人材を活かしてこその経営? 〜採用側の責任を考える〜

ある経営者と話をしているときに出てきた言葉。

「社員は稼いでなんぼです」「業績数字は正直。評価の目安は業績第一」「稼がない人材は、やっぱり必要ない」

とても違和感を覚えました。

中小企業とはいえ、企業の規模に関わらず、社員が稼いでなんぼだという考え方は、はっきり言って古い。

結果主義や業績主義だけで、人事考課をする時代はとっくに終焉しました。

仕事がら、人事考課制度を構築したいという相談もあります。本来は社労士の業務範囲なのですが、中小企業診断士として真摯に対応するようにしています。

その人事考課・評価システムを創る際に、気をつけていることが「数字だけで評価しない」という点です。

販売会社ならばともかく、士業や開発会社において業績評価のみで人事考課を構築するのは、危険です。

特に会計事務所や弁護士事務所、社労士事務所などでは全くそぐわないのでご注意くださいね。

企業は役割分担で成り立っています。ましてや知的財産や知恵・知識で勝負する士業においてはなおさらです。

すべての人材が、営業(仕事を創ってくること)が得意というわけではありませんよね。

中には、資料を作ることが得意な人材、企画を考案することが得意な人材もいるでしょう。

そのような人材を採用したならば、活躍の場を設けることこそが経営者の役割でしょう。

この人材は、稼がない(営業できない)から要らない…

業績を創らない社員は、評価を著しく下げて風当たりが強くなる…

などという社風の会社は、その存在すら価値がないのではないでしょうか?…と言いたいですね。

せっかく採用した人材を、人財に育てることは、採用した企業側の最低限の責任でしょう。

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