経営理念-1 〜目的設定が商売繁盛の必要条件〜

経営理念という考え方は、商売繁盛の必要条件です。なぜなら、そんな企業や会社もミッション(社会的意義)を担っており、そのミッションに人が共感して商売が成り立っているからです。

ですので、経営理念を掲げないということは目的(人間でいうと人生観)を失った金儲け事業だということになります。しかし、ほとんどの経営者がゆるぎない理念をもっているのではないでしょうか。

違いはその理念が、明文化されてるかいないかの違いだけだと思います。

一方で、立派な経営理念を掲げながら、その理念に反した経営をされている会社も散見されます。

例えば、「社員の幸福を追求…」などと掲げておきながら、実際はブラック企業…という事例。

社員第一主義を追求し、50年近い増収増益を記録している伊那食品工業の社是(理念)は、「いい会社をつくりましょう 〜たくましく、そしてやさしく〜」です。とても内向きだけど明確で強いメッセージ力を感じます。

また、最近ご縁があった会社で、「人とファッションをこよなく愛します」という理念を創出された場面に立ち会うことができました。とても美しく、深い理念だと感動しました。

経営理念…我が社も創出したい、見直したいという経営者の皆様、ぜひボトムアップ型での創出をおススメします。

投稿日: 2017年2月5日 | 2:39 pm

社員満足のススメ 〜社風(環境)が人を育てる〜

中小企業の最大の資源は”ヒト”だと以前書きました。では、経営者の役目は”ヒト”を人財に育て上げる環境づくりと言っても過言ではありません。

 

経営者の中には、”CS(顧客満足)あってのES(社員満足)”と断言する人もいます。はっきり言いましょう。間違っています。

その人の論法は「お客様満足を実現していないと、売上が立たない。売上が立たないと、社員を満足させる給料が支払われない…」というもの。

 

至極当然のように聞こえますが、社員満足は給料だけで実現できるものではありません。絶対に! お金で人を動かせるなどと考えている経営者がおられるなら、今すぐその価値観を改めるべきでしょう。

中小企業経営の場合、経営者(トップ)の人間的魅力に付いていく社員がほとんどなのです。お金で人を動かせるなら、その優秀な人財は遅かれ早かれ、その経営者の元を去っていくことでしょう。

あなたのためなら、人肌でもふた肌でも脱ぎましょうと、仕事に邁進してくれる人間的魅力を備えるかどうか?社員満足の実現のために、環境を一生懸命整えてくれているか? 社員はそこを見ているのです。

そして、良い風土(社風)の会社には、人が集まり人が育ち、ひいては企業が育っていくのです。

現場で働く社員が満足していないと、お客様を幸せにできますか?できませんよね。ESはCSに勝ると小生が考えるのは、このごくあたりまえの考え方によるものです。

※CS…Customer Satisfaction(顧客満足)

ES…Employee Satisfaction(社員満足)

投稿日: 2017年2月4日 | 6:32 pm

新規事業の心得〜商売で失敗しないために〜

成功と失敗…「あの会社は成功している…」とかいう言葉、よく聞きませんか?

経営(商売)で成功とは何でしょうか?逆に失敗とは?

創業相談を受ける際に、小生がいつも投げかける質問です。

成功とは「儲けて金持ちになることです。」とか、「利益を出して事業を拡大することです。」などという答えを返される方もいらっしゃいます。

価値観ですから、否定はしません。しかし、そのような考えで商売を始めてしまうと、失敗する可能性は確実に高まります。というか、商売しないほうが身のためです。

商売における成功とは、「その事業が、未来永続続いていくこと」であり、失敗とは「志半ばで事業が終わってしまうこと」に他ならないと小生は考えています。

特に新規事業を立ち上げる際の心得で、「金持ちになりたい」という考えで始める方(価値観ですからあえて否定しませんが)…要注意です。いつか辻褄が合わなくなり、行き詰まります。

事業を始める際は、

①明確なミッション(理念=事業の目的)を持つ。

②ビジネスモデル(利益をあげる仕組み)を練り上げる。

③オンリーワンポイント(USP=独自のウリ)を創出する。etc.

