『燃える人事考課制度』のメカニズムー5
【間違いだらけの人事考課制度】
そもそもの話です。人事考課・評価制度を制定・導入する目的は、「社員・メンバーのモチベーションを上げるため」です。この目的を見失ってしまうと、全く”使えない”人事考課制度が出来上がってしまいます。
以前の話ですが、クライアントで人事考課制度を見直す話になりました。経営者曰く「実態に則していない」「評価しづらい・評価が難しい」「評点が3に集中してしまう」「これに数百万かけたのに…」など不満のオンパレードです。
ある人事コンサルタント事務所が作った制度でした。調査すると、どう考えても”他でも通用する汎用的な”評価制度なのです。
例)評価項目 情意評価 【元気で明るい挨拶ができるか? 1・2・3・4・5】
だれがどんな評価をするのでしょうか?元気で明るい挨拶というのは、主観的すぎです。ある上司からすれば「元気で明るい」かもしれませんが、他の上司は「元気がなく暗い」と評価するかもしれません。
また、5段階における評価点数は、”中心化傾向”を招きます。当たり障りのない評価をしてしまい、社員はモチベーションが上がりません。
このような人事考課制度が横行しているのが現状なのです。どこかからコピーアンドペーストしてきたような評価制度は、カイゼンでなく”改悪(カイアク)”を招きます。
また、上司の主観で「元気がない」とか「暗い」などと評価されたら、たまったものではありません。上司は”神様”ではないからです。
もちろん、人事考課制度・評価制度は完璧なものはこの世に存在しません。人が人を評価すること自体、完璧にはできないからです。また、尊敬されない上司から評価されたスタッフのモチベーションは著しく下がります。
できるだけ、公平に評価できるような制度設計・策定が望まれます。公平とは”客観的な評価”です。
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