会計事務所のブランディング戦略

これからの時代、急激に変革の波を受ける士業において、会計事務所(税理士法人含む)はその最たる業界と言えましょう。

AIの発達によって、そのあおりをモロに受けると考えられます。

小生も6年間にわたり、会計事務所に所属していましたが、これからの業界を鑑みた時、業界における経営革新の必要性を感じます。

では、どうしたらいいか?

会計事務所のブランディング戦略を考えてみましょう。

ブランディングといっても、TVCMを放送したり、かっこいいホームページを作ったり、オフィスをおしゃれにしたりすることではありません…念のため。

また、最新の会計ソフトを導入した”きれいな試算表や決算書”もお客様は求めていません。

それも、もちろん大切なことかもしれませんが、労働集約型業界である会計事務所は、クライアント(顧客)に接している監査スタッフがブランディングの鍵です。

仕事柄、様々な会計事務所と触れ合いますが、「ここはスゴイ!」という事務所はごく少数です。

”これからの会計事務所(税理士法人)”は、監査スタッフの提案力でブランディングすべきです。

かなりの確率で、監査スタッフが”暗い””陰気””提案できない”という事務所を散見します。

これでは、クライアントを元気にすることなどできません。

”未来を作るお手伝い”と理念は掲げても、監査社員が根本的に”暗い”とブランディング戦略は打つ手なしです。

「監査スタッフの明るいコンサルティング(提案)力」が会計事務所のブランディング戦略を左右します。

 

投稿日: 2018年1月8日 | 11:02 pm

ヒトが集まる会社、集まらない会社

人材不足で困る…という相談も多い今日です。

人口減少時代のこれからは、人材が採用できずに倒産する、あるいは廃業に追い込まれる企業も多くなります。

どうすれば、ヒトが集まる会社になるか??よく経営者から問われる質問です。

しかし、情報化社会の今日、企業やお店の評判などは電光石火で伝わっていきます。

そこで、ヒトが集まる会社になるためには?

「いい会社になること」です。

いい会社とは何か?はっきりしているのは、給料が高いだけではないということです。

一昔前と違い、人財は報酬のみを求めません。

仕事の面白さ、楽しさ、やりがい、仲間意識…人財の働く価値観は実に多様化しています。

未だに、給料が高ければヒトが集まる…という妄想をお持ちの経営者もおられます。

確かに、お金(報酬)につられて入社してくる人材もいるでしょう。

しかし、人材は人財へと育み、長期的に頑張ってもらう体制を作らないと全く無意味です。

投稿日: 2018年1月7日 | 10:21 pm

料理店(居酒屋、レストラン)のブランディング戦略

冬は特に暖かい食べ物が美味しい季節ですね。

鍋やヤキトリ、鮮魚など。日本人に生まれてよかった〜〜と思うことがよくあります。

最近、居酒屋やレストランなどの飲食店から経営相談も増えてきました。今回はそのブランディング戦略について書きたいと思います。

以前、飲食店経営の公式は「製造業+サービス業÷2」で表されると書きました。

その考えには変わりありません。

料理店のブランディングには、「絶え間ない商品(メニュー)開発」「日常を忘れるような極上の接客サービス」が大きく影響します。

つまり、「美味しいか?」と「居心地がいいか?」に左右されるのです。

料理の品質は、「見せ方」も大切。その料理のウンチクなども重要な要素です。

お店の雰囲気が良くても、接客サービスが悪ければ台無しです。

美味しい料理を提供できていても、クリンリネンスができていなければお客は離れます。

また、人間の味覚は思ったほど正確ではないし、一定ではありません。

料理の見せ方や、盛り付け、器の美しさなど多様な要素で変化していきます。

 

