中小企業の財産論
会社は家庭と違い、経済活動が目的です。家庭は、幸せを育む場所、会社は事業を通じて周囲を幸せにする場所…という違いがあります。
「幸福感」という共通点はありますが…。
企業の財産といえば、財務上では「資産」ということになるでしょう。専門用語で言うと「流動資産」と「固定資産」の合計がその主な内容ということです。
しかし、中小企業経営を鑑みた場合、隠れた財産に目をつけておく必要があります。
例えば「人=人財」。これこそ、中小企業がもっとも大切にしたい財産と言えましょう。この人財力は、財務諸表上には絶対に現れてきません。
次に「モノ(商品)=開発構想中の新商品など」。これも、大切な財産と言えます。中小企業はざまざまな場面で、差別化戦略を必要とします。
当然、お客様に提供する商品(サービス)も差別化が重要。
構想中の新商品価値。これもまた、財務諸表に現れてきません。
最後に「ジョウホウ(情報)=知的財産」です。特許や商標などの、独自の知的財産も隠れた、大切な資産なのです。
このように、中小企業経営には隠れた大切な財産が眠っています。この財産を導き出し、価値を深めていく支援は中小企業診断士の大切な仕事なのです。
残念ながら、金融機関はここのところを見落としがち。なぜなら、専門家が策定した財務諸表(事実)でしか、評価しない傾向があるからです。
また、税理士や公認会計士にも、過去の事実(財務諸表)でしか評価しない方々もおられます(全員がそうではありません…念のため)。
未来価値を作り上げる支援家・中小企業診断士の、「中小企業の財産評価目利き」は、とても大切だと再認識する今日この頃です。
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