売上拡大は、シンプルに…長期的視野で…。

中小企業経営者が、自社の業績で最も気になる指標といえば、「売上」ということになります。僕も診断士ですから「売上UP」の方法をよく相談されます。

短期的に売上を拡大しようすれば、意外と簡単です。「広告展開」「キャンペーン」「その他販促」…そして「値引き戦略(安売り)」…。さまざまな戦略が可能です。

ところが、この短期的売上拡大戦略は、落とし穴がありますら要注意。さらに、このような短期的売上拡大ばかり推奨するコンサルタントは、依頼を控えた方がいいですよ。

本当の意味で「良策な売上拡大戦略」は、シンプルでかつ長期的視野で進めていきます。

売上は、分解公式があります。このブログで再三にわたり主張している戦略です。つまり「売上=客数✖️客単価」という公式。

この客数は、広告を見てきた「たまたま客」ではなく、顧客様つまり「わざわざ客」であるという点に注意しましょう。

客数を上げていくのが、売上拡大のためのシンプルな戦略ですが、これが継続して長期的視野で取り組むことに難があるのです。

お客様との関係性(マンツーマン・マーケティング)は、地道で地味な取り組みです。けっして前年比150%UP!といった派手な結果は産みません。

けれどもそれでいい。売上拡大というのは、企業の業績力を図る上でも重要な指標ですが、「ローマは1日してならず!」「三歩進んで二歩下がる、やっと一歩進む」の気持ちで長期的に取り組んできましょう!

それが結果的に、強い経営基盤を構築することにつながります。

投稿日: 2021年11月16日 | 5:35 am

経営理念とブランディングの関係性−2

【経営理念は、企業ブランディングコピーのことである】

経営理念を創出し、組織浸透を図り、自社の価値観として向き合い確立していくこと。それが、企業の趨勢を決める重要なオペレーションであることは間違いありません。

ところが、経営理念に対して「そんなに意味あることなの?」と疑問を抱いている経営者が意外と多い。その理由は、経営理念と利益創出の因果関係が明確になっていないからだと推察できます。

経営理念は、「我が社の価値観・存在目的」をフレーズ化したものですから、企業ブランディングのコピーであるということが言えます。

お客様から選ばれる判断基準は、何よりも「品質=クオリティ」です。

価格で判断されるお客様は、極端にいうと「我が社のお客様ではない」と認識すべきですし、大企業が仕掛ける価格戦略に同調すれば、中小企業経営は成り立ちません。

まさに、企業努力を訴求させ、主張を促進するフレーズとして、経営理念はブランディングにとって重要なファクターなのです。

なるほど、そう考えると理念をないがしろにしている中小企業が、経営がうまくいっていない場合が多いことも肯けます。

業績(売上や利益)とは、理念経営を実直に実行した結果現象なのです。

さらにいうと、経営理念はメンバーの士気を高める効果も期待できます。その理由から、安直なフレーズで理念を決めるべきではありません。

スタッフ、メンバー、協力会社そしてお客様のハートを抉るような「美しい言葉」を創出し、我が社の理念として確立すべきなのです。

投稿日: 2021年11月15日 | 5:39 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【54】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の基本的提案思考〜】

中小企業経営最大のタブーは?そういう質問を投げかけられて、的確に答えられる診断士がどれくらいいるでしょうか?

中小企業経営のタブー戦略はいくつかありますが、最大のタブーといえば「価格競争戦略」であることは明白です。

ところが、この価格競争をあおる提案をする中小企業診断士がいるから、困ったものです。コストカッター型のコンサルタントにありがちな思考なのですが、数字を下げると効果的…という考え。

