人事考課制度を考える

人事考課制度を創ろうとされる中小企業が増えています。

正社員が10名を超えたら、適切な人事考課制度を創る方がベターです。

やりがいのあるシステムづくりを謳って、成果報酬型の評価制度を創る手法が流行りましたが、全く使えない仕組みをかなりの確率で散見します。

以下、使えない人事考課制度の特徴を列挙します。

 

①職級の定義が明確でない。

あるべき姿を定義として定めていないと、職級ごとのステップアップ、キャリアアップが不明確になり、結果として全く使えない制度になります。

 

②評価項目の文言が抽象的すぎて、評価者によって大きく偏る。

評価項目の文言は、具体的であればあるほど、ブレが少なくなります。この悪い特徴は、下手なコンサルタントがよく創る制度です。結果、投資に見合う制度はできません。

③数字(結果業績)のみの定量評価で、定性評価が盛り込まれていない。

業績数値のみでの評価制度は、社内がギスギスしてきます。結果、風通しの良いいい会社とは、程遠い社風が生まれます。

 

④評価項目が多すぎて、評価者の負担が大きすぎる。

評価者は万能ではありません。評価者の負担も考慮した、適正なボリュームでの策定が望ましいです。

 

⑤キャリアアップと昇級額が連動していない(あるいは、計算式があいまい)。

評価制度ばかり整えても、それがどういう効果(報酬)をもたらすのかが不明だと、全く意味がありません。

 

人事考課制度を、高いコンサルフィーを払って策定したけど、全く使えない…というお悩みはよく聞きます。

間違ってはならないのは、人事考課制度の目的です。

ある税理士は、人件費の適正な配分の実現と言っていましたが、それは副次的効果です。

 

人事考課制度導入の目的は、一にも二にも「社員のモチベーションを上げるため」なのです。

 

投稿日: 2018年4月26日 | 11:47 pm

会議のあり方を考える 〜個人攻撃型会議は時代遅れ〜

以前所属していた会社の朝礼。

クレームの報告を全社員の前で告白。クレームに至った経緯とその対策を、社員全員の前で報告させる…というもの。

「どっかの国の公開処刑みたいだ…」というのが、その光景をみた時の感想です。

ある女性社員がそのクレーム報告した後、ヘコんで(落ち込んで)いたため、その経緯を個人的に聞きました。

すると、内容は「ある上司が受けたクレームを責任転嫁されたもの」でした。

「いびつな組織は、いびつなジンザイを育む」というのは、小生の持論ですが、まさにその通りです。

 

同じことが会議の場でも言えます。

問題の原因と対策を建設的に議論するのは、プロとして当たり前ですが、詰問攻めで圧力をかけるような会議はもはや時代遅れです。

会議の理想像は、「この後も、また明日からがんばろう」と参加者が思える会議です。

 

今どき、パワハラまがいの発言や詰問は、本当にナンセンスです。

時々、問題発生を個人の責任に転嫁するような、攻撃型会議やミーティングを見ますが、大切なのは「問題(後ろ向き)を課題(乗り越えるべきハードル)と捉え、チーム(組織)全員で解決に取り組むという姿勢」です。

たとえクレーム一つにしても同じことが言えます。

解決策を個人に担わせると、組織がギスギスしてきます。またそのような組織に限って、いびつなリーダーシップをもった幹部が散見されます。

 

中小企業の会議は、「メンバー全員で、課題に向き合い、課題解決に向けた建設的な議論とアウトプット、そして解決アクションプランの立案」があるべき姿です。

投稿日: 2018年4月23日 | 10:38 pm

経営指標でもっとも重視すべきもの

経営計画書を策定する際、売上や利益を追求する(目的とする)ことは避けましょう。

売上や利益は、経営の”目的”ではなく”目標=結果”だからです。

経営(特に日本的経営)の目的は、”社員を含む関わる人々”の幸せの追求なのです。

ですので、利益額や利益率を最優先事項として経営指標としてしまうと、戦略を間違えていまいます。

数ある経営指標の中で、もっとも重視すべき、着目すべきものは「自己資本率」です。

この指標がなぜ、もっとも大切か?

