利益よりも大切な経営要素

例えば目の前に多額の利益が見込める事業案件があったとします。その利益を獲得するために、全社一丸となって取り組むことはとても貴重で、価値のあることだと思っています。

一方で、リスクも発生します。

経営というのは、いついかなる時も長期的な視野に立って思案し、戦略実行していく必要があります。

長期的な視野に立つ場合、利益よりも優先しなければならない経営判断が発生するのです。

例えば、大切な経営会議やスタッフ教育が予定されている場合、業務(事業)優先で会議を延期・中止するということは、長期的な経営判断とは言えません。

”経営が明日にでも傾く危険がある”ならまだ分かりますが(その場合は、事業よりもむしろ資金確保が最優先ですが)、「行き当たりばったり」経営は大変なリスクが発生します。

経営は「足元を固めてじっくりと取り組む」ことが理想であり、強固な経営基盤はスタッフのモチベーションや意志の共有・共感が不可欠です。

モチベーションを上げて、スタッフ・メンバーの成長を促す社員教育や、意志と情報の共有を図る会議などは、売上や利益を上げることと同等の(いやそれ以上の)価値ががある経営要素なのです。

コロナウィルスの蔓延による経済環境の激変で、売上・利益確保のための戦略実行はもちろん大切です。しかし、一方で会議や教育に関する時間とコストの確保は、長期的視野に立った経営として外せないファクターと言えます。

このような時期にも、あわてず焦らず、できることを粛々と実施し、来たるべき終息時期に向けて準備をする。経営基盤の強化にブレずに取り組んでいくことです。

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