料理店のブランディングというと、お店内の雰囲気やテイスト、デザインなどを指すと勘違いしてはいけません。

その勘違いは、短期撤退・閉店というリスクを増大させます。

もっとも大事なのは、他の業種とおなじく「品質=クオリティ」です。

クオリティは、料理の美味しさだけではない。接客やクリンリネス、雰囲気作りや演出、メニュー表の書き方など多くの要素で構成されているのです。

投稿日: 2018年1月6日 | 5:25 pm

ヘアサロンのブランディング戦略

明日は成人式。ヘアサロンでおしゃれして出かける新成人も多いことでしょう。

そこで、ヘアサロン(美容室、理容室…)のブランディング戦略について持論を述べたいと思います。

ブランディングは、店舗コンセプトに基づく”イメージデザイン”がそれを左右すると思われがちです。

とくに、ヘアサロンは”おしゃれ”なイメージは必須。しかし、おしゃれ感の演出だけでは、当然のことながらブランディングは成立しません。

 

点でも線でも、面でもなく立体的な取り組みであるブランディングは、イメージデザインだけでは到底完結しないのです。

ヘアサロンは、労働集約型産業の典型である言えましょう。その意味では、コンサルタントに近いものがあります。

経営コンサルタントが、ブランドイメージだけで高付加価値化が不可能であり、ヘアサロンでも同じことが言えます。

つまり、構成員(ヒト)の高付加価値化・高価格化がブランディングの鍵を握ります。

小生の通うヘアサロンでも、毎回同じ人に依頼します。”ウデ”もさることながら、その話題の多さやユーモア、接客、サービス…総合的に見て、その人でないと髪を切ってもらおうとは思いません。

ですので、ブランディング構成要素のもっとも大きい部分は、”ヒトの魅力向上に特化した総合的クオリティ(品質)”ということになります。

また、ヘアサロンは何のために利用するのか…というお客様目線での探究も必要です。

答えはさまざまあると思いますが、もっとも大きなファクターは一言で「生活のリフレッシュ」ではないでしょうか?

では、そのリフレッシュを求めているお客様に対し、高付加価値なサービスを提供するには…?

そこに、ヘアサロンのブランディング戦略施策展開のヒントがあるのです。

投稿日: 2018年1月5日 | 11:28 pm

法政おぉ我が母校 

祝!箱根駅伝6位入賞!

今年の箱根駅伝は、とても面白かった。我が母校、法政大学が6位入賞を果たし、来年のシード権を得ました。

記録は、11時間10分20秒。3位の早稲田大学まで約1分差という成績でした。

実に惜しかった。

法政大学駅伝部は、1919年創部。箱根には第2回大会の1921年から出場しています。

最高位は1931年、1943年の第3位です。往路優勝1回。復路優勝も1回という伝統校です。

母校の活躍はとても勇気と元気をもらいました。

特に往路第5区、青木選手の9人抜き。区間新記録!

空手の初稽古を休んで応援してしまったほどです(笑)。

 

11年前、法政大学大学院の門をくぐった時を今でも思い出します。

お世話になった松本敦則先生(イタリア産業論)と、よく一緒に法政大学のスポーツ観戦(野球、ラグビー)に行きました。なつかしい。

大学生との合同研究(フィールドワーク)もありました。年の差が半分ほどの学生たちとの研究・発表会はとても新鮮でした。

中小企業経営の研究に没頭した夢のような時間…。

ボナソアードタワーで開催されたプロジェクト(卒論)コンペもなつかしい。

 

プロコンとしての価値観を創ったきっかけをいただいた、坂本光司先生、小川孔補先生との出会い。

何よりも、志の高い仲間たちと学びあった時間。

小生のかけがえのない思い出と誇りです。

 

駅伝部の後輩たちから、思い出と元気をもらいました。

ありがとう。本当にお疲れ様でした。来年も上位入賞を応援しています。

投稿日: 2018年1月3日 | 4:30 pm

2018年…

ブログを開設してまる1年が経ちました。

今年も、経営コンサルタントとして、興味深い商売を紹介するジャーナリストとして、さまざまな発信をしていきたいと思います。

 

