観光旅館のブランディング戦略

観光旅館という事業は、さまざまなブランディング要素にあふれていると考えています。

つまり、差別化ポイントがとても豊富で、戦略立案・実行が遂行しやすい事業です。

来館されるお客様は、何を求めているか?

当然のことながら、「おいしいものを食したい」「ゆっくりとくつろぎたい」などの非日常性の”体験”を求めています。

ですので、ブランディング戦略の柱は、

①提供する料理の品質

②客室を中心にした、施設の徹底したクレンリネス

③丁寧で気持ちのよい接客・対応

④サプライズの演出

⑤PB商品(他にはないお土産品など)の品揃え(MD)

最後に①〜⑤を想像させるような「しずる感」あふれる旅館イメージのデザインイングが求められます。

以上を立体的に組み合わせた、宿泊・食事プランの立案。

 

旅館のブランディング戦略において、まず陥ってはならない点は、「価格戦略」の打ち出しです。

案外、お客様は低価格を求めてはいません。

それよりも、上記①〜⑤の具体的課題解決がブランディングのポイントであると言えます。

 

特にプライオリティが高いのは、①、②、③、⑥です。

日々、改善と改良を重ねてブランディングを固める努力を惜しまないことが、何より重要です。

 

小生も、コンサルタントなって以来、ずっとご支援している旅館があります。

その旅館様において、最近完成したPB(プライベートブランド)商品です。

味は間違いありません。発売開始は、1月上旬(5日)を予定しています。

ぜひ、ご賞味ください。

 

 

 

 

投稿日: 2017年12月26日 | 11:38 pm

ブランディングの本質 〜企業と商品の価値を高める〜

経営コンサルタント仕事は、ある意味「企業ブランドを構築すること、あるいは価値をあげること」だと思います。

小生の日々の仕事も、究極的にはクライアント様のブランディング活動といえるでしょう。

あらゆる中小企業が、ブランディングを目標として、日々ご商売をされていると思いますし、ブランディングでお悩みの経営者は、大勢いらっしゃるでしょう。

一方で、企業ブランディングの手法は、業種・業態によって戦略・戦術は違ってきます。

ただ、言えることは、「ブランディングは技術論では成り立たない」ということ。

基本的な取り組みは、どんな業種に至っても普遍のものです。

その基本(やるべきこと)と定石(やってはならないこと)を踏まえないと、ブランディングそのものが無駄な取り組みとなってしまいます。

例えば…。

企業のCI(コーポレートアイデンディティ)を創ったり、VI(ビジュアルアイデンティティ)を創出したりすること。

その取り組み自体は、必要条件なのですが十分条件ではありません。

つまり、ブランディング戦略構築活動の一部ではありますが、全部ではありません。

また、商品デザインを構築したりすること。これも一部の取り組みです。

前回も書きましたが、ブランディングというのは、マスコミに広告を出すことでできるような薄い取り組みではないのです。

もっと様々な取り組みを立体的に組み合わせて構築していく、壮大な取り組みです。

では、どうやってブランディングを構築していくか?考えていきましょう。

投稿日: 2017年12月23日 | 11:12 pm

ブランディングの本質 〜企業と商品価値を高める〜

ブランドを高める取り組みは、小手先で成し得るものではありません。

ブランディングプロセスを考慮した場合、テクニックや技術論でゴールに到達することなど、到底無理だと断言できます。

ブランディングとは、商品やパッケージのデザインを統一して、価値の高いものに”見せかける”というチープな取り組みではありません。

企業全体で、点でなく、線でもなく、面であるいは立体的に取り組むべき壮大なオペレーションです。

 

以前、こんなコンサルタントを見たことがあります。

ある他店舗展開しているヘアサロン(美容室)に、そのコンサルティング提案書を提出しました。

タイトルは、「ブランディング向上企画」というもの。

「ヘアサロンは、人がブランド化されなければならない。だから、人財教育を兼ねたコンサル支援を提案する。」という大義でした。

しかし、その中身は実質研修会を並べ立てた、教育プログラム。実際の取り組みは、基本動作(挨拶や接遇など)の強化プログラムです。

提出後、第1回目の支援がスタートした後、クライアントから支援停止・契約解除の打診を受けています。

 

このケース。人財教育自体をコンサルティングプロセスに盛り込むのは、問題ないと言えます。

しかし、ブランディング=人財育成=接遇力強化というイコールは成り立ちません。

 

ブランディングは、全社的な立体的な取り組みです。

経営理念から導き出された、スタッフや経営者の自社そのものや商品に対する想いを具現化して、価値を限りなく高める取り組みです。

想いの共有、コンセプトの創出、コンセプトの明確化、商品開発そのもの、デザイニング、パッケージング、マーケティング…一連のスキームが欠かせないのです。

 

では、既存商品や新開発商品のブランディング活動は、どうやって取り組んでいくべきか?