などなどの絶対押さえるべきポイントがあるのです。

成功=ずっと続く経営をしていくために…です。

Unknown

投稿日: 2017年2月3日 | 8:20 pm

飲食店の生き残り戦略 〜メーカー的発想法のススメ〜

飲食店業界は、新陳代謝が激しい業界です。

皆さんも「あれ?あの店この前オープンしたのに、もう閉まっちゃってるよ…」なんてことを思った経験はありませんか?

飲食店のコンサル支援も手がけていますが、とても大変だけど価値あるお仕事だな〜とつくづく思うのです。

飲食店の経営には、公式があります。

飲食店のブランディング=(メーカーの経営根幹×サービス業の経営根幹)➗2というものです。

メーカーの経営根幹(生命線)は”商品開発”ですよね。サービス業の経営根幹(生命線)は”おもてなし(ホスピタリティ)”です。つまり、それらをミックスして2で割ったような(いいとこ取り)経営が望まれるのです。

飲食店の商品開発とは、メニュー開発・改良に他なりません。

その分企業努力が必要ですし、難しい命題です。だからこそ挑戦のしがいあるのです。

その努力を惜しみ、損得経営に走ったら、永続経営など夢のまた夢…という現実が待っているのです。

Unknown

投稿日: 2017年2月1日 | 7:40 pm

冒険者たち-1 〜若きチャレンジャーたちの旅路〜

佐賀市の呉服元町。小生が入居しているオフィス横に、古いビルのリノベーション計画が進行中です。そこに、複合ビジネスを立ち上げようとする若者たちがいます。今日は、その愉快で素敵なみんなの開業準備を支援しました。

企業秘密のため、事業の詳細全貌をオープンにすることはできません。しかし、このブログ内で、彼らの活躍ぶりを紹介していきたいという想いにつき動かされました。これから「冒険者たち」と題して彼らの夢の旅路を辿っていきたいと思います。

PRESSという衣料プリント事業を営む菊池君のもとに、ダンスタジオとカフェを、事業として一緒にやりたいという仲間が集ったことがきっかけです。

リノベーションビルは、まもなく改装工事がスタートします。衣料プリントとヒップホップダンススタジオ、カフェが融合した新生PRESSの開業は、2018年2月です。

今日は、開業準備会議でカフェで提供するメニューを主にディスカッションしました。

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集うのは、20代〜30代前半のエネルギッシュな仲間たち。

ディスカッションも、盛り上がります。

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この勇猛果敢な冒険者たちの足跡…綴っていきますので、楽しみにしてください。

きっとパワーをもらえるはずです。

投稿日: 2017年1月29日 | 10:50 pm

中小企業の底力 〜”こだわり”はブランディングの基本〜

先日1月25日(水)、佐賀県特産品商談会(食品関連)に行ってきました。佐賀市内の結婚式場でこの時期に開催されるイベントで、主催は佐賀県です。

110社を超える企業がブースを出し、PB商品、NB商品を紹介。商談のチャンスを創出します。会場は、多くのバイヤーで賑わっていました。

小生は商いジャーナリストして、視察と取材を兼ねて行きます。

ただ、今回は海外(香港)との貿易業を事業としている女性起業家をマッチング支援のため、帯同してもらいました。

佐賀の中小企業の努力や底力を感じました。面白かった商品は数知れずありますが、中でも「ローズテラス」という会社のスパークリングロゼは、特に興味を惹かれました。

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厳選された海外のバラ(無農薬)から抽出したエキスと、佐賀県小城の清水で作られているそうです(ノンアルコール)。

2016美食女子グランプリを受賞しています。

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味わいも爽やか。ローズ(バラ)は、美容にとても効果的だとか。

今度、企業に直接お邪魔して、取材させてもらおうと思います。

投稿日: 2017年1月28日 | 8:03 am

読書

趣味の一つに読書があります。趣味というより、無性に”活字に飢える”という瞬間があり、それこそ貪るように読みます。小生の本を読むスピードは異常に早いらしく、あっという間に1冊読み上げてしまいます。

速読力というのでしょうか?読むというより、(キーワードを)見ていくと言った方が合うかもしれません。

最近面白いと思った本は、

池井戸潤著「陸王」…足袋の中小製造メーカーが、スポーツシューズ業界に新規進出。中小企業の活躍が描かれた感涙必至の作品です。

浅川次郎著「終わらざる夏」…最高限度年齢45歳で召集された主人公が直面する戦争の現実が描かれています。

書店のビジネス書コーナーには、自己啓発や経営ノウハウの本がずらりと並んでいますよね。経営者やコンサルタントにオススメの本は、やはり人間学を主題にした小説やノンフィクションです。

