役職を褒賞的に付与する間違い
最近の中小企業経営に関する相談事として人事に関することが多いですね。人事と言っても「人事戦略」のことであり、人事戦略とは「ヒト=人財」に関する制度・仕組みのことを指します。
人事に関する相談が、個別のスタッフや幹部の所作・言動に関することでしたら、深刻に受け止める必要はありません。意外と解決策は簡単です。ところが、その根にある課題の真の要因は根深い場合が多い。
先日も、ある中小企業経営者から組織づくりに関する悩みを打ち明けられました。
内容は「役職者(主任以上)ばかりの組織になってしまって、一体感がなくなった」というもの。現象として「新入社員がすぐにやめてしまう」「決まり事やルールがバラバラで守らない」などの問題が発生していました。
ヒアリングを進めていくと、根本的な要因に当たりました。
昇進というのは、組織のキャリアップのことを指します。スタッフが主任に、主任が課長に…という具合に。つまり役職を付与し、より責任ある業務・ミッションにあたってもらうことです。
本企業様では、人事に関するガイドラインが整備されておらず、褒賞(ご褒美)的に役職を付与していた訳です。
結果、新しく入ってきたスタッフが、複数の役職者から指示・命令が降りてきて混乱する…。それぞれの役職者がそれぞれのルールで業務を進めて、品質が統一されない…。などの問題が発生していたわけです。
こうなると課題解決は深刻になります。長期にわたってじっくりと人事戦略再構築に取り組まないと、根本的な課題解決にはなりません。
結果として企業が成長していかない事態になっていきます。
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