商売は先手必勝である!

先行き不透明なご時世。戦争や感染病…不景気など、中小企業経営を取り巻く環境は、決して緩いものではありません。そのため、場当たり的なその場対処の運営をなさっている中小零細企業が多い…。これは印象でなく、事実なのだろうと思います。

何事も共通して言えることではありますが、先手必勝という言葉。中小企業経営においては、実に重要な概念です。

経営戦略用語でいうと「先行管理」というもの。業績がうまくいっていない企業に限って、先行管理を実行していません。3ヶ月先の業績を鑑みて、今、1ヶ月後、2ヶ月後、どんな戦略戦術を現場に投下するか?考察することです。

これが1年先の計画・マネジメントとなると、単年度経営計画書という形になります。

先行き不透明な時世だからこそ、必要な先行管理!絶対に自社で取り入れてマネジメントしてください。

これは、営業や販売局面の他、仕入れや開発局面においても言えることです。また、総務や事務・経理の部署においても当てはまることです。

つまり経営のあらゆる局面、あらゆる部署において取り入れるべき考え方、マネジメント手法です。

仕組みとして会社内に取り入れるには、書式フォーマットを統一することです。そのフォーマットを社内管理ソフトに反映させて、マネジメントしていきます。

マネジメントとは、PDCAを実直に回していくこと。

先手先手で現状を把握し、先手先手で手を売っていくこと…。これが厳しい経済情勢を生き抜いていく秘訣であることに間違いはありません。

投稿日: 2022年8月10日 | 5:29 am

金融機関のコンサルタント化

金融機関(特に地方銀行)が最近変化していきていることを感じています。融資やローンなどの従来型ビジネスだけでなく、商談マッチングを支援する商社を設立したり、クラウドファンディングを提案しサポートしたりする業務をスタートさせているのです。

インターネットバンキングの普及で、窓口業務の必要性がなくなり、「地域に寄り添った金融機関」の価値が薄れていていることは確かなようです。

また、晴れの日に傘を貸して雨の日に取り上げる…。そういった体質は従来からまだ変わらず、法人融資にしても目に見えない企業価値にスポットを当てようとするバンカーは数少ない印象です。

さておき、金融機関がコンサル業務を手がけるようになったことは確かな兆候でしょう。

ただし…です。やはり、「業績重視で判断する」金融機関の体質や価値観は変わらない。残念ながら…。

すぐに財務諸表提出を短納期で要請してきますし、定期的な訪問などほとんど皆無。こんれでは、コンサルティング融資など到底無理でしょう。

中小企業になればなるほど、結果よりも未来ある経営価値に目を向けてほしい。その企業の取り組みや人財、商品の将来性・価値を測定し、目利きして融資する…そんな金融機関にはなれないものでしょうかねえ…笑。

中小企業診断士として様々なバンカーと情報交換したり、仕事をご一緒したりしていますが、彼ら彼女たちの頑張りには敬意を持っています。これからの金融機関の価値は、もっと融資先の価値を寄り添ってサポートするコンサルティングスキルにかかっていると考えています。

投稿日: 2022年8月8日 | 5:41 am

海の上で過ごす休日…。

ちょうど1週間前。小説「彼方なる南十字星」の主人公モデルとなった安樂さんのお世話になりました。もちろんヨットクルーズです。笑

7月30日(土)夕方から上天草に入り、安樂さんの長年のヨット仲間である岩岸さんの愛艇『AZUL』(アズール)号のキャビンに泊まらせてもらいました。アズール号は、とても美しい船。岩岸さんの愛情がとても感じられる素敵なヨットでした。

安樂さんと岩岸さんです。二人とも紳士のヨットマン。じつにかっこいい!

アズール号は、キャビン(客室)にエアコンも装備されていて、まさに「男の隠れ家」。安樂さんもくつろいでいます。笑

夜中まで3人でお酒を飲みながら、語り合いました。そんな時の時間はあっという間…。海の話、人生の話、ヨットの話…。尽きないですね。

翌日は安樂さんの愛艇「少年海援隊Ⅱ」に乗せてもらい、湯島周辺までクルージング&フィッシング!