考察していきたいと思います。

 

 

投稿日: 2017年12月18日 | 8:23 pm

部下を活かす上司、潰す上司2

前回に引き続き、こんな上司が部下を潰すシリーズ第2回です。

部下は上司を選べません。ですので、トンデモ上司の部下に運悪くなった場合は、悲劇を通り越して喜劇。もう笑うしかありません。

冗談ではありませんよ。トンデモ上司の部下となったことをプラスと受け止めて、反面教師を参考にしつつ、牙と爪を磨いていきましょう。

来たるべき、反撃の時に備えるのです。

ただ、企業側としては笑えません。幹部を育てるのは、経営者の仕事です。

是非とも人間的魅力に溢れた、幹部スタッフを育成してください。

こんな上司(幹部)は、間違っても育ててはいけません。

 

3.部下の間違いばかり指摘する。

よくいますよね、揚げ足取り上司。そんな上司は案外、自分自身ができていないために、部下の短所が目につく場合が多い様です。

間違いを指摘することは、決して悪いことではありません。

しかし、”ばかり”ということろが問題です。

人間は、短所と長所を併せ持っています。短所と長所は表裏一体。

明らかなミスは、注意しなければなりませんが、ビジネスの世界は正解のない世界です。

何が正しくて、何が間違っているか?上司だけの価値観で測っていたら、部下は萎縮してしまいます。

 

4.自分の考え、方法を押し付ける。

業務にける課題解決の方法は、ひとつということはあり得ません。

ですので、上司の一方的なやり方や考え方を押し付ける様では、主体的行動をとるような人財育成にはつながらないのです。

上司がやるべき方策は、一方通行のティーチングではなく双方向のコーティングです。

部下のオリジナリティあふれる考え方や手法を導き出し、課題解決にあたってもらう環境整備こそ上司の役割です。

 

5.任せてもいいが心配だ。

この言葉は、上司としてもっとも言ってはならない言葉のひとつです。

余計な一言…この言葉に尽きるでしょう。任せるならば、信頼して任せましょう。

「任せてもいいが、心配だ。」この一言は、やる気のある部下のモチベーションを著しく下げます。

「だったら任せるなよ。」部下はこう思って、上司へのロイヤリティ(忠誠心)を失っていきます。

いわゆる、シラケルという心理状態に陥るわけです。

投稿日: 2017年12月17日 | 6:55 am

部下を活かす上司、潰す上司1

中小企業の経営の現場を駆け回っていて、最近特に思うことが、「やっぱり企業はヒト:人財だな」ということです。

全国津々浦々、長期にわたって躍進企業と呼ばれる会社がいくつもあります。

共通しているのは、採用された人がその組織で”育まれて”いくことです。育っていくことです。

植物も、人財も、よく育てるにはその土壌が大切であり、いくら技術的な仕組み(研修制度や評価制度など)を構築して肥料をやっても、大きく育つことはありません。

企業の土壌とは、社風に左右されます。社風に影響を与えるのは、リーダー・幹部、経営者であると言えます。

これまで、様々な中小企業の幹部と接してきましたが、直族の部下を育てる力量の幹部とそうではない、「なぜ?この人が部長?」と感じるを得ない方々に会いました。

今回から数回にわたり、その幹部の特徴を列挙、解説していきたいと思います。

経営者の方々は、自社の幹部診断の参考にしてほしいと思いますし、幹部職の方々は、ご自分を客観的に診る指標としてほしいと思います。

 

こんな上司・幹部が部下を潰す…です。

1.部下を現場で注意する(怒る、怒鳴る)。

人は、プライドという心理を持つ動物です。感情の動物です。

メンバーの前で叱られると、そのプライドは傷つけられヘコみます。しかし、仕事の現場で部下を平気で怒鳴り散らしたりする上司がいます。

人間の心はただでさえ、傷つきやすい。そのケアをするのも上司の大事な役割です。

注意するならば、周りの環境に留意しながら、コミュニケートするレクチャーを心がけましょう。

2.部下を、さらに上司(経営者など)の目の前でこき下ろす。

こういう上司もアウトです。

その人は、自分の上司(経営者)の前で自分が部下よりいかに優れているか?いかに社員教育に熱心なのか?をアピールしたいという魂胆が、見え見えの場合が多い。

けれども、その言動自体が自虐行為です。

経営者の評価はこうです。

「お前の部下だろう。部下育成ができていないね…」です。

実際、そういう上司(ちなみに女性)のもとで働いたこともあります。

その上司、結局のところ部下から見放され、上司の元を去った人財は7〜8人。

今も部下が育成できずに一人で業務に当たっているそうです。

 