さて、昨年から特に「人工知能(AI)の発展に伴い、失くなる仕事…」などという情報がネット上で流れています。

たしかに人口減少時代の今日、AIをうまく活用して企業経営に役立てる取り組みは避けて通れないと考えられます。

AIの発展に伴い、業務環境は劇的に変化していくと考えられます。

どんな形で変化していくのか…予想されること。

既得権益の価値が薄れていく…その職業でないとできなかった仕事が、AIに変わり価値が薄れていくため、新しい価値を創り出す必要があります。

また、作業(判断を伴わない作業)は限りなくAIが担うようになる。

あくまでも可能性ですが、上記のような現象は避けて通れません。

しかしながら、人間の営みである企業経営(商売)の根幹は、やはりヒトが担わなければならない…と考えます。

お客様に限りなく寄り添い、喜ばれる商売は普遍です。

そのため、来たるべき環境変化に備えて、今からホンモノの取り組みをしていきましょう。

ホンモノの取り組みとは、社員・スタッフを大切にすること、本当に喜ばれる商品・サービスをお客様に提供すること、収益は結果現象と受け止めて理念経営を実践すること…です。

 

投稿日: 2018年1月1日 | 11:32 pm

”ご縁”というもの 〜出会いに感謝〜

2017年が終わります。今年も、いろんな素晴らしい経営者の方々と出会うことができました。

経営コンサルタントの仕事に出会えたことが、小生の人生にとって最大の転機となったことは言うまでもありません。

2018年は、国家資格「中小企業診断士」の2回目の更新を迎えます。

すなわち、丸10年を経過するということです。

今年ほど、ご縁の大切さを感じた年はありませんでした。

おかげで、遠く島原半島、天草地方、北九州、熊本、長崎、唐津…西九州エリア全体が活動エリアとして広がりました。

来年の目標…さまざまありますが、ひとつ大きな目論見をもっていることがあります。

自分のコンサルティング活動における、経験から掴んだノウハウをコンテンツ化したいと思っています。

おそらく、根気と投資の狭間でモチベーションを維持する自分自身との闘いになることでしょう。

プライベートでは、何と言っても空手。

今年もマスターズ(札幌で開催)全国大会に出場し、昨年以上の成績(3回戦突破)をあげること。

また、健康でいること(今年は体をメンテナンスした年でした)。

 

しかし、プロコンとしてさらに飛躍する年にしたいことが一番です。

ご縁があった経営者の方々、幹部の方々への感謝の気持ちを大切にし、リスペクトしつづけ、価値ある仕事に邁進したいと思います。

投稿日: 2017年12月31日 | 5:52 pm

生鮮食品小売店(お肉屋さん、八百屋さん)のブランディング戦略

小さな小さな生鮮食品小売店が、生き残るためにはブランディング戦略の立案と実行が不可欠です。

大型ディスカウントショップや大型食品スーパーの台頭で、パパママショップは早くから苦戦が続いています。

では、どうやって戦い、生き残っていくか??

