商売の成功と失敗

インターネットで溢れているセミナー案内に、「成功を導き出すビジネスの鉄則」や「商売を成功させる法則」などの文言を見たことがありませんか?

中身をよく見たことがないし、参加したことも全くありませんので、よく知らないのですが、おそらくここに出てくる「成功」という言葉の意味は、「儲ける」という言葉とイコールのような気がします。

誤解を招かないように断っておきますが、小生は経営は「儲けなければならない」と考えています。

しかし、経営とは「儲けることが目的ではない」とも考えています。

改めて主張します。経営の成功は「儲けること」ではない。

経営の成功は、「その商売(経営)がずっと続くこと」なのです。

一時期1億円の利益が叩き出せたとしても、数年後にその会社が無くなっていまう…このような現象は、商売の成功とは言えないのです。

 

では、経営の失敗とは「成功」の対義語ですから、事業が途中で止まってしまうこと…です。

 

ある年は数千万円の利益が出た、またある年は1億円の赤字だった…というような凸凹経営よりも、「1万円の利益を10年続けています。働くスタッフはみんなイキイキと働いています。」という低空飛行でも安定している経営の方が健全なのです。

 

投稿日: 2018年4月7日 | 11:21 pm

小規模企業持続化補助金の策定戦略

平成29年度補正予算、小規模企業持続化補助金は発動されています。

小売業、卸業、サービス業(宿泊業、娯楽業、製造業は20人以下)5人以下のスタッフを擁する小さな企業(個人企業の可)に対して、経済産業省(管轄は日本商工会議所、窓口は地方の商工会、商工会議所)からの販促費を含めた補助金を付与するという制度です。

毎年、2回ほど発動されているこの制度は、販管費の捻出にさえ苦労する小規模企業にとってとてもありがたい制度と言えます。

ただし年々、回を増すごとに採択率が低減しているようです(30%ほどと言われています)。

しかし、提出しなければ可能性はゼロ。

限りなく採択されやすいような策定書類を策定し、該当企業は提出・挑戦をお勧めします。

小生も、プロとして書類策定の支援をしていますが、策定にはコツがあります。

以下、アドバイスです。

①策定資料は、行間をあけて読みやすく(見やすく)仕上げましょう。

②補助事業計画欄は、分かりやすく、何のために資金が必要なのか?を明確にしたキャッチコピーライティングを意識しましょう。

③補助金対象経費という的を留意して、使用意図を明確にしましょう。

④できればビフォーアフターの写真やイメージ図を添付して、審査員が精査しやすく仕上げましょう。

⑤締め切り10日くらいには計画書を仕上げて、早めに郵送しましょう。

 

ちなみに、この制度は商工会議所の推薦書類が必要です。

担当職員と良好なリレーションを構築して、できるだけ丁寧な助言支援を受けるようにしたほうがいいです。

 

今回の補正予算は、締め切りが5月18日(金:当日消印有効)です。

採択発表予定は、7月中旬とのことですよ。

投稿日: 2018年4月5日 | 11:55 pm

会計事務所の悲哀 〜プロ意識の欠如が崩壊を招く〜

勤務経験から、このブログで度々、会計事務所のあるべき姿やこれからの革新の方向性について書いてきました。

会計事務所は、本来、「財務コンサルティングを切り口として、クライアントの経営課題に向き合うこと」がそのミッションであるはずではないでしょうか?

ところが、最近この会計事務所は「なってないな…」と正直に思うような事例に遭遇しました。

 

毎月の顧問料をクライアントが支払っているにもかかわらず、試算表の納品をしない(遅れるというより、納品し・な・い…です)。

クライアントから、質問や相談の電話連絡。メール連絡をしても、レスポンスがすこぶる(信じられないくらい)遅い(というより、レスポンス自体がない)。

クライアントの確定申告自体を怠っている(これはある意味、税理士義務違反ではないでしょうか?)。というより、個人の所得確定申告手続きをしていない。

電話連絡して、クレームを言っても、言い訳ばかりで水掛け論。

 

以上は、最近実際に遭遇した最悪な会計事務所の事例です。

 

同じ、経営の専門家、プロとしての気概と誇りはないんですかね?