人口減少の時代、仕事=受注量は減少傾向に備える必要があります。

また、不透明な外部環境にさらされているこの時代、万が一の事態に備える必要があります。

そうしなければ、「社員とその家族が安心して働けない」からです。

自己資本率が、一般的に30%以下(業種・業態によって上下しますが)の場合、財務内容は健全とは言いがたく、不安定と言えます。

しかし、50%を越えると実質無借金経営に近く、万が一受注が無になっても、しばらくは内部留保で社員を養うことができるのです。

中小企業の場合、この自己資本率がとても重要な指標であり、自己資本率を下げてしまう投資は、回避したほうがいいでしょう。

 

 

 

投稿日: 2018年4月22日 | 11:43 pm

経営に”見える化”が必要な理由

中小企業経営の場合(特に最近では医療診療所:クリニックを含む)、大企業と違い、経営資源(ヒト、モノ、カネ、ジョウホウ…)が限られています。

そこで、ヒト=人財に特化した経営主眼を主張しているわけですが、その人財がモチベーション高く業務に励んでくれるような仕組みを作っていく必要があります。

環境を整えるというのは、ハード面(施設や設備)のことだけではありません。

ソフト面(仕組みや制度など)を整える必要があります。

いや、むしろソフト面の環境づくり、整備こそスタッフ(=人財)のモチベーションを大きく左右します。

最近の傾向として、給与や賃金などの金銭的報酬がモチベーションに大きく影響することが少なくなってきています。

むしろ、”やりがい”や”働きやすさ”、所属企業(組織)のいく末やビジョンなどを重視し、モチベーションを左右する時代と言えます。

そこで必要なのが、経営目的・未来像(ビジョン)・方針などの”見える化”です。

小生のオフィスでは、経営理念(事業目的)のボトムアップ型創出支援や経営方針書(計画書)の策定支援などを推奨・実施しています。

この支援後、スタッフのモチベーションが明らかに違ってくることを実感してもらっています。

企業は、一艘の舟のようなモノだと思っています。

乗る組員たるスタッフが、乗っている舟が、何のために進んでいるのか?どこに向かって進んでいるのか?目標に達した時には、どんな世界が待っているのか?などを分からないまま、櫂を漕いでくれるでしょうか?

経営資源を考えた場合、優秀な人財(ヒト)さえいれば、商品(モノ)も業績(カネ)も創ってくれます。

ヒトが、モチベーション高く(志高く)躍動してくれるような、経営の姿を見える化することが肝要です。

 

 

投稿日: 2018年4月21日 | 9:28 pm

コミュニケーション研修

今日は、福岡の大切なクライアントに赴き、「コミュニケーション力向上研修」を実施して参りました。

毎度のことながら、参加するスタッフの真摯さ、新鮮さ、まじめさに対し、こちらも誠意をもって研修プログラムを提供しました。

とても充実した、愉しい1日でした。

プログラムは、当然ですがクライアントの現状に即したオリジナルのものです。

他社や異業種との集合研修では、提供できない深いプログラムを組めたと思っています(自画自賛…笑)。

本日のメインプログラムは、「部課長ゲーム」というワークです。

このプログラムはとても面白い。

情報伝達の難しさ、大切さ、そして情報共有のためにもっとも重要なポイントがゲーム感覚で学べます。

参加者諸君は、とても真剣に取り組んでくれました。

改めて、スタッフ研修はインプットとアウトプットをバランスよく組み立てたほうがベターです。

「説教型」「一方通行型」の研修は、内容自体も愉しくないものになります。

幼い頃、”勉強”というものが愉しいなどと思ったことは一度もありませんでした。また、それがあたりまえと思っていました。

しかし、今日は違います。超情報化時代の今日、企業は”最終で最大の教育機関”であると言えます。

であるならば、社会人としての学びの場である「研修、勉強会制度」は、スタッフが愉しく学べるような工夫が必要です。

圧迫型・説教型の訓示研修は、もはや時代遅れです。

そのことを改めて認識した1日でした。

 

