中小企業経営者のARIKATA学【経営者のリスペクトファクター…7】

【中小企業経営者はプロデューサーではない!】

経営資源に乏しい中小企業経営は、ひとり何役という役割やミッションに取り組んでいく必要があります。専門職ばかりの中小企業経営は、運営に限界がやってきます。大企業ならまだしも、中小企業は経営全体を観察できる幹部の存在が不可欠となります。

経営者は、社長業というものに専念する必要があります。経営の全責任は経営者にあり、メンバー(役員除く)には責任がありません。ですから社長業とは企業の舵取り(方向性を示す)を担うことです。

しかしながら、時々プロデューサーに徹している経営者を見ます。これはとても危険なことです。例えば、思いつきで判断した戦略を「宣言するだけ」の現象です。まさに打ち上げ花火だけ打ち上げることを宣言すること。

このような思いつきの戦略を次から次に宣言する経営は、現場が混乱してしまいます。現場が混乱すると、経営者の宣言は「社長の思いつきが、またはじまったよ…」などと白けた雰囲気ができて、立案した戦略が一向に進まないのです。

しかも、その戦略が「損得に基づいた判断」であればなおさら…。損得勘定の戦略は、ほとんど頓挫しますから。

あくまでも経営理念にマッチした戦略か?経営者は吟味してから、宣言し指示命令を伝えるようにしましょう。

中小企業経営者はプロデューサーではありません。プロデューサー的スキルは必要ですが、経営というチームで仕事をする時、さまざまな制約条件を受け入れて想定しながら、戦略立案することが必要なのです。

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