言葉としては、「そんなに売れ行きが悪いのならば、思い切って価格を下げましょう!」という提案・助言です。

時と場合によっては(ほとんどありませんが)、そのような提案・助言も致し方なしということもあるでしょう。

しかし、このような「低価格戦略」を平気で提案するコンサルタントは、ニセモノです。仕事の依頼はやめた方がいい。

中小企業診断士の提案は違います。「価格上げましょう!」と提案するコンサルタントに仕事を依頼すべき。

中小企業経営は、ブランディング戦略が基本です。ブランディング戦略とは「高品質・高価格・高付加価値」戦略のことを言います。

ですので、クライアントの品質を検証し、高品質に向けた施策を提案・実行支援し、高価格政策を立案する。結果、高付加価値経営を実現していく…。

これこそ、プロコンの国家資格ホルダー・中小企業診断士の本分であり真の価値であると断言できます。

投稿日: 2021年11月12日 | 5:55 am

中小企業経営者のARIKATA学【経営者の言動のあり方】

【中小企業経営者の行動】

中小企業経営者は、”見られる”職業だと思います。この見られるという現象は、恐ろしいほどの影響力があり、リスクもチャンスも兼ね備えるものです。

まず、中小企業経営者の行動は、規範となるものでないとなりません。「うちの社長は、本当にいい社長だ」と思われてナンボなのです。経営者の価値観で最も危険なのは、「給料を払っているから、俺のいうことを聞け!」といった考え。

このような考えは、行動に現れます。高圧的な態度、言葉、権力を振りかざした横暴的な人事異動など…。

こんな経営者を、社員がリスペクトするでしょうか?

また、社長はいかような事態になっても、平静を装う必要があります。

経営者の悩みは、人に関すること、金に関すること、商品に関することの順番で並べられますが、経営というのは航海のようなもの。順風満帆というわけにはいかないのです。様々な「まさか」の連続に、一喜一憂することなく中長期の経営を見つめ、冷静で熱い判断を下す…。

経営者とは本当に孤独で、つらく、そしてやり甲斐のある職業なのです。

また、大企業の経営者と違い、中小企業経営者は自らの行動スケジュールを「見える化」しておく必要があります。

分業や意思決定システムが進んだ大企業は、社長の行動など公開されていない場合も多い。しかし、中小企業経営は違います。

即断即決の判断をする場面や、リスクに直面した場合の社の方向性を決める場面があります。

その時、「うちの社長どこにいる?」といった事態は極力避けたいところ。

社員100人以下の会社ではなおさら。社長の所在地や行動スケジュールは、全社に見える化することをオススメします。

 

投稿日: 2021年11月11日 | 7:56 am

企業が衰退していくとき…

長引くコロナ情勢は、中小零細企業の経営に多大な影響を与えました。正の影響も負の影響も…併せてです。飲食店への影響がクローズアップされがちですが、飲食店は大なり小なりのセーフティネットを受けることができました。

本当に苦しかった産業界は、飲食店などに資材や食材を納入している企業様…であることは事実です。業界全体への補償はなかったのですから…。

残念ながら、この大きな逆風の中、倒産の憂き目にあった企業も多いはず。廃業や精算も含めて、事業の断念は断腸の思いでしょう。

企業経営というのは、衰退の傾向があります。

例えば、社員が暗い、電話応対ができていない、社内が煩雑で清潔感がない、納期が遅れる、支払いが遅れる…などの明らかな傾向です。

つまり、商売の基本ができなくなるのです。理由は、おそらく金策でしょう。資金繰りが行き詰まり、お客様にエネルギーを向けられず、商売が成り立たなくなるのです。

僕のクライアント様の近隣でも、いつの間にかもぬけの殻…という社屋・事務所を見ました。

悲壮感漂う看板や、建物をみると本当につらくなります。その光景を見るたびに、中小企業診断士として我がクライアントは絶対に守り抜く!と誓う次第です。

経営者には、会社経営の全ての責任を負う覚悟を自覚して、常に我が社の商売を達観し、律し(コントロールし)ていくことが重要です。

商売の基本と定石(やるべきことと、やってはならないこと)を、今一度確認して、アフターコロナの激変する外部環境に備える姿勢が大切です。

投稿日: 2021年11月10日 | 5:16 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【53】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士のキャラクター形成〜】

故・落語家の立川談志師匠は、「面白い生活をしていない奴に、面白い話はできない」と言っていたとか…。中小企業診断士のキャラクターを考えるときにも、その言葉が当てはまると僕は考えています。

