足跡(あしあと)〜NIHILストーリー〜

佐賀市巨瀬町(こせまち)某所にある、フルハンドメイド・シューズの工房「NIHIL(ニヒル)」。今日は、代表の古賀幸仁(こうじん)さんとの作戦会議でした。革靴の工房と言えど、コロナ禍の影響を受けています。完全来店型の「NIHIL」では当然の現象なのでしょう。

NIHILはお客様にご来店いただくか、代表の幸仁さんが道具一式を抱えてお客様のところに出かけるか、どちらかの方法でないと製造に取り掛かることができません。なぜなら、”徹底した採寸”によるにより、お客様ひとりひとりの「脚の特徴」に合わせた「世界でただ一つの自分だけの靴」を創っているからです。

ミリ単位の違いを見逃さない”経験と感性”、妥協を許さない採寸作業は、NIHILブランドの「吸い付くようなフィット感」を完成させます。

NIHILで生み出される革靴(まさに芸術作品です)は、bespoke shoes(ビスポーク・シューズ)と言われるジャンルです。革靴の製造方法としては最高峰の製法で、セミオーダーやフルオーダーとは全く違う考え方と価値観から生み出されます。bespoke(ビスポーク)というのは、「会話をしながら」に由来していると言われており、お客様とまた「素材の皮革」との会話を重視する製法です。

「bespoke」という概念に、「NIHIL流 ハンドソーンウェルテッド製法」を織り交ぜた超高品質革靴は、一生履き続けられる「自分だけの革靴」として、お客様の心を掴んでいきます。

今日の作戦会議は、中長期を見据えたブランディング戦略についてじっくりと議論できました。

一切の妥協を許さない、「材料・材質のセレクト」「徹底した採寸と木型の製造」「試し履きによる度重なる修正」「経験に裏付けされた自信と覚悟」そして「技術」…。それは一足100万円を超える商品価値があると算定しています。

材料の皮革は、一足の受注に対して「皮一枚全部」を仕入れます。一枚の皮から、最適な部分を目利きして使用するところも、NIHILならではという超高品質の秘密。

年間の製造数は、完全セル生産のため20足しかできません。製造スタッフを雇用して分業制にすれば良いのではないか?と考えますが、それはできない。各工程の関連性を熟知していないと、「NIHILが醸し出す”吸い付くようなフィット感”」は実現できないのだそうです。

「ビジネスに徹するならば簡単。オーダーメイドという言葉を並べて、オリジナル感をお客様にお伝えすればいい…。だけど僕は、bespoke(ビスポーク)という最高峰の製法を極めて、本物を探究していきたいのです。」とは店主・古賀幸仁(こうじん)さんの言葉。

中小企業診断士として、寄り添いながら育てていきたい、小さな小さな工房です。

「NIHIL bespoke shoe」のギャラリー兼工房は、大人の空間です。店主が容れてくれた「ドリップコーヒー」を飲みながら、「世界でただ一つの自分だけの、一生ものの革靴」について会話してみませんか?

 

 

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL