会計事務所の経営革新 〜あるべき姿と未来(これから)〜

以前は会計事務所のコンサル部に勤務していた経験から、今後の会計事務所のあり方について、考える機会が多いです。

会計事務所と連携して、クライアントの支援を実施することもありますし、月次会計報告に同席することもあります。

月次の試算表をもとに、会計報告に同席すると、その会計事務所スタッフのレベルが何となく分かってきます。

以前、同席していた際の、ある監査スタッフの報告内容…

「売上に比べて、経費が高いですね。他の経費はカツカツ(絞りきっている)なので、ここは人件費を削減しましょう。」

→その会社は、スタッフ10人未満の会社でした。人件費を削減して、スタッフが辞めたら死活問題です。そんな実状はよく分かっているはず。それでもこの提案は稚拙だと思いませんか?

「売上を上げることが早急に必要事項です。広告宣伝費をさらに投下して、売上を上げましょう。」

→売上を上げる施策は無限にあります。安易な広告宣伝に頼らず、もっと知恵を絞って、マーケティング施策を提案すべきです。

 

会計事務所のあるべき姿は、今後さらに「クライアントに寄り添うこと」だと確信しています。「寄り添う」とは何でしょう?

「クライアントの実状、現状に肉薄し、確認し、実行可能な施策を熟考すること」です。

また、これからの会計事務所は、過去(経理会計)の処理(試算表策定)をするだけでは生き残れない。

では”これから”は、「熟考した施策をクライアントの現状(制限内)に合わせた実行可能な範囲で提案すること」です。

 

また、会計事務所の商品はなんでしょうか?会計事務所もビジネスですから、商品という概念はあるはずです。

試算表でしょうか?決算書でしょうか?違います。それら財務諸表は、事実の掲示にしかすぎない。

では、何が商品でしょうか?

 

よく考えれば分かるはずです。

投稿日: 2017年11月5日 | 1:00 am

我が存在意義 〜中小企業診断士の日(11月4日)に想う〜

11月4日は中小企業診断士の日です。

中小企業診断士として登録して10年目の節目。改めて、この資格を取得し、仕事をすることに大きな喜びを感じていますし、幸福感を感じずにはいられません。

中小企業診断士の仕事は、無限です。さまざまな形で、さまざまな方向から、困っている中小・零細企業の支援を惜しまない。

中小企業は、課題の連続です。その課題を解決する専門家である中小企業診断士は、プロのコンサルタントです。

プロである以上、ボランティアではない。報酬をもらい、報酬以上の働き(クライアント満足度)が求められます。

また、中小企業診断士は”先生”ではない(たまにそう呼ばれますが、とても違和感があります)。ですので、万能ではないのです。

クライアントの課題解決のために、一緒に悩みます。一緒にのたうちまわって、その解決方法を考えます。

必死に悩み抜いて、出した結論を自信を持って提案します。大切なのは。「クライアントに寄り添う」という”こころ””熱意”です。

小手先のテクニックは二の次。

テクニックとは、経営計画書を綺麗に作ったり、根拠のない思いつきの提案をしたりすること。

中小企業診断士に限らず、コンサルタントにもそのような輩がいます。

 

完全に未来思考型。クライアントの未来(これから)をイメージして、その道筋を「個別具体的に考案し、個別具体的に提案し、個別具体的にシュミレートする」スキルが命です。

そのためには、常に低姿勢で(実るほどこうべを垂れる稲穂かな)、謙虚で(人的ネットワークを大切に)、アンテナを張り続け(好奇心旺盛)ることが肝要です。

少なくとも、小生はそんな中小企業診断士としてあり続けたいと思っています。

投稿日: 2017年11月4日 | 12:05 pm

くんちの街 唐津

今日は、唐津のクライアント様にお呼ばれして、唐津くんちにでかけました。

佐賀県に生まれて、47年。恥ずかしいことに唐津くんちははじめてでした。

高校を卒業して、以来県外の生活が続き、27歳で放送局に勤務したため、同時期に開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」の取材ばかりでかけていたからです。

唐津は、くんちの街です。その賑やかさに驚かされました。

唐津くんちは、昭和33年佐賀県の重要有形文化財として登録されています。また、昭和55年には国の重要無形民俗文化財になっています。

今回はじめて訪問しましたが、外国人の観光客も多いです。期間中の観光客は、毎年50万人を超えるそうです。

一番曳山(赤獅子)です。間近から見ると、やはり迫力があります

四番曳山(義経の兜)です。個人的には、この曳山がとても好きです。かっこいい!

鯛の曳山もいいですね。

唐津くんちは、くんちに来られるお客様を”もてなす”という心意気が伝わる、とても人情味溢れるおまつりです。

料理も文化的。目玉料理は、”巨大魚アラ”の料理です。小生もいただきました。

およそ30kg(1kgあたり1万円…だそうです)もある見事なアラ。1mを超えていました(驚)。

白身の癖のない食味。とても美味です。日本酒を飲みながら、くんち料理で舌鼓。至福の時です(ご縁に感謝)。

19時23分発の唐津線に、ほろ酔い気分で乗り、家路についたとても幸せな1日でした。

投稿日: 2017年11月3日 | 10:39 pm

金融機関との付き合い方

中小企業の財務的理想像は、「無借金経営」だと思っています。

しかし、大抵の企業(特に投資産業とよばれる業界)は、金融機関の融資が不可欠です。

では、どうやって付き合っていったらいいでしょうか?

