中小企業が、コロナ情勢に際し取り組む戦略 〜財務戦略編ー2〜
「金融機関から、融資をしますよ…という提案があっているが、いかほど借りたらいいでしょうか?」この時期に、経営者から相談を受ける主な内容です。
”中小企業の財務戦略の理想は『無借金経営』である!」というのは小生の持論ですが、これもまた平時の話。今日のような緊急事態に際しては、「目一杯借りる」ことが理想です。
今は資金(現金=キャッシュ)の有高で、生き残りの成否が分かれます。
大切なのは、キャッシュマネジメントなのです。潤沢な借入金を確保できた場合、賢い経営者ならば資金留保しておきます。なぜなら融資と言うのは良きも悪きも”借金”だからです。借金は返さないといけません。
借入過多状態が不安だ…という中小企業経営者も結構おられます。その際は、収束時までプール(留保)しておき、そこから返済すればいいのです。
さて、借入金の安全圏ないですが、小生の経験から「年間の粗利益額の50%」までは安全圏と考えています。
10億円の売上があり、粗利益率が40%であった場合、返済に苦慮しない粗利益の額は2億円ということになります。そこまでは、問題なく商売に邁進できます。
怖いのは、借入金依存です。一度依存に陥ると、なかなか抜け出せない…。手形の決済機が近づくと、また金融機関に相談に行くという事態になりかねません。
ただし、これも平時の考え方。緊急事態においては、ありとあらゆる手段を講じて資金確保に努力してください。
何事も先立つものがないと、打ち手(戦略)がなくなります。
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