 

 

経営コンサルティング(クライアントの未来を切り開く支援をする)プロは、クライアントに限りなく寄り添う”心(こころ)”が不可欠です。

損得勘定ではない、善悪判断に基づいた、暖かい支援が必要です。

その覚悟と、誇りを持てない専門家は、早急にステージを降りてこの業界から消えた方が身のためです。

投稿日: 2018年4月4日 | 9:25 pm

会議は同じ空気環で。

移動費や時間の短縮を意図して、テレビ会議などを導入する中小企業があります。

本来、会議の意義というのは、”情報の共有化”だけではありません。

情報の共有化だけの理由で、テレビ会議などを導入するのであれば、シェアメールなどの手段で十分なはずです。

会議の意義は、志を同じくするということですから、同じ空気環の中で実施するのがベターです。

テレビ会議などが、出現した時には画期的な方法として脚光を浴びた記憶がありますが、思ったより導入する企業が少ないのは、そういう理由からでしょう。

ブラウン管を問い押した意思疎通では、”想い”は伝わらないのです。

単なる打ち合わせや、ショートミーティングならまだしも、大切な意思決定を伴うディスカッション型の会議においては、同じ空気を吸いながら、同じ気持ちを共有しながら進めていくことが重要です。

特に中小企業においては、コミュニケーションの根幹は、心の伝わり方に集約されます。

時間や移動コストをケチって、本来大切にしなければならない”想いの共有”が実現できないと、テレビ会議自体がカイアク活動…ということになるでしょう。

投稿日: 2018年4月3日 | 11:54 pm

経営コンサルティングの本質と定義

ITやAI(人工知能)の発展により、会計事務所(税理士・公認会計士)や社会保険労務士の方々が、今後生き残っていくためには、コンサルティングドメインへの進出がひとつの選択肢であることは、間違いないようです。

このことは、ずいぶん以前から叫ばれてきた警鐘なのですが、中小の会計事務所の現状を鑑みた場合、その進化はなかなか進んでいないように思われます。

そのひとつの要因として、「経営コンサルティングというサービスの捕まえ方の違い」があるような気がしています。

会計事務所が提唱しているコンサルティング・サービスは、「税務監査の延長による財務的視点からの提案・助言」ということが往々にしてあります。

多くの社会保険労務士の方々が提唱するコンサルティング・サービスは、「労務法規を根拠にした労働問題・課題の解決支援」でしょう。

 

一経営コンサルティングという領域は、もちろん広義の概念があります。しかし…。

小生が提唱するコンサルティングの本質は、「クライアントの未来を描き、示し、導き、創造すること」です。

また、経営コンサルタントの定義は…「価値と価値を合わせて、新たな価値(バリュー)を創る(あるいは創り出す支援をする)専門家」です。

ですので、その業務は、ありとあらゆる知識と人脈、情報を駆使してクリエイティブできるスキルが求められます。

企業理念を創出するお手伝いをすること、アクションプランが盛りだくさんの事業計画書を策定する支援をすること、事業戦略をクライアントに寄り添って立案し、実行支援をすること…どれも大切なコンサルティング・バリューです。

 

経営という人間の営みは、ありとあらゆる事態・課題が発生します。

その課題解決のための総合的・包括的・多面的な支援を約束することが、経営コンサルティングのあるべき姿です。

投稿日: 2018年3月30日 | 11:31 pm

人財が集まる会社

採用の売り手市場と言われる今日。

人財不足に悩む企業が多く、なかなか採用戦略がうまく行かない現状です。

しかし、このご時世においても、若い人財が集まる企業も存在しています。

”人財が集まりやすい会社”には、共通点があるのです。

よく「この業界は、人が集まりにくい」や「人気のない業種だから」など、外部環境に責任転嫁する経営者もおられます。

果たして、そうでしょうか?

