中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【30】
【中小企業診断士としてのヒアリングの極意】
企業の様々な角度から調査をする目的は、一にも二にも事実確認ということになります。経営の実態に肉薄するためには、多様な角度からの検証が必要です。その手法の一つに”ヒアリング”という技術があります。
何だヒアリングか?と思うことなかれ。これは立派にプロのなせる技です。下手なコンサルタントは、ヒアリングが下手です。下手なヒアリングの特徴を並べます。
① 話を途中で遮って、持論を展開する…自意識の強いコンサルタントに見られますが、ヒアリングよりもスピーキングを重視してしまう。
② 具体的な話を聞けずに、総論で仮説を立ててしまう…ヒアリングというのは、具体的なイメージが着くまで聴くことが大切です。総論的に聞いて独自判断をしてしまうと、事実誤認の元になります。
③ メモを取りながら聴かない…人間は忘れる動物です。忘れることを前提に、メモを取りながらヒアリングします。メモ帳は必携です。
④ 確認しながら聴く…過度なオウム返は禁物ですが、ひとつひとつ確認しながら聴くことは大切です。マモと併用して、事実誤認を防ぎましょう。
⑤ 最後にメモ内容を確認する…ヒアリングの最後には、必ず復唱確認します。そのことで、ヒアリングされる側は安心感を持つものです。
以上①〜⑤は、一見「なんだそんなことか?」と思われがちなヒアリング技法ですが、ヒアリングは正確にかつ丁寧さが求められるブロフェッショナルな技法です。
とりわけ、経営者が心を開いていないとできないことですので、まずは”何でも話してくれる”ような関係性を構築しましょう。
中小企業診断士は、国家資格です。国家資格であるがゆえに、さもすれば先生よ呼ばれることに優越感を覚え、「自分が偉くなった」ような錯覚を覚えることがあります。呼ばれること自体は否定しませんが、中小企業診断士は”先生”ではありません。
ヒアリングも、伴走者である姿勢を見せて謙虚に実施しましょう。
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