高すぎる定量目標を課すリスク

結論を言いますが、「高すぎる定量目標は、百害あって一利なし」です。これは断言できます。ましてや、社員自ら挑戦しようと心から思える目標ならまだしも、経営者から一方的に言われた高すぎる目標は、高いリスクがあります。

以前、ある会計事務所のコンサルタントが「あえて高い目標を立てて、目標に肉薄することに意義がある」と宣言しているのを見たことがありますが、全くの素人考えです。

高すぎる定量目標は、大きなリスクを招きます。

そのリスクの正体は、モチベーションの低下というものです。

よくあるのが、「売上目標」というもので、営業職や販売職によく課せられる現象です。今日日、前年比120%を超える目標設定は、かなりの負担になります。

業務効率化を図り、無駄を省いた動き(営業活動)を…などというのも限界があります。一昔前のように、働き過ぎを強いる企業は罰せられる時代。

今日のような低成長時代においては、「無理なき成長」を意図して目標設定することが肝心です。

定量目標の設定方法は「がんばれば届く。がんばり方も分かる。」です。

「これ以上、どうしろと言われているのか?」とメンバーが思った瞬間、モチベーションは著しく低下していきます。

あるのは徒労感だけ。

高度成長時代の化石のような企業運営を、いまだに実施していると、大切な社員の退職という悲劇を産みます。そのような徒労感は、優秀な社員であればあるほど敏感です。

このブログで、飽きずに何度も主張していますが、「目標設定は、経営者が考えるものではない。当事者が考え、自らが自らにコミットするもの」なのです。

そのことを忘れ、「今期はこの数字を叩き出せ!」のような指示命令は、モチベーションを下げて徒労感を招き、結果として人財流出を招きかねない悪習だと認識しましょう。

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