ブランディング・コンサルタントが考える人事の話ー3

報奨的昇進制度が、中小企業の人事戦略に多大な負の影響を及ぼすことを、前回主張しました。人材を人財に成長させる人事考課制度に関して提唱していきます。

多くの人事評価制度を見てきましたが、100点満点の制度などあり得ないことをお断りしておきます。特に人事関しては、なおさらです。人間は単純な生き物ではない。複雑な感情を持ち合わせています。些細なことが、大きくモチベーションに関わってくるのです。モチベーションは、中小企業経営のパフォーマンスに多大な影響を与えます。そういった意味で、人事評価制度というのは、練りに練った制度をオリジナルで創らないと諸刃の剣的な制度になってしまうのです。

まず、「人事評価」という言葉がよくありません。あくまでの「考課」です。課題を考えるという意味での「人事考課」という言葉が相応しい…と僕は考えています。

間違った人事制度は、評価項目(文言)が曖昧で、実に使いにくい。考課者(考課をする人:上司)の主観ができるだけ入らないような、評価項目を策定すべきです。これには、時間と手間が必要です。だからこそ、出来上がった制度が使いやすく継続しやすい制度に仕上がるわけです。

また、5段階の評価も良くない。段階はあくまで偶数にすべきです、そこで、僕が推奨する人事考課制度は6段階で制定します。

その方が中心化傾向を回避できます。奇数だとどうしても、中心の点数に集中しがち(5段階の場合3)になります。これでは、被考課者(考課される人:メンバー、スタッフ)のモチベーションも上がりにくいのです。

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