 

人が集まる会社…共通点を以下に列挙します。

①経営理念をきちんと創出し、その実現に向けて真摯に取り組んでいる。

②企業の中・長期的ビジョンを明確にして、将来を差し示している。

③経営方針を定めて、メンバー・スタッフに公開している。

④企業の戦略を明らかにして、メンバーを参画させている。

⑤委員会制度などを創って、経営の課題解決にメンバーを巻き込んでいる。

⑥教育制度・育成制度が整備されている。

⑦人事考課制度・評価システムが構築されている。

⑧明るい、風通しの良い社風があり、情報発信されている。

⑨ワークライフバランスの推奨に取り組んでいる。

⑩結果として業績が良く、人件費と適正配分が実現している。

①〜⑩の条件のうち、7条件以上が満点近くクリアしているという企業は、人財が集まりやすい企業といえます。

 

つまり、”いい会社”には人が集まるのです。

また、給与が高くても上記条件に真摯に取り組んでいない企業は、すぐに人財に見透かされます。

結果、活躍する人財ほど、その会社から去っていく傾向にあります。

給与さえ高く払えば、”人財がそろう”というのは明らかに妄想です。

 

いい会社になるための取り組みは、長期的にじっくりと、諦めずに、ブレずに実行していくことが重要です。

 

投稿日: 2018年3月26日 | 11:17 pm

部下から見捨てられる上司 

経営コンサルタントとして活動していると、さまざまな人間模様に直面します。

コンサルティング活動というのは、ある意味人間観察・人間力診断といっても過言ではないかもしれません。

いや、経営そのものが人間の営みであり、人間を見つめることなのでしょう。

小生がお手伝いしている、中小企業の経営者・幹部の方々は総じて人格者であり、尊敬に値すべき方々です。

理由は簡単です。小生は”お客様を選んでいるから”です。

人格者・人間的魅力に溢れている方でないと、中小企業経営は困難だと思われます。

中小企業は、「支えられる経営」が必要であり、敵を作らないことがあるべき姿です。

一方で、以前所属していた企業では、どうしても部下から慕われない(どころか見捨てられる)幹部を多く見てきました。

 

見捨てられる上司と慕われる上司の違いは…多くのファクターが存在します。

しかし、もっとも共通している要因は、「自己中心的な言動」です。

 

部下の手柄を我がものとする、部下を経営者の前で批判する、部下を育てるプランもなく運転手として酷使する、部下の知的財産を勝手に使用する…などなど、具体的な言動は数知れなく挙げられます。

 

しかし、こういう薄っぺらで人格無視の言動は、時を待たずに部下から見捨てられ、結果として自分が苦しむことになるとを気づかないのです。

 

部下から見捨てられ自分の元をさっても、自分の言動に向き合うことなく、去ってしまった部下に責任転嫁をする自己中上司は、幹部としての資質に欠け人財を育てるというミッションが遂行できない会社のガンとして早めの切除をオススメいたします。

投稿日: 2018年3月25日 | 1:00 am

第2回全九州マスターズ空手道選手権大会

去る3月21日(水・祝)に宮崎県KIRISHIMAツワブキ武道館で開かれた、第2回全九州マスターズ空手道選手権大会に出場してきました。

当日は、朝から雨天であり、宿泊先のANAホテルから見える日向灘の美しい風景を見ることができませんでしたが、家族旅行も兼ねての大会参加ということで、有意義な時間を過ごすことができました。

小生が出場したのは、45歳〜49歳が参加できる組手第二部というクラス。

九州から集まった、空手を学ぶ方々が集い、技を競います。

この大会は、いわば「大人の大会」です。

互いに健康であることに感謝し、空手を心ゆくまで愉しみましょうという、雰囲気にあふれた本当に素敵な大会でした。

試合自体は勝負事ですし、勝ち負けがあります。

なので、参加者は真剣勝負。しかし、試合終了と同時に、互いの健闘を讃え合う握手は、本当に感動します。

結果は第3位。

しかし、多くの課題を見つけた貴重な試合を経験できました。

 

参加者は、多くが社会で活躍されている方々です。勝って笑い、敗けても笑おうという会場の雰囲気はとても好きですし、これこそが空手を学ぶ目的なんだと改めて確認できました。

今年9月には、全国大会が札幌を会場として開催されます。

もちろん出場するつもりで、しっかりと準備をして、また人生の貴重な思い出を刻みたいと思います。

投稿日: 2018年3月24日 | 5:38 pm

中小企業の経営基盤とは?