昔ながらの手釣りで「天草の天然鯛」を狙います!

昔ながらの手釣りは、魚のアタリがダイレクトに伝わり、実にスリリング!

釣果は…残念ながら本命の天然鯛とは縁がなく、良型のアラカブが10杯ほど。まあそれでも、十分にリフレッシュできた休日でした。

いや〜、ヨットは素晴らしい!海も素晴らしい!

安樂さん、岩岸さん!本当に素敵な休日をありがとうございました!

投稿日: 2022年8月6日 | 7:31 am

独立診断士の定義ー4

士業という専門家の中で、中小企業診断士は「稼げる資格」であることに間違いはありません。「足の裏の飯つぶ」…すなわち食えない資格と言われた時代はとうの昔に過ぎ去りました。

中小企業診断士である以上、やはりフィールドを駆け回り、困っている中小零細企業のために奔走する…これが理想ですよね。中小企業診断士の資格登録をしている以上、独立して「支援したい企業をセレクトし、愉しく喜ばれる仕事に向き合う」これこそ、独立診断士の変えがたい魅力と言えます。

ただし…食べ物にも旬があるように、社会人にも働き盛りがあるように、中小企業診断士にも「旬」があると僕は考えています。

中小企業診断士は、クライアントの経営の現場に赴き、事実確認するスキルが重要です。そのため、オンラインコンテンツなどによるハイクオリティなコンサルティングなど、絶対に不可能(現在の技術では!)。

つまり体力が重要です。

僕自身、空手の稽古に(週1〜3回)励んで体力・気力の保持に努めています。趣味もたくさんあります。本も読みます(くだらないビジネス書は読みませんが…笑)。

したがって、中小企業診断士(プロの経営コンサルタント)としての旬の時期は「50代」であると断言します。

社会人としての豊富な経験、仮説が確信に変わる実績、充実した気力・体力…これらがバランス良く備わる時期は、やはり50代でしょう。

定年後に診断士として少々稼げればいいか…などと60歳以上の独立診断士を目論んでいる方。診断士として稼ぐということは、そんなに甘くはありませんよ。

投稿日: 2022年7月28日 | 5:46 am

独立診断士の定義ー3

前号で記述しました、中小企業診断士の「接点開発力」について詳細に書きたいと思っています。僕は、中小企業診断士に必要な営業力のことを「接点開発力」と定義しています。これは「顧客(長期的支援が可能なクライアント)の接点を創っていく(開発)していく能力」のことをです。

多くの独立思考診断士(これから独立したいけど収入面で心配なため、一歩踏み出せない診断士)が、ここに気づいていないと僕は勝手に(笑)思っています。

集客力?営業力?そんな抽象的な言葉でアドバイスするから、混乱するし理解が進めないわけです。

「顧客接点開発力」は、行動力さえあればいくらでも向上できます。例えば、中小企業が集う展示会。自ら取材に赴き、経営者や担当者と名刺交換して「今度会社に取材に行かせてください」とアポイントを取る…これが接点開発です。

また、公的期間(商工会議所など)のセミナー講師をする機会があったら、そこで独自策定した経営資料を差し上げ、「今度、会社で経営について聞かせてもらえませんか?」とアポイントを取りましょう。これが接点開発です。

重要なのは、アポイントをその場で取ること!です。

そして現地訪問に至ったら、訪問先企業様の経営状態をじっくりとヒアリングしましょう。気をつけなければならないのは、自らのコンサルティングに関する支援方法を最初から提案しないこと…です。

クライアントを逃す診断士は「上中から目線」「聞くより話す」「基本動作が雑」などの特徴があります。

節度を持って最大限の敬意を払い、訪問先企業の経営状態(現況)をヒアリングすることが大切です。

投稿日: 2022年7月27日 | 5:55 am

独立診断士の定義ー2

独立診断士に最も必要なスキルは営業力だ!…こんな論調で、フェイスブック内のグループサイトで噛みつかれたことがあります。笑

僕が、稼げる診断士にには「調査力」「執筆力」「プレゼン力」「クロージング力」が重要である…そう投稿した時でした。彼の論調は、営業力を養い、クライアントを掴まなければ「コンサルティング・スキル」を使う機会さえない!というもの。笑