「面白くない診断士に、面白い会社は支援できない」ということ。

この面白いとは、まさに人間的に、社会的に魅力あふれる…という意味において、とても重要なキャラクター形成であると考えています。

「幸福感を感じていない社員が、お客様を幸せにはできない」とこロジックと同じで、中小企業診断士が「暗く、陰気で、ネガティブなキャラクター」だと、クライアントの明るい未来を参謀できることなどありえません。

つまり、仕事にならないのです。当然、そのような診断士には、仕事の依頼など皆無です。

また、中小企業診断士には「話術」が必要です。なぜなら、「話す」仕事だからです。

話術といっても、ボキャブラリ豊富なテクニックのことを言っているのでなく、熱く語って人の心を動かすエネルギーが大切です。

極端にいうと、「君と話していたら、なんか元気になるよ」とか「君が我が社に訪問してくれるだけで、社内の雰囲気が明るくなるよ」という言葉をかけられる診断士であること。

決して、経営者の意向を「理論を振りかざして」真っ向否定し、経営意志を萎えさせるような診断士では、信頼を勝ち取ることはできません。

基本的には、高揚感をクライアントに注入できる中小企業診断士でありたいものです。

投稿日: 2021年11月9日 | 7:30 am

経営理念とブランディングの関係性ー1

【経営理念はブランディング戦略の土台である】

理念経営が、業績パフォーマンスに与える影響はとてつもなく大きい。逆にいうと、ブランディング戦略は経営理念なしでは、実現できない戦略なのです。

「中小企業経営は、ブランディング戦略に取り組まなければならない!」これはも僕の普遍的な主張です。ところが、中小企業経営を俯瞰してみると、経営理念って”腹の足しにならない”と勘違いされている経営者が多いことに気づかされます。

ブランディングの正体は「高品質・高価格・高付加価値」のことです。ここでいう「品質」という言葉は、”商品の質”と書きます。

中小企業経営にとって「商品=商いをする品」の本質は、「企業努力・企業価値」のことですから、経営理念に沿った(マッチした、なんのブレもない)あらゆる取り組みが商品であるということになります。

こういう意味で、車で言うと経営理念は「ドライバー」、ブランディング戦略は「エンジン」、各種戦術は「車輪」ということになります。

経営理念が、企業経営にとってとるに足らないファクターだと勘違いなさっている経営者に限って、運営がうまくいかずに悩まれているケースが多い。

また経営理念は掲げているが、戦略そのものがブレまくっていて、うまくいかない…そんなケースも多い。

経営理念を創出して、行動基準を定め、忠実に向き合っている会社は、結果的に業績がいい。

中小企業経営者の皆様、貴方の会社はいかがですか?

投稿日: 2021年11月8日 | 5:27 am

高付加価値率経営のススメ

中小企業経営のあるべき姿を考察するとき、真っ先に思い浮かべるのは「高付加価値経営」です。僕はブランディング経営の自称推奨者ですが、この発想はこれからもブレることはないでしょう。

