛り込んだ指針書であるべきです。
そして、中小企業診断士には、経営者に対しても「リスケは、目的でなく手段であり、経営改善を進めていく戦略を粛々と実行していく」ことを推奨する責務があります。
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