中小企業の経営資源は、”ヒト”のみであるとは、恩師坂本光司先生の教示です。

では、強固な経営基盤とは何でしょうか?

潤沢なカネでしょうか?結果的にそうなるということはあっても、経営のスタートからナイナイづくしの中小企業経営にとって、カネは経営基盤とはいえません。

では、何でしょうか?

ヒト…人財もその一つであることは間違いありません。

しかし、最初から優秀な人財が確保できればいいのですが、人財は育てるという発想が必要ですし、中長期的な取り組みの中で、育成していくより良い方法はないと言えます。

 

小生は、”中小企業にとっての経営基盤(館骨)とは?”いう問いかけに対し、ある結論を持っています。

それは、”客数=顧客の絶対数”だということです。

 

売上は、公式があり、売上=客数×客単価です。

この公式は、至極有益なヒントを与えてくれ、業績計測の第一バロメーターたる”売上”を伸ばす(増収)方策は、第一優先順位として「客数を伸ばすこと」に他なりません。

客単価とは、一人のお客様が支払う金額のことですが、「お客様の財布の中身は限度がある」からです。

 

中小企業経営の基盤の最重要ファクターは、”客数”であると主張するのは、こういう理由があるのです。

多くのファンから支えられる中小企業は、多少の好不況の影響は受けても、その基盤が揺らぐことはありません。

我が社の経営基盤を強固なものにしたいというお考えの経営者は、まず”客数を伸ばす=顧客づくり”の方策を立案・実行するとをお勧めいたします。

投稿日: 2018年3月23日 | 11:42 pm

志の航跡 〜仲間たちへのエール〜

このブログでは、中小企業診断士やプロのコンサルタントを志す仲間たちのために、少しでも気持ちの糧となるよう、体験談を綴っていきたいと思います。

この仕事を通じて、困っている中小企業のお役に立つ仲間が増えていくことを祈念して、体験・経験・培った価値観・ノウハウを赤裸々に語っていきます。

 

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平成18年3月末。法政大学経営大学院入学のため、単身上京しました。

その前に、勤めていた放送局(長崎放送佐賀放送局)を退職しました。

約11年間勤務した会社から去ることは、とても辛いことでしたし、送別会では号泣してしまったのを覚えています。

また、ラジオの仕事がとても好きでした。

ただ、いったん退職すると、次のステップに想いを馳せていたのも事実です。

出発当日、最愛の息子に別れを告げて、家内と義母がJR佐賀駅まで送ってくれました。

その時のつらさは、今思い出しても胸が熱くなってきます。

 

上京して向かった先は、都内早稲田にある「上田寮」という学生寮でした。

寮費は、朝夕のまかない付きで7万3千円です。この寮費も、月額13万円支給される奨学金を当てました。

 

4月某日。法政大学の入学式が日本武道館で開催されます。

さっそく知り合いになった同僚と一緒に参加。その日は、ささやかな入学祝いと決意高揚のため、同じ佐賀出身の片山くんと一緒に飲みにいったような気がします。

 

法政大学経営大学院は、新一口坂校舎という建物内にあります。

上田寮から、東西線に乗り飯田橋で下車。堀沿いの並木道を通って通います。

とても素敵なところでした。堀端の並木道は、季節によって色合いを変えてくれました。

 

入学式が終わり、翌日。シラバスの説明会が開かれ、学生たちの顔見せがありました。

都内からの通学組が多かったのですが、九州から来ているのは、佐賀から二人(小生と片山くん)です。

 

不安などはさらさらなく、これからスタートする研究内容と人的交流にワクワクしていたことだけ覚えています。

 

入寮後、寮母さんからは本当によくしてもらいました。寮費を3千円まけてくれて、「おいしいものでも食べなさい。」と言ってくれる、本当に暖かい人でした。

今でも元気にしていてほいいと心から思います。

 

〜to be continued〜

投稿日: 2018年3月20日 | 1:00 am