社員第一主義経営の難しさと価値
恩師、坂本光司先生の研究によると、日本の中小企業の中で約1割の企業が「好況不況に関係なく断続的に黒字を継続している企業であり、その共通点が社員第一主義である」と言います。
この社員第一主義という究極の経営戦略は、一歩間違えると大失敗してしまう諸刃の剣でもあります。まず大切なのは、経営の覚悟でしょう。社員第一主義は、経営者の覚悟なしではありえません。真の意味で「いい会社」にしていきたいという覚悟が絶対条件です。
また、長期的視野に立った言動が要求されます。目の前の業績に囚われない、長期的な視野でのモノの見方考え方が必要になります。
何よりも、社員第一主義の捉え間違いは大失敗を招くので気をつけたいところです。
社員第一主義は、社員を甘やかしたり、高い給料を払ったり(それも重要ですが)、社員のいうことを全て導入したりすることではありません。
何よりも「愉しんで仕事に取り組む仕組み・ガイドラインをつくる」「意見が言いやすい、伝えやすい、報告・連絡・相談しやすい社風をつくる」…何よりモチベーションを上げるための取り組みが必要なのです。
しかし、これがなかなか難しい。経営者は「内(社内)より外(お客様)」に目が行きがちです。顧客第一主義に賛同する経営者は多い傾向がありますが、社員第一主義はなかなか賛同しない。
しかしこれこそ、中小企業経営の王道。いい社員でないとお客様にいいサービス(価値)を提供することはできません。
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