関節部門は効率的に…直接部門は手間暇かけて…
DX(デジタルトランスフォーメーション)ろいう概念が、中小企業経営に与える影響について考察したいと思います。IT技術を駆使して(使いこなして)、経営をスムーズに運営するという考え方です。しかし、これは経営資源に乏しい中小企業にとって、全肯定する考え方ではありません。というのが僕の所見です。
結論を言うと、中小企業の関節部門(総務や経理、事務関係)は、DXを駆使して効率化を図るほうが断然いい。一方で、直接部門に対して無理に導入すると、ともすればUSP(絶対的な強み)を失ってしまうことになりかねないのです。
デジタルの良さは、圧倒的に効率性です。アナログと違って、手間暇がかからない管理・戦略が可能になること。
しかし、中小零細企業の良さは実のところ「手間暇かけたお客様との繋がりや絆」にあると言えます。
つまり関節部門にはDXが効果を発揮しますが、直接部門にはDXは諸刃の剣となりかねないリスクもあるということ。
中小企業経営のブランディングを推奨する立場から主張しますが、中小零細企業のブランディングの源は「めんどうくさい」「手間がかかる」「時間が必要」「非効率的」…こういうポイントに眠っています。
オンリーワン戦略を目指すべき中小企業経営においては、大企業戦略とまったく違うステージで勝負しなければなりません。
価格競争を回避し、逆に価格主導権を握る…これが中小企業経営の理想ですから。
お客様との接点に立つ直接部門は、過度に効率性を追及するのでなく、アナログ的な「心と心のつながり」で勝負したいものです。
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