『燃える人事考課制度』のメカニズムー8
【経営理念と人事考課制度をリンクさせる】
人事考課制度は、企業独自の”魂”を込めて作り上げる必要があります。汎用性の高い人事考課制度は、かえって使い勝手がよくない。つまり”役に立たない”場合がほとんどなのです。
何度も言いますが、人事考課制度を設ける目的は「構成員(メンバー)のモチベーションを上げるため」に他なりません。そして、そのモチベーションのベクトル(方向性)は「経営理念」に向かわなければなりません。
「燃える人事考課制度」は、経営理念と人事考課制度をリンクさせた点に大きな特徴があります。経営理念から最も重要なファクター(要素)を抽出して、「評価要素」に変換するのです。評価される被考課者は、必然的に経営理念に向き合い、言動自体が経営理念の達成にコミットするようになる訳です。
ここで、経営理念について再考します。経営理念は、自社の事業目的(何のために事業をしているか)を価値観として見える化した美しいセンテンスです。また、経営理念を達成するための行動基準を制定し、業務にあたる価値判断・行動判断のガイドラインとして浸透させることが大切です。
抽出した評価要素自体は、定性評価に位置付けされます。次回述べますが、評価には定量評価と定性評価があり、それぞれのバランスが大切です。
経営理念から抽出された評価要素は、定性評価として数で言えば10〜12で確定します。あまりにも評価要素の多い考課制度は、考課者自身が疲れてしまい、結局のところ”使えない人事考課”となってしまいます。
人事考課というものは、非常に難しい。当たり前です。人間は神様ではありませんから。人が人を評価する行為というのは、細心の準備と細心かつ思いやりの心を持ってあたらなければ、それ自体が人を辞めさせる凶器となってしまうことがあるのです。
ともかく、何を持って評価するか…という「評価要素」を決めるときには経営理念や行動基準から抽出し、リンクさせることが重要です。
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。