投稿日: 2018年4月20日 | 11:40 pm

冒険者たち−7 〜若きチャレンジャーたちの旅路〜

2ヶ月ぶりに、再会しました。2月25日のLIFT COFFEEオープン以来の再会です。

今日は、約2ヶ月ぶりのプレス戦略会議でした。

複合型ビジネスとして再出発した、株式会社プレスの若くも頼もしい仲間たちです。

衣料プリント事業の「PRESS」、おしゃれなカフェ「LIFT COFFEE」、ストリートダンススタジオ「カルペ ディエム」の各事業が一つの会社「株式会社プレス」として誕生しました。

各事業がそれぞれの事業採算を狙い、計画し、実行していきます。

今日は、オープンして約2ヶ月の予実PDCAをディスカッションしました。

いつの時代も、何の商売でも、お客様目線はとても大事です。

お客様側からしたら、その行為・接客・接遇は、満足して頂けるものなのかどうか?

お客様満足度が、低減していくほどもっとも起こってはならない「客離れ」が起きてしまいます。

客数が商売のバロメーター。もっとも回避すべきは客離れです。

 

今日の会議は、どうやったらたくさんのお客様に来店いただくか?(お客様の数をどうやって増やしていくか?)

どうやったらお客様に満足頂けるモノ・コトが提供できるか?を主軸において、振り返りと今後の対策を話し合いました。

 

会議は、空気感が大事です。発言できないような、圧迫感のある会議は全くの無意味です。

その点、プレス戦略会議はとても和やか。しかし、厳しい指摘や反省点も正面から向き合います。

また、カフェ事業「LIFT COFFEE」では、新しく新卒のニューフェイスも仲間に加わりました。

しっかり発言してくれて、とても頼もしい仲間がまた加わっています。

 

おしゃれなカフェ「LIFT COFFEE」、ダンススタジオ「カルペディエム」、衣料プリントショップ「PRESS」は、佐賀市呉服元町2−15「ON THE ROOF」内にあります。

ぜひお出かけください。

 

投稿日: 2018年4月17日 | 9:07 pm

やっぱり客数だ!何と言っても客数だ!

売上の算出公式 売上=客数×客単価で、増やすべき着眼点は客数だと主張しています。

客単価というのは、いわば”お客様の財布の中身”ですよね。

財布の中身は限界があります。

経営の基盤が、客数からもたらされる売上や利益であることは、疑いのない理論です。

また、少数のお客様に依存した売上構成は、とてもリスクが付きまといます。

お客様のなんらかの事情で、取引停止となることだってあります。

逆に、分散型の顧客構成を作っている場合は、ひとつの取引先が無くなっても他の取引先を創ることも可能です。

B to Cビジネスの場合は、特に大勢のお客様を囲い込んで、ファン化することが、安定経営の前提と言えます。

商売は、長期的視野に立ち、決して短期的な利益に囚われず、ブレることなく一人でも多くの、1件でも多くの取引先を創り出すこと…これが最も大切です。

特に中小企業は、価格競争を回避した戦略をとる必要があり、価格ではなく、つながりや絆でお客様と関係祭を築くことが重要です。

 

投稿日: 2018年4月16日 | 11:29 pm

営業力は、リーダーシップ力か?