人材は活かしてこそ、育ててこそ、人財になる。

我々リーダーは、そのことを肝に命じなければなりません。

投稿日: 2017年12月15日 | 11:49 pm

食品表示法の脅威 〜加工食品の表示改正について〜

食品表示法が改正されています。

生鮮食品はともかく、注目すべきは加工食品の表示内容です。

小生は、商品開発をコンサルティング支援の軸としているため、どうしてもその課題と向き合わなければなりません。

PB商品(プライベートブランド)で、自社の商品力を強化したいとお考えの企業(特に卸、小売業)は特に留意する必要があります。

今回の商品表示法の改正は猶予期間があります。

2020年3月31日まで。それまでに、製造会社の名称、住所を記載しなければならなくなります(一部除外)。

つまり、OEM供給により加工食品を製造していた場合、これまでは販売者のみの表示記載で済んだものが、製造企業の名称・住所まで記載する義務が生じるのです。

例えば、お土産品(加工食品)をOEMで供給しているショップがあったとしましょう。

OEM供給先が、そのお土産ショップの近隣ならば問題ないのですが、他県や遠方の供給先の場合は、地域色や地場産色が極端に薄れていきます。

例)地元の海鮮食品が入った缶詰  販売者 佐賀の企業  製造者 高知の企業

などという表示がなされる事態になります。

地場産のお土産というインパクトは極端に低下しませんか?

せめて、製造者も佐賀県の企業が望ましいですね。

これから、加工食品の商品開発をする場合や、遠方他県に製造を委託している商品群が多い場合は対策を立てる必要があるでしょう。

投稿日: 2017年12月14日 | 11:10 pm

コンサルタントしてのモチベーション

日々、中小企業の経営の現場を駆け回っていますが、ときどきこのモチベーションはどこからわいてくるのかな?と思うことがあります。

経営コンサルタントしての仕事がとても愉しいと思いますし、つくづく転職だなと感じます。

この愉しさは…やはり、クライアントからのポジティブレスポンスが由来しています。

つまり、「今日もいい会議でした。次回もよろしくお願いします」と言われることや、「おかげでいい商品ができました。これでまたがんばれそうです」などのクライアントからの反応です。

ところが、最近ではほとんどなくなりましたが、まだコンサルタントとして駆け出しの頃は、コンサルティング支援の途中解約などという経験もしました。

その時は、コンサルティングという仕事が苦痛に感じる瞬間がありましたし、愉しくないと思うこともありました。

コンサルタントが契約を切られる瞬間…それは、自分のモチベーションが落ちている時、また、モチベーションが上がらないクライアントの時だということに気づいたのです。

相手(クライアント)の都合ではない。

コンサルタント(支援者側)に課題があるのです。

当時は、会計事務所のコンサル部に所属していましたので、ある意味どんなクライアントの課題にも取り組んでいく必要があります。

けれども独立してからは、そのあたりのストレスはなくなりました。

つまり、クライアントを選べるようになったわけです。

コンサルタントして、支援のモチベーションが上がっていく企業の特徴としては、

①経営理念に共感できる。

②経営者の価値観に共感できる。ex) 責任を社員に押し付けない。経営者自身が課題に向き合う…など。

③経営者が、経営の課題解決を他人任せにしない。

などありますが、やはり経営理念への共感がもっとも大切にしたいファクターです。

そんな企業や、元気な経営者と出会ったとき、コンサルタントして血湧き肉躍る瞬間を感じるのです。

投稿日: 2017年12月13日 | 10:17 pm

中小企業における人財の”育み方”−4

”企業は最大の教育機関である”とは、恩師、坂本光司先生の言葉です。

まさにそう思います。

学生時代をインプット期だとしたら、企業人となって活躍する時はアウトプット期であると言えましょう。

企業は、人財を育む使命を帯びているのです。

 

人財の育み方 その4…教育プログラムの立案方法

経営者の人柄(キャラクター)が人間的魅力に溢れ、経営理念や事業計画書もアウトプット型で展開している企業は、人財が育つ土壌ができていると判断できます。

次に重要なのは、どのような教育プログラムを組んでいくか?です。

まず、禁じ手を紹介します。

①押し付け型や一歩通行型の研修プログラムを組む。

②圧迫型の研修内容を強要する。

③経営者が参画しない、あるいは担当幹部が参画しない。

④経営理念のニュアンスを盛り込んでいない。

⑤研修自体が愉しくない。

特に、⑤は最近つとに逆効果をもたらす傾向があります。

企業側は、社員が「愉しみながら」参画でき、「より現地現場の業務内容に沿った」「双方向型」の教育研修プログラムを工夫すべきです。

また、1回(1日)きりの内容に終わると研修効果が激減します。

点と点を線で結ぶようなイメージで、リレーションがとれたストーリー型の研修プログラムを推奨します。

 