「◯◯の儲け方」や「◯◯すれば成功する」などのタイトル本は、読むのに???です。

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投稿日: 2017年1月27日 | 10:57 pm

おもしろき こともなき世を おもしろく

幕末の志士、高杉晋作の辞世の句と言われている言葉である。小生は経営コンサルタントして、愉しく生きる一人の人間として座右の銘にしている。

楽しきことこそ上手なり…ポジティブシンキングや前向きに生きることを深考する上で、噛めば噛むほど味が出る言葉である。

おもしろくない状況でも、心の持ちようでおもしろくなるものだ…ということを示唆したものであろう。

高杉晋作は、肺結核により満27歳の若さで死去している。その短い生涯ながら、歴史に名を残した長州藩(山口県)の英雄である。当時、常識を破る発想で組織した奇兵隊。長州藩を倒幕に方向付けた行動力はものすごい。発想力、行動力、建設的考察力は、コンサルタントとして大いに見習いたいものだ。

諸説あるが、坂本龍馬が肌身離さず所持していた護身用のピストルは、高杉晋作が贈ったものと言われている。その友人思いの考え方にも、男として惚れてしまう。

「おもしろき こともなき世を おもしろく」は実は下の句があり、「すみなすものは心なりけり」(諸説あり)と詠まれている。全ては心しだいという意味であろう。

それにしても、高杉晋作はかっこいい。

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投稿日: 2017年1月26日 | 11:34 pm

経営指標の考え方 〜売上(うりあげ)の公式から見る戦略思考〜

経営係数において、もっとも重視される指標は”売上”ですよね。ところが、売上とは膨張指数なので、それだけで企業経営の健全さを測る尺度とはいえません。

経営の健全さは、経常利益がもっとも適した指標といえます。”経常利益”の考え方は後に説明します。

税理士や公認会計士の先生が、試算表の説明をするとき、売上を上げましょうと言われると思います。

売上を上げるというのは、経営(商売)として当たり前。

中小企業診断士(経営コンサルタント)しては、売上の上げ方に着目します。

売上を分解して数式で表すと、 売上=客数×客単価 です(他にもあります)。

客数か、客単価、どちらを上げるのが健全でしょうか?もちろん両方なのですが、優先順位は明らかに”客数”です。客数さえ増えていれば、客単価を上げる策は無限です。

逆に客単価を最優先すると、無理な提案やおすすめによって客離れを招きかねません。

売上の構成要素”客数”は、経営基盤強化のための重要な目安です。

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投稿日: 2017年1月22日 | 11:00 pm

続・羅針盤 〜経営計画書はボトムアップ型で創出せよ〜

1月19日、20日の二日間にわたり、ある企業の福岡オフィスにて単年度経営計画書策定研修会をお手伝いしてきました。

その会社、初めての取り組みだったにもかかわらず、予想以上の策定スピード。驚きました。人財が揃っている企業は、理解度や策定スキルも高いですね。これからが本当に楽しみな会社です。

支援している小生も、とても充実感のある策定研修会になりました。

 

ところで…。

小生が『羅針盤』と呼んでいる単年度経営計画書(経営方針書ともいいます)は、経営首脳だけで策定してもあまり意味がありません。できるだけ各部門幹部(可能なら現場スタッフ)を巻き込んだ策定がベターです。

当然、数値計画もありますが、業績数値はあくまで目標であり結果現象です。時間をとって策定すべき内容は、数値目標クリアのためのプロセス(重点行動具体策)です。

業績数値計画は、部門毎にボトムアップ(現場からの自主的目標)型で策定しなければ意味がありません。

来期の目標業績数値を策定するときのポイントは、”がんばったら届きそうな数字、その頑張り方もイメージできる数字”の計画がもっとも現実的です。

昨年対比130%や150%などといった(達成可能根拠があるなら別です)、絵に描いた餅のような数値計画は立てなようにしましょう。

目標達成感を味わう事…これもスタッフモチベーションを向上させ、維持するための重要なポイントなのです。

投稿日: 2017年1月21日 | 12:31 am