事業承継とM&A 〜診断士が提唱する場合〜

事業承継は、最早古くて新しい中小企業経営の課題として、大きく対策を求められるようになりました。最近、中小企業の経営の現場を駆け回っているときに気付いたのですが、何かと「M&A(企業の売買収)」施策を提案するコンサルタントが多い。

どちらかというと、会計事務所系や金融機関系に多いような気がしています。

僕のブログでも再三主張していますが、中小企業のM&A戦略は慎重に進めなければなりません。そして、M&Aというのは最後の手段として位置付けられる、切り札のようなものだということ。

決して、安易に提案するようなシロモノではありません。絶対に!

中小企業経営は、”想いの集合体”です。

事業承継を考えたとき、優先順位のナンバーワン施策は、「自社内のスタッフ、メンバー、幹部による承継」です。気をつけなければならないのは、能力を判断するということ。

社長の子だから…という安易な考えで承継してしまうと、後々取り返しのつかない事態が待っています。

「人間的魅力、仕事の知識・スキルが高い後継者」が、たまたま子だった…というのが理想型です。

事業承継で万策尽きた…M&Aを考えざるを得ない…。

そんな事態になってから、初めて戦略を立案するのがM&Aである…。僕の持論です。

ときすでに遅し、業績がいいときに売り抜いて、高額なキャッシュを手に入れれましょう!これは、M&Aを推奨するコンサル系の常套提案です。

もちろん否定するつもりはありません。一定の価値もあるでしょう。しかし、そこにあるのは、オーナー経営者の金銭的エゴではないでしょうか?

未来創造型のプロコン・中小企業診断士であるならば、M&Aよりもまずは内部承継を戦略立案し、提案するのが基本です。

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