販売系の会社や営業系の業種に、よくよく見られる現象。

営業成績の良い、また販売力あるスタッフが、店長や支店長としてマネジメント職についてしまう残念です。

以前所属していた会社(会計事務所内)でも、実際に体験した現象です。

リーダーシップに求められるマネジメンント力というスキルは、営業力や販売力と必ずしも一致しないのです。

会計事務所に勤務していた頃に体験しましたが、その上司は営業力を自慢していました(本当に営業力があったかどうかは甚だ疑問)。

その上司が求めることは、自分も仕事が獲得できる(営業力)のだから、部下にもそのスキルを求めすぎて、萎縮したチーム雰囲気を醸成していまう失敗です。

リーダーシップというマネジメントスキルは、”売る”力とイコールではないのです。

そういう人事オペレーションで失敗(組織崩壊)した事例は、かなりの確率で見られます。

投稿日: 2018年4月13日 | 11:53 pm

天草出張 〜新入社員研修会2018〜

一昨日から、熊本上天草に出張しました。大切な大切なクライアント企業の新入社員研修会ならびにコンサルティング支援のためです。

普段、佐賀市内に在住している小生にとって、月に1度の天草地方出張は、とても新鮮です。

何と言っても、九州有数の観光地。

風光明媚とはこのことでしょう。天草五橋を渡る時の、気持ちの高揚感はいつ来ても大きいものがあります。

天草五橋の1号橋は、現在新しい橋が完成工事中です。

開通日は、今年5月20日に決定した様子です。

 

さて、今夏の出張はクライアント企業の個別新入社員研修会のお手伝いでした。

研修は、1ヶ月おきに3回を実施しています。第1回目は、3月に実施。

今回は、第2回目の研修でした。

第1回目の研修テーマは、「社会人としての基本的思考・行動」です。また、今回第2回目のテーマは、「想いを伝える」です。

2回目の今回、新入社員諸君の成長を改めて確認できました。

とても18歳とは思えないような、考え方・発言の仕方、態度・姿勢です。

小生の18歳だった頃と比べるべくもない。何も考えず過ごしていた、自分の若い頃を振り返り、恥ずかしいくらいです。

今回研修の内容は、「コミュニケーションの難しさと重要性」「自分の想いを整理して組み立てる」「自分の想いをプレゼンテーションする」などを意識したものとしました。

新入社員諸君の態度や学ぼうとする姿勢は、とても立派だでしたし、彼・彼女たちとのご縁をこれからも大切にしたいと思いました。

これから縁あった若人が、社会人として立派に成長し、その将来に幸あれと願わずにいられません。

投稿日: 2018年4月12日 | 11:50 pm

指導か?支援か?コンサルティングの価値

経営コンサルタントいう仕事について、のべ13年経過しました。

放送局時代も含めてさまざまな経営者、中小企業を診てきましたが、コンサルティングの本質や真髄を、これからも追求していきたいと改めて感じています。

コンサルティング活動を現場で展開していて、つとに思うことは、コンサルティングは「経営指導ではない」ということです。

指導という言葉は、何らかの道を極めた人間が、その道を極めようとする人間に物事を教授すること…を意味します。

小生は、経営コンサルティングは、「支援」だと考えています。

経営指導という言葉を平気で使うコンサルタントは、はっきり言って信用できません。

経営という無限の活動には、正解という概念はなく、「正解を教える」指導は経営コンサルティング活動にはそぐわないのです。

支援は、いわゆるサポートのことです。

サポートは、経営者・そこに集う人間の営みである経営の実態に、寄り添わなければできません。

経営のさまざまな課題解決にベクトルを合わせて、ともにのたうち回り、ともに深考し、ともに解決策を考察する。

また、時には一緒に解決策を実行する。

このような活動を、経営コンサルティングというのです。

また、指導的なコンサルティング活動は、継続しない傾向があります。

経営環境が不透明な今日、また超情報化社会の今日は、経営手法に鉄板ノウハウなど存在しません。

「こうすれば儲かります」とか「こうすれば絶対うまくいく」などの断言は、できないはずなのです。

 

 

投稿日: 2018年4月9日 | 9:47 pm