言わせてもらいますが、そんなことは「あたりまえ!」です。僕は決して営業力を否定したわけではなかったのですが、彼の主張の逆鱗に触れたようですね。

その時は議論にならないと思い、それ以来無視するようにしましたが…。

独立診断士は「コンサルティング・クオリティ」(品質)を磨いていく必要があります。営業力(これを僕は接点開発力と読んでいます)が重要なのは当たり前なのです。「接点開発力」については後述するとして…。

コンサルティングの品質を磨き上げておかなければ、せっかくコンサル支援のご契約をいただいたクライアントから飽きられます。

独立診断士の定義は「自分でクライアントを選別でき、報酬の決定権を持っていること」ですし、理想的な支援は「顧問契約として長期にわたる寄り添った支援」です。これに異論を唱える診断士はいないでしょう。

営業力ばかり(そもそもその診断士の先生は、営業力を集客力と定義していました)磨いても、せっかく契約したクライアントから早期に支援打ち切りを言い渡されては、台無しです。

僕が独立診断士に重要なのは「コンサルティング・クオリティ」であると主張するのは、そのような理由からなのです。

投稿日: 2022年7月26日 | 5:35 am

独立診断士の定義ー1

中小企業診断士として資格を取得したら、将来は「独立診断士」として活躍したい…、そう思うのは自然の摂理でしょう。診断士以外の士業と呼ばれる専門家は、やはり独立してフィールドに出て、思う存分クライアントに寄り添った支援をし、その対価(報酬)を獲得する!これこそが理想ですし、士業としての醍醐味だと思います。

中小企業診断士の国家資格登録者数は、全国で3万人弱と言われています。その中で、自立している方はどれくらいいるでしょう?更に言うと、本当の意味で独立している診断士は、それほどいないのではないか?と思っています。

本当の意味での「独立診断士」とは?これは僕の勝手な定義ですが、「自分でクライアントを選別でき、報酬の決定権を持っていること」。そう思っています(賛否両論あるのは重々承知しています。笑)。

そのためには、経済団体(商工会議所や診断協会)などから請け負う(受託事業などの)仕事に依存することなく、民間企業に顧問として入り、経営課題に向き合い、解決のお手伝いをすること…これが必要になると思っています。

その場合、自らの得意分野を武器にして支援提案する(これを営業力といえば、そうかもしれません)スキルが重要になりますし、経営者のフトコロに飛び込む人間力も重要になるでしょう。

しかし真の独立診断士となった時、「高い報酬」「愉しい仕事」「喜ばれる成果」というプロとして、幸せな環境が手に入ります。

中小企業診断士は、数ある士業の中でも未来志向で「喜ばれる」仕事です。

だから、もっともっと診断士仲間の価値を上げることに微力ながら力を尽くしたい…!そう思って奔走している毎日なのです。

投稿日: 2022年7月20日 | 5:29 am

知的財産経営に着手せよ!

ブランディング経営を構想する時、知的財産の開発・蓄積は避けて通れません。知的財産とは、簡単に言うと…

「特許」…発明

「実用新案」…高度であることを要しない発明

「商標」…トレードマーク(商品)、サービスマーク(役務)

「意匠」…デザイン

「著作権」…創作に付与される

などの法的知的財産。そのほかにも、ノウハウやレシピ、マニュアルなど企業秘密も含まれます。

僕もいくつかの「商標」を申請と登録しています。開発したビジネスゲームや名称独占のための商標です。多少のコストはかかりますが、開発した知的財産を法的に守るのは中小企業としてあたりまえの戦略だと思われます。

