事業承継問題の中のM&Aの位置付け
今や中小零細企業を取り巻く環境の中で、最大の問題と言っていいい事業承継問題。せっかく育ててきた我が社の後継者がいない…などという事態はできるだけ避けたいと願うのが、経営者の普通の感情と言えます。
事業承継問題を解決する方法に、M&A(企業の合併・買収)というのがあります。
ところが、近年の傾向として事業承継=M&Aという風潮になりつつある懸念を持っています。
会計事務所系のM&A推進会社も、積極的にM&Aを提案する傾向にありますし、M&Aコンサルティング会社においては多額の利益を上げている事実もあるのです。
ところが、僕はあえて警鐘を鳴らしたい。
M&Aありきでの事業承継は、かなりのリスクを伴うことを…。
企業は「想いの集合体」です。想いというのか目に見えないもの…つまり経営理念です。
そのため、目に見える経営資源「ヒト・モノ・カネ」の売買で成立するM&Aを推奨する場合は、理念や価値観・社風の承継を想定しないとうまくいかないのです。
簡単にM&Aを語り、実行することはできません。あくまでも事業承継問題の解決方法のひとつ(ごく一部)がM&Aだということを認識しましょう。
僕は優先順位は極めて低く、まずは社内の人財を後継者として育てる。この戦略は第一のプライオリティであることを認識しましょう。
そのためには早期の事業承継計画を立案(10年単位)し、計画に沿った準備を進めていくことが重要です。
魂を込めて育てた自社を平気で売り飛ばし、キャッシュを得たいと思う拝金主義経営者なら話は別ですが…。
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