まず、辞めるべきは、お付き合いでの「お願いセールス」による融資実行です。

必要ない場合は、必要ないとはっきりと伝えるべきです。

問題なのは、本当に融資が必要な時になかなか貸してくれないこと。または、融資実行までに事業計画書策定や申し込みなどで時間を要することです。

ですので、金融機関(メインバンク)とは、日頃から時々コミュニケートする努力が必要であり、ベターです。

経営の状態にもよりますが、内容をすべて伝える必要はありません。

現在、非常に調子がいいか、何となくギリギリの資金繰りなのか…そういった大枠情報を伝えておくだけで良好な関係は構築できます。

いわゆるリレーションシップバンキングと呼ばれるものです。

今は、国の施策などもあって、金融機関が融資をしてくれやすい環境と言えます。

返済計画どおりに、キャッシュを生み出していくビジネスモデルをモニタリングしながらPDCAを愚直に回していけば、金融機関からの信用も高まり、いざという時の融資をお願いしやすくなります。

投稿日: 2017年11月2日 | 11:50 pm

市場開拓という考え方 〜有効供給が業績を決める〜

中小企業の業績決定要因は何か?それは、有効需要(市場)ではありません。答えは有効供給です。

有効供給…つまり、企業がどんな価値をお客様に提供できるか?がカギとなります。

それは、外部環境ではなく内部環境要因が、その課題すべてであるということを意味するのです。

であるならば、市場を開拓していくという方法は無限にあります。

企業努力や、企業価値を磨いていくことです。

どんな価値のある商品を開発(あるいは調達=仕入れ)し、それをどんな方法でお客様に届ける(マーケティング)か?を額に汗して、脳みそに汗して実行努力することです。

市場のシェアをいかに伸ばすか?を考えるよりも、未だ開拓できていない市場にいかにしてアプローチするかを考えていきます。

商品のコンセプトや内容を改善し、コア・ターゲットを変更し、試行錯誤しながら業績向上に邁進します。

今日も、小生のクライアントにおいてそんな議論を徹底的に交わしました。

内部の課題や、外部の障壁が多いこのご時世、どのように生き残って業績・企業価値を上げていくか?

”敵はウチにあり、味方もウチにあり”という覚悟で、内部を常に見直し、改善し、味方(スタッフや関係先)を大切にする経営こそが、外部(お客様や金融機関)に認められる唯一の方法と言えます。

 

投稿日: 2017年11月1日 | 10:48 pm

我がコンサルタント論

経営コンサルタントは何か?時々考えます。それぞれの分野で活躍されている経営コンサルタントの方々。

小生の知る先輩方には、スキル的にもハート的にも尊敬する方々がおられます。

しかし、この人は経営コンサルタントではないな…と思われる方もいます。

これがコンサルタントだ!と言うのは烏滸がましい経験しか積んでないので(未だ修行中)、これはコンサルタントではない!という逆説を書きたいと思います。

まず言えること…

コンサルタントは、コストカッターではありません。

コンサルタントは、少なくとも価値をクリエイトする専門家だと考えています。

以前、自称コンサルタントが「業績が悪いなら、人件費を筆頭にコスト削減をしましょう!」と平気で提案するシーンを見ました。

はっきり言いましょう。コストカットは誰でもできます!

関わる人を幸福にすることが、経営の目的です。であるならば、コストカットよりも、お客様が望まれる価値ある商品(またはサービス)を開発・仕入れることが最優先事項です。

コンサルタントは研修屋でもない。

コンサルタントの業務の一部として、教育・研修が位置付けられています。

これも以前、コンサルティングと称して結局は、研修や教育に持ち込むコンサルタントを見ました。

そのコンサルタントは、クライアントの商品すら知らない始末でした。

また、コンサルティング支援の中で、ランチェスター戦略(これも前日に付け焼き刃で本を読んだ内容)を一生懸命レクチャーしていました。

参加者は、当然チンプンカンプンです(ランチェスターは、それはそれで意味ある理論とは思いますが…)。

経営コンサルタントという職業の定義が、曖昧なのです。

しかし、クライアントに対して”新しい価値をクリエイトする”提案ができないコンサルタントは、今後淘汰されていくでしょう。

投稿日: 2017年10月30日 | 11:26 pm

新商品開発〜エイチメソッド〜 顧客囲い込みの手法−2

前回、ハンドメイド・ポイントカードの推奨を書きました。

ポイントカードを手作りする場合、デザインはとても重要なファクターです。

腕のいいデザイナーに有料依頼することが確実で早いです。しかし、かなりのコストを覚悟しなければなりません。

では、どうするか?人的なネットワーク(知り合い)を駆使して、デザイナーを探す…これも不確実な場合があります。

では…今はネットを通じたコンペ形式のデザイナー依頼方法もあります。

どの手法も、メリット・デメリットがありますので、よく検討してセレクトします。

 