超情報化社会である今日。模倣が簡単な時代になりました。悪意をもって模倣されないためにも、開発した知的財産は法的な手続きをしておきましょう。

手続きは弁理士に依頼する方がベター。やはり、餅は餅屋にという言葉あるように、その道の専門家に依頼した方がいい。

法的な手続きがなくても、外部に流出してほしくない企業情報は、企業秘密として厳重に管理するようオススメします。

業務を進めていく上で、さまざまな企業ノウハウが蓄積されていくでしょう。技術の継承をしていくためにも、ノウハウは動画や写真などで保管していきましょう。

せっかく開発したノウハウが、簡単に模倣されるのは非常に悔しいものです。万が一知的財産に関する訴訟になったとしても、中小企業は訴訟継続の時間的コスト的余裕がなく、泣き寝入りというパターンも多く見られますから。

知的財産を厳重ににマネジメントすることが大切です。

投稿日: 2022年7月11日 | 7:33 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【69】

【コンサルティング品質の条件…「具体的助言力」】

中小企業診断士は、「個別具体的な経営課題を、個別具体的な手法を持って、個別具体的に解決する」ことを生業としなけらばならない。これは、プロとして当然のようにコミットメントしなければならない考え方だと思っています。

あるべき論を振りかざし、助言・アドバイスしても経営者の心には響きません。響かないコンサルティング支援は、お金をいただけないことになります。

例えば、ある個別相談事案の場面…。

経営者「我が社は、品質にとことんこだわったスウィーツを開発することができました。固定客も着き始め、今後若干高価格で販売していきたいと思っています。どんな手法がありますか?」

診断士A「高価格で販売したいと思うなら、デパ地下が一番いいですよ。何といっても、いいものを高価格で買いたいという客層ですから。」

僕「……」

経営者「……」

僕は隣でそのやりとりを傾聴していましたが、明らかにこの時の経営者には響いていませんでした。なぜでしょうか?

それは、個別具体的な提案にはなっていなかったからです。このやりとり、「お金を稼げる診断士か?そうではないか?」の分水嶺になります。

僕ならば…ですが。

「まず、広報展開による認知度アップとファン(固定客・顧客)づくりを同時並行で行える、移動販売(キッチンカー)展開を考えましょう。キッチンカーは、コストを惜しまずにかけたほうがベターです。ここは勝負どころです。本当に美味しいスィーツならば、ファンが着きます。マスコミの取材も入るでしょう。そうなると、デパ地下などのバイヤーから提案があるはずです。まずは、できるところからスタートしませんか?」

移動販売という手法・戦略はともかく、理解度・納得度が違うと思いませんか?

投稿日: 2022年7月6日 | 5:48 am

やっていないことをやる価値…。

中小企業のさまざまな経営現場に赴き、会議参画してコンサルティング支援してます。時々ですが、幹部から「それは前例がないね」とか「そんなことできるの?」などの意見が出ることがあります。

当然、会議は「会して議す」と書きますから、さまざまな意見が出るのは当たり前と言えば当たり前です。

しかし、現場スタッフの建設的な意見を、「前例がない」「できる可能性は?」などといって挫くような意見は、幹部としてタブーであると言えます。

特に中小企業経営は、イノベーション(革新)を起こす闘いであるとも言えます。イノベーションは、常識を覆すような建設的な構想からもたらされることが多い。

つまり、「やっていないことをやってみる価値」というものが存在するのです。

例えばブランディング経営についても、そのことが言えます。

「え〜〜そんな価格で売れるの?」と感じたり「え〜〜そんなものが創れるの?」と思って、パラダイムに壁をつくってしまうとイノベーションのチャンスを逃します。

そんな価格で売れるのか?そんな商品(サービス)が開発できるのか?そう思われる意見…大いに結構!

できない理由を並べるよりも、できる方策を考える…。これが中小企業における会議の基本的なルールなのです。

また、イノベーションの種は現場にこそあります。

経営の第一線でがんばっているスタッフの建設的な意見は、意見が出ること自体を歓迎し、議論を進めていくことをお勧めします。

幹部を含め、経営層には革新的な意見を包容する懐の深さを期待したいところです。

投稿日: 2022年7月4日 | 5:15 am