損得人事が招く組織崩壊

中小企業経営は「人財力」が勝敗を分けます。このことは一貫して主張していることですが、あいも変わらず「金銭経営」に邁進する中小企業が多い。何事もそうですが、人間の営みには「損得勘定」はタブーでしょう。それは、いつか辻褄が合わなくなるからです。中小企業経営においてはなおさらです。

黄金の奴隷たるなかれ—。出光興産の創始者、出光佐三氏の格言。中小企業経営を鑑みる時、この言葉は名言として信条にしたいものです。

中小企業診断士も同じく…。損得判断を善悪判断へ!そう導く診断士でありたいものです。

損得判断に基づく戦略は、人事戦略にも及びます。

例えば昇進人事。昇格人事とは違います。昇格とは「社員の等級を決めている場合、それがアップすること」。

昇進とは「役職がついて、幹部リーダーになっていくこと」と理解してください。

業務遂行能力とマネジメント能力は必ずしも比例するものではない。営業においても「売れる社員」が「幹部社員」とは限らないのです。こいつは稼いでくるから…と安易に昇進人事を施した場合、組織崩壊を招く可能性もあります。

昇進人事は、その候補者の「マネジメント能力」で判断しましょう。売れる社員=幹部ではない。経営者も含めて、幹部は「人から慕われるか?」「理念を誰よりも遂行しているか?」「判断力・決断力に優れているか?」などの複数コンピテンシーポイントで判断しましょう。

そのためには、人事制度で「あるべき姿を見える化・読める化」して、明確にしておくことが重要です。

間違っても業務遂行能力で図らないようしてください。組織崩壊を招く可能性がありますから…。ここでいう組織崩壊は「人財が退出する」(転職型退職が継続する)」ことに他なりません

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