M&A戦略への警鐘

近い将来、いやすでにそういう時代の真っ只中かも知れません。中小企業経営(特に地方の企業)や下請け企業の、事業承継は深刻さを増していきます。

価値のある経営をされているのに、後継者が不在なために事業を断念せざるを得ない…。そのリスク回避のひとつに、M&A戦略があります。僕は個人的に、M&A戦略推奨派です。しかし、様々な条件をクリアした場合の話です。

好調な企業が、事業承継に困っている企業を買収し、社員の雇用やお客様に提供する価値を守っていく…この取り組みは、本当に素晴らしいと考えています。

ただし、M&A戦略自体は机上の空論では片付けられない、深刻な課題が存在するのです。

それは、人間の感情や企業の社風、理念や価値観といった目に見えないファクターです。目にえないからこそ、厄介であり手間暇かけてケアしなければならない課題なのです。

M&Aに失敗した場合、それ双方にとって多大な不幸を招きます。

M&Aを手がけるコンサルタント会社も存在しますが、気をつけて支援を受ける様にしてください。

重要なのは、買収した会社から来る経営者(幹部の場合もあります)が、リスペクトに値するかどうか…ということ。そして、彼(彼女)にマネジメントパワーを発揮できる人間的魅力と、問題解決力が備わっているかということが重要なのです。

間違っても、売買終了時点で支援が終わり…というコンサルティング会社には要注意です。

M&A戦略は、買収してからがスタート。軌道化(3年間ほどのモニタリングと、問題解決支援)を覚悟して臨みましょう。

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