中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【57】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の基本的提案思考ー4〜】

僕がコンサルティング業界に初めて携わった、およそ30年前。「経営診断」といういわゆる「企業の健康診断」でお金がいただける時代でした。

当時の記憶では、300万円〜500万円(企業規模や業種業態により変動)の「現状認識=予備調査・診断」が立派な商品として成立していたのです。ある意味、すごい時代であり、ありがたい時代でもありました。

しかも、その調査は「社員アンケート」が中心。裏話ですが、現場視察や定点観測、覆面調査などの各種手法を駆使せずに、コンサルティング・ビジネスが成立していたのです。

近年はそのような、タナボタ契約は全く成立しません。ある意味、あたりまえで真っ当な時代が到来したとも言えます。同時に、スキルや知識を研鑽した本当に実力のあるコンサルタントしか、稼ぐことができなくなりました。

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士も同様。

人真似や書籍から無理やり引っ張ってきたようなコンサルティングを提案する輩は、独立して収入を得るような仕事はできません。

これからは、できるだけ診断を予備的に(無料で)実施し、実際の処方(経営課題解決のためのコンサルティングサービス)で報酬を得ていく時代です。

AI(人工知能)発展で、それはますます加速し、「個別具体的な経営課題を、現地現場で個別具体的に解決支援できる」スキルが必要となります。

課題解決型コンサルティングサービスは、オンラインではほぼ不可能。アナログで地道な、フェイストゥフェイスの取り組みであることを認識する必要があります。

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