中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【51】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の観察力〜】

中小企業診断士として、クライアントの課題解決にあたり”お役に立つ”仕事ができるまで、一定の成長プロセスを辿る必要があります。

いざ資格を取得して、経済産業省に登録を済ませたが、まったく知識やスキルを使っていない…そういう診断士があまりにも多い。実にもったいない話です。

何度も主張していますが、すべての国家資格が「取得・登録したからがスタート」です。そのため、登録後の成長プロセスがとても重要となる訳です。

そこはもう、第一次・第二次試験の答案結果や点数など、まっっっっったく関係ありません!

自らの人間性や知識・経験、人的ネットワークを駆使して「いかにクライアントのお役に立つか?」という情熱と創意工夫が求められるだけなのです。

このシリーズ「ARIKATA(あり方)」において、そのマインドは一定の提言をして参りました。

ここでは、成長プロセスに焦点をあて、書いていきたいと思います。

中小企業診断士に必要な能力。まずもっとも磨いてもらいたい能力に、「観察力」というものがあります。これは、あらゆる角度から中小企業を”診る”力と言ってもいい。

間違っても、財務諸表やアンケート(モラールサーベイなど)だけによるモノではありません。

経営者・幹部・社員からのヒアリング。

社内の掲示物や空気感。整理整頓の状況。電話応対の接遇力。経営者の価値観。会社の雰囲気やモチベーションの度合い…。商品・サービスのポテンシャル(潜在能力)。あらゆる観察ポイントを診ていく必要があります。

重要なのは、価値を見抜く「観察力」です。

中小企業診断士は、未来志向型のコンサルタントです。あくまでも「明るい未来」にベクトルを向けた、企業の診断スキルを磨いてください。

具体的な「観察ポイント」を列挙しておきます。

⒈   経営者の価値観

⒉   社内の様子(空気感、掲示物、5Sなど)

⒊   社内メンバーのモチベーションやエネルギー

⒋   電話や来客にまつわる接遇応対

⒌   取扱商品(サービス)の品質・将来性

⒍   CS(顧客満足)度

⒎   関係先・外注先・協力会社への対応

⒏   教育コスト・研究開発コストとその方法

⒐   幹部・リーダーのリスペクト度合い

⒑   財務諸表(特に自己資本比率と経常利益率)

以上10ポイント。経営者やコンサルタントでも、是非「観察力」を上げるポイントとして、留意していってほしいものです。

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