禁じ手ははっきりしています。価格競争です。

価格競争に陥った瞬間、そのお店のブランディング力は皆無になります。

小さな生鮮食品小売店が生き残るための、ブランディング戦略は、「オンリーワン商品のマーチャンダイジング(品揃え)」が鍵です。

すなわち、大手食品スーパーや大型ディスカウントショップが置いていない商品を「仕入れるか」「開発するか」して、重点商品化(売り筋商品化)することなのです。

商品パッケージや、広告戦略、ショップイメージデザインの創出も大切です。

しかし、勝敗を分けるのは「オリジナル・オンリーワン商品のMD(マーチャンダイジング)」だと認識しましょう。

その上でVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)を仕掛けます。

POPやニュースレター、メンバーズカードを制作してお客様の囲い込みを図ります。

その際、つい買いたくなるような文言・フレーズを付加します。

「商品名と価格」だけの POPは意味がありません。

「なぜ、この商品をオススメするのか…」などのストーリーや”想い”を書きます。

その文言(フレーズ)自体も品質です。ブランディングを決めるのは、品質(クオリティ)に他なりません。

小生が長崎市内で何年もお手伝いしている、小さな小さな精肉店があります。

そのお店の重点商品は。「ローストビーフ」「焼き豚」「ぎょうざ」「コロッケ」などの自家製品加工商品です。

この商品がとてもとても人気。

何年も何年も増収増益を更新中です。

ブランディングはこれだ!と教えてくれる、とても注目のお肉屋さんです。

投稿日: 2017年12月29日 | 10:51 pm

借入金の考え方 〜中小企業は無借金経営を目指す〜

低金利時代の今日。

金融機関からの借り入れに関する考え方は、さまざまだと思います。

「無借金経営は良くない」と主張されるコンサルタントもいます。しかし、小生はあえて言いたい。

中小企業は、あえて「無借金経営を目指すべき」だと。

低金利な時代。経営は何が起こるかわからないので、借りれるときに借りておく方が賢いという考え方も理解できます。

しかし、無借金経営に関して、金融機関は評価しないということはありえません。

”信用”という貯金が積み重なります。

結果、何か不測事態があったときでも、手を差し伸べる金融機関はあります。

借入金が大きすぎると、逆に借入金依存症のようになってしまう経営者もおられます。

事業がうまくいっているときは、借入金はできるだけ返済し、身軽になってキャッシュフローをスムーズにしておく。

無借金経営になって、内部キャッシュで事業を回していく。

これが中小企業のめざすべき姿です。

 

投稿日: 2017年12月28日 | 1:00 am

医療機関のブランディング戦略

少し違和感があるかもしれませんが、現在の医療機関(病院、クリニック)もマーケティング(市場開拓)戦略が不可欠な時代と言えます。

つまり、”選ばれる医療機関”として、いかに患者様に支持されるか?が将来を決めていきます。

特に小規模な医療機関(クリニック)は、マーケティング戦略を立案して機動的に実行できるかが問われていきます。

ひと昔前のドクターは、結構上から目線で患者様に接していた印象があります。

しかし、今日はドクターも選ばれ評価される時代です。

ドクターからは、押し付け的な治療方法の提示はなされません。

「治療方法として、2つあります。◯◯な方法と△△な方法です。どちらもメリットデメリットがあります。どうなさいますか?」。これが現在のドクターの治療提案方法です。

まさにコンサルティング(提案)です。

時代は変わりました…。

 

同時に、施設である医療機関そのものも、”経営”という主眼を取り入れていく必要に迫られています。

患者様をお客様と認識し、ホスピタリティをひたすら追求する必要があるでしょう。

しかし、対患者様にばかりベクトルを向けていると、ブランディングは成立しません。

医療機関のブランディング戦略は、”そこに働く人(ドクター、ナース、助手さん、事務員様、清掃スタッフ 他)すべての幸せを追求”しないと成功しないのです。

医療も品質が問われます。

患者様に接するスタッフ自身が、雇用側の病院やクリニック、ドクターをはじめとした経営陣からホスピタリティを感じていなければ、患者様に極上の医療サービスを提供できないからです。

 

経営に関する考え方は、企業となんら変わりません。

 

参考にしてほしい医療機関があります。

ずっと前に読んだ書籍「いのち輝くホスピタリティ」(望月智行著 川越胃腸病院理事長・院長)に掲載されている、埼玉県川越市の川越胃腸病院です。

さまざまな善循環の取り組みが、紹介されています。

 

何と言っても経営理念(目的)すばらしい。

ホームページでも覗いてみてください。きっと医療機関ブランディングの参考になると思いますよ。

投稿日: 2017年12月27日 | 6:56 pm