中小企業診断士のマインドセット!ーARIKATA【16】

【経営者が興味のある経営テーマ】

経営も人生も、あるのは今と未来(これから)しかありません。したがって、過去を憂いたり後悔するよりも、今後の明るい未来を描くことが重要です。当たり前ですが…。

しかし、未来創造の専門家であるべき中小企業診断士の中でも、過去の経営資料ばかりにとらわれて、「揚げ足をとるような指摘ばかりする」輩が意外と多いから困ったものです。

毎日毎日、自分の商売(経営)に向き合い、お客様に価値をお届けしてお金をいただく…そんな営みと断続的に向き合う経営者は、過去のことなどあまり興味がありません。

会計事務所のスタッフが、試算表や財務諸表の現況説明をして「コストアップした勘定科目」を指摘ばかりしていると、クレームどころか契約解除になりかねません。

中小企業診断士も同じです。

経営者に限りなく寄り添い、経営の実態に肉薄して、個別具体的な課題を解決していくためには、経営者の興味のある(切実に思っている)課題を引き出す必要があります。

経営者は、「ヒト」「カネ」「モノ」「ジョウホウ」の順番でテーマを感じている場合が多い。

とりわけ、人と金の問題は緊急性が高いものです。そのことを頭に入れて、ヒアリングしていくと経営者が解決してほしいテーマを的確に把握できるようになります。

そして、把握した経営課題に対して、普遍的で平凡な解決策を提案しては能がありません。それは、会計事務所の監査スタッフがよく陥る落とし穴です。最もお粗末なのは、前期から増額しているコスト(経費)に目をつけ、その理由や原因も探らずに「この経費は増額していますね。これから削減していきましょう。」という提案と助言。

おそらく経営者は、なんら興味も示さないどころか、「つまらんな…」と思われること間違いありません。

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