中小企業が激動の経済環境を置き抜いていくためには、須らく「ブランディング」に挑戦する必要があります。

なぜなら価格競争や商品ラインナップ競争で、中小零細企業に勝ち目はなく、何かに特化した「差別化(オンリーワン)戦略」こそ、目指すべき姿だからです。

では、何でオンリーワン経営するか?何を尖らせて勝負していくか?ここに経営者独自の知恵の搾りどころがある訳です。

僕が支援しているクライアント様の価値ある取り組みを、いくつかご紹介しましょう。

商品差別化が難しい被服販売業界で、「人の魅力」に特化・オンリーワンとして育てて躍進している会社。

「仕入れて売る」小売業からの脱却を図り、PB商品を次々と開発して高付加価値を実現している会社。

この世にない、素晴らしい商品を企画開発(ファブレス経営)し、海外進出・輸出を実現している会社。

名実ともに「いい会社」になることを宣言、目指して三方(お客様、社員、協力会社)よし経営をブレずに進む会社。

技術を磨き、品質を高めて「さすが」と言われる施工・工事を実施し、信用・信頼を高める経営に突き進む会社。

そのほか…。

どのクライアント様も、高付加価値率(高粗利率)経営を目指して実現中の頼もしい会社様ばかりです。

投稿日: 2021年11月5日 | 5:22 am

中小企業経営者のARIKATA学【経営者の言動のあり方】

【中小企業経営者の発言】

経営者の言動が、中小企業組織に及ぼす影響は多大なものがあります。その言動によって、幹部・社員・メンバーのモチベーションが大きく左右されるのです。

そこで今回は、経営者の推奨発言「あいうえお」を羅列してみました。

あ…「ありがとう」。この言葉は魔法の言葉です。ありがとうと言われて、悪い気がする人はほどんど皆無でしょう。経営者の皆さん、社員に対して「ありがとう」という言葉かけをしていますか?意外と言葉かけできていない現状があるもの。心から「君のおかげだよ、ありがとう。」と声をかけてあげてください。モチベーションが高まること間違いありません。

い…「いい仕事したね」。社員には「褒めて伸びる」人が多い。現場社員が「いい仕事」をしたときには、正直に真正面から「いい仕事したね」と褒めてあげましょう。これも意外とできていない。社長ですから、照れなども障害となるのかもしれません。

う…「うれしいね」。いい社長であればあるほど、社員からのリスペクトが深いもの。尊敬する社長から「うれしいね」と喜んでくれたら、高揚感は確実に高まります。社員は意外と、社長の喜ぶ顔が見たいと思っています。逆に、そう思われない社長は、経営者をやめたほうがいい。

え…「えらいね」。いい社長は、社員を逆にリスペクトしています。僕のようなコンサルタントに、「うちの社員、すごいでしょう?」と言えるような育成をしていますか?社員の功績は、社長の功績なのです。「えらいね」という言葉によって、社員の承認欲求は確実に高まります。

お…「おしえてくれよ」。この発言も、いい経営者ならば自然と口から出ているものです。「俺はなんでも知っている」と豪語する経営者ほど、肝心な社員のハートが分かっていない。社員との対話は、重要なコミュニケーションです。「おしえてくれよ」はその対話を成立させる、素敵な言葉なのです。

以上、推奨発言を列挙してみました。いかがでしたでしょうか?

いい社長は、いい会社を創る…これは真理です。

投稿日: 2021年11月4日 | 5:14 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【52】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の行動力〜】

中小企業診断士は、経営コンサルタントですから当然のことながら、学者ではありません。あくまでも、中小企業の経営課題に個別対応して解決支援する専門家です。

ですので、「行動力」が必要です。行動から導き出さされる現場認識、現状認識力は、机上の空論から導く仮説を何よりも実証する結果につながります。

活躍する(喜ばれる)診断士は、とにかくフットワークが軽い。まず現場に足を運び、自らの五感を研ぎ澄ませて現状認識します。

まちがっても、フレームワークに頼ってはいけません。フレームワークは、行動による現場認識力を補完するただのツールなのです。

そういう意味では、第一線で活躍できる中小企業診断士には、年齢的な限界があると思っています。

社会人としても、成熟域に入った50代が最もピーク。50〜55歳を最高点に、下降曲線をえがくものと思われます。

中小企業診断士として現場で躍動する「活躍年齢」を伸ばしていくこと…これはとても重要な取り組みです。行動力が試されるプロですから。

「行動力をもって、クライアントの経営現状に肉迫する!」これが、診断士の基本スキル。肉迫の意味は、文字通り「肉体をもって迫る」。つまり、行動力のことなのです。

近年コロナ禍を皮切りに、オンラインで経営コンサルティング支援を推奨する輩が出てきました。はっきり言いましょう。オンラインで経営コンサルティングは不可能です。

コンサルティングのスタートは、「行動によってもたらされる現場観察力」なのですから。

投稿日: 2021年11月2日 | 5:36 am