中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【28】

【中小企業診断士のコンサルティング技術〜ベンチマーク〜】

自社企業の経営を振り返る時、ベンチマークという経営手法が役に立ちます。ベンチマークとは、「自社の経営戦略を改善するために、優良他社の手法や指標を参考にすること」を言います。

参考にした指標や手法は、自社の経営におけるそれと比較して、ギャップを分析し「取り入れるべきは取り入れる」ことが大切です。

中小企業診断士として現場でコンサルティングしていると、このベンチマークという手法がとても役に立つ技法であることが分かります。

ただし、下手なコンサルタントは大きなミスを犯してしまうことがあるので要注意です。

以前、こんなことがありました。

自称コンサルタントと、クライアントのコンサルティング支援について打ち合わせしていた時のことです。

クライアントは、京都にある観光旅館でした。

小生 「ベンチマークを取り入れて、スタッフの皆様に接客研修をしてもらったらいかがでしょう?」

自称コンサルタント 「もうやったから必要ないよ。」

小生 「そうなんですね。どこをベンチマークされたんですか?」

自称コンサルタント 「リッ◯◯ールトン!!」(ドヤ顔)

小生 「そうですか…」(苦笑)

はっきり言っておきますが、ベントマークという手法は「同規模同業他社のベストプラクティス(優良事例)」を実行しないと意味がありません。

ましてや、資本力も桁違いに差がある同業他社と比較しても、参考にも何にもならないのです。持っている経営資源が違うのですから。

中小企業診断士として「お役に立つ」ということは、できるだけ現場の実態に肉薄して、事実確認することがスタートです。

的外れなコンサルティングを提案して、クライアントに無駄な経費を使わせることがないようにしたいものですね。

 

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