人事考課制度の目的−2

人事考課制度導入の目的は、「スタッフ・社員のモチベーションを上げること」だと記述しました。

この主張には、自信を持っていますし、経験上間違いない考えだと思います。

人事考課制度の構築・整備により、モチベーションを上げて、結果としての業績向上を図る…自然な流れです。

人事考課制度構築の第一義の目的を、効率化による人件費削減や、リストラの手段などにベクトルを合わせれば、かなりの高確率で破綻してきます。

ですので、評価項目は各キーワードの定義付けを的確に行い、評価自体は偶数段階で策定していきます。

奇数段階にすると、「中心化傾向」というミスに陥りやすいのです。

具体的かつ明確な評価文言の策定、偶数段階にすることによる中心化傾向の物理的排除。これが有効です。

もっとも使えない評価項目の文言を数例あげましょう。

「売場全体の数字に関心を持ち把握することができる」(業務遂行スキル)…なんの数字か不明。関心を持ちというスキルをどう図るか不明。

「率先して行動ができる」(求められる行動スキル)…何をもって率先とするか不明。

共通するミスは、抽象的すぎて評価者の主観が入りやすく、公平性に著しく欠ける点。

この評価シートは人事のプロ、社労士が策定したものです。

肝心の考課者自身が、評点をつけやすいフレーズを策定しないと使えないものになってしまいます。

投稿日: 2017年10月23日 | 1:00 am

再会 友よ、ありがとう。

昨晩、四半世紀ぶりに大学時代の後輩と再会しました。

人生でもっとも楽しかったとき、あのころ本当によく笑い、泣き、語り合い、飲み…最高の時間を過ごした仲間です。

はるばる東京から遊びに来てくれました。

25年という時間は、容姿こそ少しだけ歳をとった印象をつくったものの、変わらない志や考え方、男気…とても有意義な再会でした。

17時から飲み始めてあっという間の6時間。四半世紀の時間は、やっぱり語り尽くせない。

けれども久しぶりに心から、魂で笑ったひと時でした。

気の合う仲間との語らいは、数十年というときを戻してくれました。

お互いに社会的な地位も築き、後輩は会社の役員という責任ある仕事を任される、カッコイイ男になっていました。

友の名は、平木といいます。大切な大切な友人です。

さて、彼がお土産で買ってく来てくれたものを紹介します。

ネスレのヒット商品「キットカット」の日本酒味。「日本酒KITKAT」です。

 

ほんのりと日本酒の風味を味わえる、ホワイトキットカットです。

もちろん本物の日本酒入り。なので、子供は食べられません。

1893年創業の富山県の酒蔵と共同開発のようです。粉末酒が練りこんであるとか。

コラボレーションの商品開発が、とてもユニークなことを教えてくれます。

 

ありがとう。平木。また会いたし、友よ。

投稿日: 2017年10月22日 | 4:13 pm

人事考課制度の目的−1

人事考課制度はお創りでしょうか?

ひと頃、コンサル会社に依頼し、多額のコストをかけて人事評価・考課制度を創る企業が増えたことがありました。

結果、「宝の持ち腐れ」現象。まったく使われずにお蔵入り…という企業が多く出ました。

人事考課制度の目的は何でしょうか?これを見失うと必ず失敗します。

一言でいいましょう。目的は、「スタッフ・社員のモチベーションを上げるため」です。

副次考課として、あくまでも結果として、コスト(人件費)の効率的配分が存在します。

給与というのは、不満足の解消にはなりますが、満足の解消にはなりません。つまり、際限なく上を欲するようになるものです。

ですので、限られた財源・原資の中で最適な人件費配分を目指す場合、じっくりと議論して考案した人事考課制度を創る必要があります。

外部のコンサル会社や社労士事務所に丸投げ…これが一番やってはならないことです。

先述したように、「まったく現場に即していない(汎用品の使い回し)」「評価項目の表現が抽象的すぎて、考課者の主観が入りやすい」などの改悪現象に満ちた完成品として、納品されることが往々としてあります。

中小企業が、人事考課制度を創出・改定する場合、外部の専門家を加えた(コーディネーターとした)委員会・プロジェクト形式で策定するのがベターです。

投稿日: 2017年10月20日 | 11:35 pm

CSか?ESか?

