ブランディング経営の浸透度不全を感じるとき…
先日のこと。僕のクライアントで会議中に出た話です。その会社は、食品メーカーですが完全なファブレス経営をされています。
つまり製造プラント(工場)持っていないため、自社商品はOEMを依頼して製造してもらうことになる訳です。現在、ある開発商品を企画中でして。社長が、佐賀市内の工場に製造依頼の相談に行かれました。
僕のクライアントですから、「高品質のものを開発して、高価格で提供する」を信念とされてます。
製造を依頼する候補先の経営者と打ち合わせの中で…。
「OEMですから、これくらいの(低品質・低価格)の材料を使いませんか?」
と言われたそう。こちら側から…。
「いいえ、うちはホンモノを追求する会社ですから、高価格でもいいので高品質なものを使わせてくださいませんか?」
と逆にお願いしたそうです。
返された返事が。
「高くしたら消費者は買いませんよ。それなりのものを、デザインをよくして売った方が儲かりますよ」
「……」
最後まで話が噛み合わず、製造依頼を断念することになったようです。
この話を聞いて、僕が思ったこと。ブランディング経営の本質を、もっともっと主張していかねばならない…ということ。
ブランディングを形成する根幹は、「高品質」です。ましてや、紛い物や偽物は消費者にすぐに見抜かれます。
結果として価格競争に陥り、大企業に飲み込まれてしまうのです。
伝え方・見せ方さえ工夫すれば、品質は悪くても高価格・高付加価値が実現する…。それは妄想なのです。
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