ポイントカードができたら、その運用方法です。

案内のPOPを制作することは、必須です。また、来店客へのお声かけ・案内・提案も必須です。

また、来店客への乱発(ただ差し上げる)もオススメしません。

申込書を作って、住所・名前・誕生日を最低でもお聞きして、顧客マネジメントに活用します。

何よりも、「ポイントカードを持っていた方が得するなあ」と思ってもらえる仕掛けが大切です。

 

ハンドメイド・ポイントカードは、自社にしかない世界で唯一のオリジナルカードです。

配れば配るほど、広告効果があります。また、イベント時の活用方法も無限です。

申込書に記入してくれた、ポイントカード保有顧客を増やせば増やすほど、売上が向上していくことを実感できるはずです。

 

投稿日: 2017年10月29日 | 10:04 am

新商品開発〜エイチメソッド〜 顧客囲い込みの手法−1

新商品を開発したり、新しいサービスを導入したりする際、その後のマーケティングをどう展開するかが、次のテーマと言えます。

中小小売店や小さな商店が、PB商品などの新開発商品を売り出していく場合、リピーターの獲得がその成否を分けます。

ここでは、手軽にできるマーケティング施策として「ハンドメイド・ポイントカード」を推奨紹介します。

小さな商店がポイントカードを導入するとき、間違っても大手カード(例:TSU◯◯YAカード)の導入に走ってはいけません。

手数料も高くマシンの導入もあり、何よりもハートが感じられません。

ハンドメイド・ポイントカードは、中小小売店・販売店などが手軽にできる顧客囲い込みの手法として、本当にオススメです。

制作過程を簡単に紹介します。

①ポイントカードの内容を検討する(いくらのお買い上げで1ポイント?)。

②ポイントのマイルストーン・プレミアム(ポイント到達の特典)を決める。※ここで大切なのは、安易な値引きを特典にしてはダメです。プレゼントや心温まる特典を立案します。

③カードのガイドラインをディスカッションし、決定する。(例:有効期限や紛失対策など)

④カードのデザインを考案する。デザインは重要です。カードのデザイン創出については後述します。

⑤印刷を発注する。導入キックオフ日を決定する。

ハンドメイド・ポイントカードが、なぜオススメか?それは、マンツーマン・マーケティングが、小さな企業(小売店)の生命線だからです。

 

 

投稿日: 2017年10月28日 | 11:00 pm

明るい経営のススメ 〜商売も社長も明るい方がいい〜

今日は北九州に赴きました。以前から支援している会社に、専門家派遣で呼んでいただいたのです。

その社長は、同郷(佐賀県白石町)出身ということもあり、本当にお世話になっている方です。

その会社、業績好調の躍進企業です。もちろんさまざまな課題はありますが、その解決はひとつひとつクリアにしていけばいい。

小生の存在価値が試されます。

さて、その尊敬すべき経営者(社長)は、現在小生より10歳上の57歳。

底抜けに明るい、とても面白い社長です。

今日は、今後3年間の企業ビジョン書を策定するためのディスカッションを主に実施支援しました。

話の途中で、さまざまな方向に脱線しますが、その話がとてもユーモアがあふれて楽しい。心から笑いました。

もちろん笑いばかりでなく、仕事の厳しさもあります。しかし、笑いがある明るい職場(会社)には、明るい人が集まり、明るお客様がやってくる(ことが多い)のです。

躍進企業は、明るい。暗い職場、笑いもない会社には、人も集まりませんし、人も育ちません。

明るい経営の環境づくりが、経営者の仕事のひとつであると言えますね。

 

投稿日: 2017年10月27日 | 7:15 pm

佐賀さいこう!佐賀県特産品商談会 取材記

昨日10月25日(水)、佐賀県主催の商談会イベントに行ってきました。

イベントは、県内外の小売、食品関連卸等のバイヤーと県内の食品関連の事業者が会する「佐賀さいこう!佐賀県特産品商談会」と言います。

毎年、次期の変更はあるものの、大勢のバイヤーと事業者自慢の商材で賑わうこの商談展示会を小生も楽しみにしています。

参加企業は112社。

佐賀にも元気な中小企業と、商品開発のニーズが大きいことを実感します。

小生の訪問目的は、マッチングです。クライアントとのマッチングや、商品開発(OEM)などのサポート企業を約2時間にわたり探索させていただきました。

とても充実した時間でした。

佐賀県は狭いようで広い。各地域に分散した中小企業の自慢の開発商品が、一堂に堪能できるこのイベントの意義はとても大きいと思います。

普段では、なかなかアプローチできないユニークな商品群・経営者に直接出会うことができました。

収穫の多い一日でした。

さがみかんのドライフルーツ。とても甘酸っぱいおいしい健康食品です。

フルーツビネガーの詰め合わせ。

次回も楽しみにしています。

投稿日: 2017年10月26日 | 3:45 am