以前、ある経営者が言っていた言葉を思い出します。

「今、ES(社員満足度)が先か、CS(顧客満足度)が先かと言われていますが、それはトレンドにしか過ぎない。我が社はCS第一主義でいく。なぜなら、お客様が喜ばれることが社員の至上の喜びだからだ。」

「お客様からお金をもらう。そのお金で収益を上げて、社員に還元できる。それこそ社員満足度アップに直結する。」

この二つの言葉。今でもとても違和感を覚えます。

お客様が喜ばれることが、社員の至上の喜びでしょうか?それもあるでしょう。しかし、社員の至上の喜びは、家族やかけがえのない人が喜ぶことだと思うのです。

決して、お客様だけではないのです。

また、社員満足度アップはお金(給与)だけではありません。経営者の人間的魅力や、やりがい、仕事の面白さ、仲間意識…とても様々で多様なファクター(要因)がからむのです。

その経営者は、売上至上主義の考え方をされていました。

経営の目的は、売上や利益の追求ではない。

それは、目標であり結果現象。経営の目的は、経営理念に肉薄することであり、社員や関係する人たちの幸せの追求でなのです。

 

投稿日: 2017年10月15日 | 6:17 pm

新商品開発〜エイチメソッド〜 値決めの基本的な考え方

開発された新商品を売り出していくための、マーケティングを立案する際の留意点について書きたいと思います。

市場浸透を早めに実現するため、低価格路線を選択しがちですし、実際にどれくらいのローコストが実現できるかを立案しがちです。

ところが、ここに大きな落とし穴があります。

中小企業にこそ、ブランディング戦略が必要であり、基本的な考え方は「いいものをより高く!」です。

小生は、一貫して中小企業は、「高品質・高付加価値・高価格」戦略を実現することが基本だと主張しています。

極端に言えば、低価格は”いつでも”できます。値下げはいつでもできるのです。

真の商品は?と考えた場合、極端に言えば『企業努力」であるということができます。

つまり、そこに携わるスタッフ・幹部・経営者の”想い”なのです。

その”想い”は決して軽いものではありません。軽いのならば、努力の重さが不足していると考えましょう。

”こだわり”と”自信”をもって”一生懸命”作った(仕入れた)商品をできるだけ高価格でお届けする…これが基本的な値決め戦略の考え方です。

努力と汗・熱意、涙…その量が多ければ多いほど、その想いはお客様の心を捉えます。

高価格路線を推奨するのは、そういう理由からです。

投稿日: 2017年10月14日 | 8:40 pm

新規事業開発の留意点 軌道化のポイント−2

アンゾフの成長マトリクスを使って、新規事業構想をプロットした時、「新商品開発戦略」がプライオリティ1の取り組みであることは先述しました。

次に優先順位が高い戦略構想は、既存商品を新市場にぶつける「市場開拓戦略」と言えます。

この戦略は、マーケティング戦略の立案・実行が鍵です。マーケティング戦略と言っても、経営資源が乏しい中小企業が取れる戦略は限界があります。

コストが高いマスメディア広告戦略は、当然取れないでしょう。

中小企業が取れるマーケティング戦略については、後述します。

新規事業戦略を軌道化するには、ポイントがありますので列挙しておきます。

①ビジネスモデルを図式化する…全体像をつかむ

②ビジネスモデルの収益性を検証する…プロフィット(利益)創出が可能か?

③リスクファクターを列挙する…この際「QCDS」の切り口で検証します。「Q:品質」「C:コスト」「D:納期」「S:サービス」です。※これが大事です!

④リスクファクターの対策を検討する…リスクを想定内としてシミュレーションしておく。

⑤新事業を盛り上げるための企画を立案する…マーケティング戦略・仕掛けなどの立案。

構想段階では、以上の通りです。

全ては、成功というよりも「失敗しないため」です・

この後、具体的な事業計画アクションプラン・業績数値計画に入っていきます。

投稿日: 2017年10月12日 | 10:42 am

新規事業開発の留意点 軌道化のポイント−1

新規事業開発の需要が、高まりを見せています。

既存事業を継続していくことに対する不安や、不透明な経済環境を鑑みての傾向ではないかと思います。

新規事業を手がける場合、アンゾフの成長マトリクスで戦略考案すると便利です。

縦軸に商品を設置し、既存・新規で分割します。横軸には市場を設置、同じく既存・新規で分割します。

戦略として考案していいる事業が、既存商品・既存市場にプロットされたら「市場浸透戦略」。もっともリスクが低い戦略です。

また、新商品・既存市場にプロットされたら「新商品開発戦略」です。差別化されたオリジナル商品やサービスを開発して、既存市場の裾野を広げていくことが可能になります。

既存商品・新市場にプロットされたら「市場開拓戦略」。積極的なマーケティング戦略の実行がキーポイントです。

最後に、新商品・新市場にプロットされた場合。「多角化戦略」です。ハイリスクハイリターンの戦略です。

新規事業を企業戦略の一手として考えた場合、中小企業にオススメの戦略は何でしょうか?

