”全員営業”を唄う中小企業の末路
業績が苦戦してくると、経営者の中には「外に出て稼げ!」とか「全員営業スタッフとして外販してこい!」とか、トンチンカンな声を荒げる人が現れてきます。ずいぶん昔のこと(10年ほど前)ですが、とある中小企業の会議室に入った時、壁一面に貼られたチラシに仰天した思い出があります。
無数に貼られたチラシには「只今、業績緊急事態宣言!」とか「全員営業。全社を上げて業績回復を!」とか、「売らない社員は会社を去れ!」とか書かれていました。
この会社、末路は悲惨で…。
そのような標語をいくら掲げたところで、業績が回復するはずもありません。今、侵略戦争をしているどこかの国と一緒のロジックです。
業績を回復し、その回復した業績を維持することが大切であり、そのためには「社員のモチベーションを上げ、我が社の商品品質を見直し、価値を向上させる」ことが大切です。
業績第一主義…経営は儲かってナンボ!そういう経営は、いつまで経っても業績が回復しないのは、歴史が証明しているのです。
営業とは、我が社の商品品質価値をお客様に提案する活動のことであり、品質自体が伴わないと、営業も成果を出せません。営業スタッフのモチベーションが低いと尚更です。
また、営業活動の時間的確保を意図して、会議やミーティングをおざなりにすることも良くありません。企業業績の責任は、営業部だけが負っているいるわけではない。会社全体ひいては、経営者が第一の責任者なのです。
一度落ち込んだ業績を回復させるには、じっくりとした腰を据えた取り組みが必要ですし、それは短期的に成し遂げられるものではないのです。
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