『燃える人事考課制度』のメカニズムー14

【評価基準の制定方法−2 6段階評価の意義】

「燃える人事考課制度」では、何よりもメンバー(被考課者:評価されるスタッフ)のモチベーションを重視します。したがって、偶数評価で設定します。よく目にするのが、5段階での評価です。これは、「中心化傾向」という望ましくない現象を招きます。

つまり、1〜5の5段階評価の3をつけてしまう現象です。人事考課というものは、本当に手間がかかり、時間も要する負荷のかかる仕事です。なぜなら、評価ひとつでメンバーの人生を左右することになりかねないからです。

手間がかかるだけに、考課者(経営者や幹部などの評価を担うメンバー)の神経はすり減らされるほどエネルギーを消費するものです。

人間のモチベーションは、「中心よりも上、中心よりも下」という結果で大きく変わっていきます。ですので、評価自体は偶数にすべきなのです。4段階でもいいのですが、経験上少ないです。8段階は多すぎて、評価基準の設定が非常に困難になります。

最もベターなのは、6段階により評価基準の設定です。S、A、B、C、D、Eの6段階評価。

特評価Sをつけることができるメンバーは、非常に出現率が低い基準を設定します。低評価Eも同様です。出現率が低いといっても、絶対に現れないような評価基準はナンセンスです。

時々、このような評価人材は絶対に出現しないでしょう…といった基準を設定されている文言を見ますが、かえってメンバーのモチベーションは下がります。なぜなら、到底到達できない基準だからです。

ゆえに、評価基準は6がもっとも理にかなった段階と言えるのです。

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