もちろんそれぞれの戦略種によって打ち手も違いますし、一概には言えない部分もあります。

しかし、小生は中小企業の新規事業には明らかに「新商品開発戦略」をナンバーワンプライオリティとして推奨しています。

なぜなら、シナジー(相乗効果)が働きやすく、新商品の開発により収益の柱もできるからです。

 

投稿日: 2017年10月11日 | 11:55 pm

経営者にオススメ!池井戸潤 著 『陸王(りくおう)』

秋は読書に最適なシーズンだと思います。小生も、休日の昼下がりにテラスに出て、外の空気を吸いながらひたすら好きな小説を読み耽ります。

今秋、おすすめの経済小説は断然、池井戸潤氏著作の「陸王」です。

この「陸王」。10月15日(日)からTBS系日曜劇場でドラマ化放映されます。

テレビドラマもいいけど、この話は断然、本で読んでください。

小さな中小企業(足袋製造メーカー)が、開発力と技術力を武器にランニングシューズ業界に進出。

試行錯誤と紆余曲折、関わる人たちの喜怒哀楽を描いています。

頑張る中小企業を応援している、小生のような仕事をする人。中小企業の経営者の方々。おすすめの一冊ですよ。

この小説で何が学べるか?…しょせんフィクションでしょう、とか言われる方も多いと思います。

フィクションでも、「ものづくりとは何か?」「お客様に寄り添うとはどういうことか?」「愛社精神とはどういうものか?」「関係先に応援される経営とは?」…様々な中小企業経営の原点を読み取ることができます。

ドラマは、役所広司さんが主演され、主人公「こはぜ屋」の四代目社長宮沢を演じています。

もちろんテレビドラマも観ます。楽しみです。

投稿日: 2017年10月8日 | 6:13 am

新商品開発〜エイチメソッド〜 販促戦略の立て方−3

中小企業ができる販促施策として、おすすめの手法をお伝えします。

それは、ニュースレターというものです。なんだ…それか?と思われるかもしれません。実はこの手法、古いようでロングエフェクト(長期間効果的)な施策なのです。

ニュースレターを制作する場合のコツをお伝えします。

いくつかあるのですが、数点挙げます。

①「役に立つ情報」を盛り込む…その商品を使用する(飲食する)ことによって得られる価値、愉しみを記載する。

②価格訴求をしない…価格に訴求して記載するのは、やめましょう。価格を前面に出してしまうと、お客様は品質よりも価格に気を向けます。

③絵や写真を盛り込む…文章よりも情報が多いものが写真や絵です。ニュースレターは、読み物でなく”眺めるもの”と心得ましょう。

④手書きがベター…手書きほど温かいものはありません。心のこもったニュースレターほど、お客様の心に刺さります。

⑤継続することに意義がある…ニュースレターは継続してこそ価値が上がっていきます。不連続の連続でも結構。断続的に続けましょう。

⑥ボリュームよりもクオリティ…多くの情報を記載する必要はありません。大事なのは、沢山の情報より楽しい情報です。

ニュースレターは、チラシとは確実に違います。

小さな企業だからこそできる、心温まるお客様への心遣いです。また、少々手間はかかりますが、コストはかかりません。

おすすめ施策です。

投稿日: 2017年10月7日 | 7:45 pm

新商品開発〜エイチメソッド〜 販促戦略の立て方−2

販促戦略を的確に立案することは、新商品のマーケティング活動に大きく影響していきます。

販促というと広告(いわゆるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌という四大広告)を思い浮かべますが、最近はHP、SNS、などを使用し個人が媒体を有する時代になりました。

特にインターネットを使った広報展開は、口コミを誘発する最適な媒体ではないかと思います。

とはいえ、日本人ほどテレビを見る民族はいないと言われます。

テレビ広告も、地方ではまだまだ威力を発揮していますが、高コストであることが一番のネックでしょう。

では、中小企業がとれる販促戦略は何か?

特に新商品開発のフェーズでお勧めしたいのが、パブリシティという方法です。

世の中にユニークな商品を開発・発売する(した)という情報を、マスコミあてにリークし、ニュース・記事として取り上げてもらう戦略です。

特にユニークな取り組みや新商品であればあるほど、取り上げてくれる確率は高まります。

リークの方法にも、有効な手段はあるのですが、それはノウハウです。

また、チラシなどの紙媒体広告を展開するという方法もあります。

販促展開エリアが限られていることや、絵や写真でインパクトを与えたいときに使用します。

気をつけたいのが、価格訴求のチラシにならないことです。

あくまでも見栄えや、インパクト性にこだわってください。

投稿日: 2017年10月5日 | 9:25 pm