ただ、研修はしょせん研修です。

研修プログラムを組んだからといって、業績向上に直結するような魔法の教育プログラムなどありえません。

もちろん、研修や教育を上手に立案し、実行していけば人財を”育む”ことは可能になります。

育った人財を活かせるかどうかは、実際の経営現場のあり方や経営方針とリンクしていることを忘れてはなりません。

投稿日: 2017年12月7日 | 9:34 pm

中小企業における人財の”育み方”−3

人財教育には、モチベーション(やる気・活力)が大きく左右します。

ゆえに、社員・スタッフがモチベーションを維持・向上させるような取り組みで、社風を作っていくことが重要になります。

では、モチベーションはどのようにしてケア・マネジメントしていけばいいでしょうか?

 

人財の育み方 その3…モチベーション・マネジメントの方策

人間は、どんなときにやる気を感じるでしょうか?

小生のコンサルタントしての経験上、向かうべき方向性やビジョンを共有できたときに、社員のモチベーションは明らかに変化します。

ひとつの方策として、単年度事業計画書(羅針盤と呼んでいます)をボトムアップ型で創ることをオススメします。

従来は、目標数値を経営者が並べ立て、その経営計画書を現場にトップダウンすることが横行していました。今も、その方法をとっている中小企業も往々にして観られます。

しかしながら、”押し付け型・トップダウン型”の事業計画書では、社員の”魂”が宿りません。

計画通りに実績が上がらない場合、特に乖離が激しいときには、やらされ感や被害感が蔓延していきます。

結果として、モチベーションが逓減していくわけです。

また、単年度事業計画書をボトムアップ型で創ると、”いいこと”いいことがたくさん副産します。

主に

①経営に参画する意識が芽生え、モチベーションが上がる。

②自分たちが作った事業計画書のため、責任感が生まれて、行動が変わる。

③数字の羅列だけでない、アクションプラン重視の計画書を創るノウハウが学べる。

④全社員の”魂”を注入した事業計画書ができ、それ自体で指針書として完成する。

⑤金融機関対策(リレーションシップバンキング)のための資料として、有効なものが出来上がる。

などなど。

どれも、社員を人財に育成する効果的な副産物です。

オリジナリティ溢れる事業計画書(羅針盤)を作り、会議ではそのPDCAを愚直に回していく…このこと自体、極上のモチベーション・マネジメント施策といえるのです。

 

 

投稿日: 2017年12月6日 | 6:50 pm

中小企業における人財の”育み方”−2

人財育成こそ、企業育成の第一義であることは、前回書きました。また、経営者の人柄が人財育成を左右することも主張しました。

人財育成を決定づける要因の優先順位として、経営者の人柄が第1番に位置付けられますが、今回はその他のファクターについて述べたいと思います。

 

人財の育み方 その2…経営理念の理解と共有が左右する

何と言ってもやはり、経営理念の共有が大切です。

経営理念は、その企業が向かうべき目的を端的に表したキャッチフレーズです。また、全スタッフと共有すべき価値観です。

ですので、我が社の向かうべき方向性を示した、経営理念の理解を深めるような取り組みが推奨されます。

経営者や役員のみで経営理念を決めたり、または、どこかの優良企業の経営理念をそのまま使用したりする方も見ますが、全く意味がありません。

また、経営理念を決めているのにも関わらず、経営姿勢がそれに沿っていないことも散見されます。

こうなるともはや、理念自体が蛇足ということになりかねません。

経営理念を全社的な共有価値観として、浸透させる…これが人財育成の土壌作りには欠かせないのです。

人は、物事を忘れる動物です。せっかく創った理念も日々の業務にあたる内に、ついつい忘れてしまいがちになるものです。

だからこそ、反復連打で経営理念の理解を促すような取り組み(研修や勉強会など)が望ましいのです。

朝礼や会議の始まりなどで、経営理念を唱和されていますか?その意味は、「初心に帰る」ことに他ならないのです。

経営者自らが、我が社の理念について語りつくす…これが、明日の我が社を背負う人財育成の大切なファクターです。

投稿日: 2017年12月5日 | 7:09 pm