経営の次の一手を”具体的に”考える

抽象的な構想は、だれでも考えることができます。ある意味、”あるべき論”を提示すればいい訳です。中小企業診断士のあるある現象ですが、フレームワークを示して、原理原則で経営の行く末を示し、構想提案する。

この行為自体を否定するわけではありませんが、この局面はプロのなせる技とは言えない。

プロならば、個別具体的な提案を、個別具体的なスケジューリングで提案すべきです。下手な経営コンサルタントは、抽象論でばかりコンルティングします。

コンサルティングの真髄は、「個別具体的な経営課題を、個別具体的な手法・戦略で、個別具体的に解決する」こと。常に具体的な提案でなければ、経営者は受け入れてくれませんし、組織は動きません。

「言うは易し」の中小企業診断士、経営コンサルタントがあまりにも多い…そう考えているのは、僕一人ではないと思います。

中小企業診断士の仕事は、プロ(=報酬をもらう)の仕事。決してボランティは成立しません。では、お金をいただくためには、”あるべき論”を振りかざしただけの提案では、「…で?何をすればいいのですか?」という基本的な質問に、右往左往することになります。

経営の次の一手を常に考え、個別具体的な解決策を考案するためには、クライアントの経営実態に肉薄(自分の五感をぶつける)しなければなりません。

オンラインで個別具体的なコンサルティング活動ができますか?絶対に不可能です(現在の技術では…)。

抽象論コンサルティングでは、報酬をいただけない…このことを常に意識すべきです。

投稿日: 2021年8月25日 | 5:46 am

規模の拡大が止まった時…。

中小企業の拡大路線は、構想通りに進まないことがよくあります。例えば、30人以上にはなかなかならない…とか、1億以上の売上になかなかならない…などの現象です。

その時には、振り返ってみてください。社員の成長が止まっているのではないか…と。

業績が伸びない原因はひとつ。社員の成長が伴っていないのです。特に順調に伸びてきた業績や、増えてきた社員数が伸びない時。

特に、経営幹部が成長していない場合が多い。しかし、その1番の原因は、経営者自信にあるのです。

得てして、経営者が何から何まで、やってしまうこと。これでは、体がいくつあっても足りません。

幹部が、メンバーの言動を見て、評価・叱咤激励できる(向き合える)人数は、せいぜい5人くらいまでしょう。

ということは、10人の会社ならな少なくとも、信頼できる幹部が2人以上はいることが望ましいのです。

50人の会社であれば、5人の幹部に支えられなければならない。社長は、自分が留守にしている時に、信頼して任せられる幹部を育てていますか?

例えば、経営計画書を幹部を巻き込んで、ボトムアップ型で策定していますか?いつまでも、経営者が一方的に考察して、策定していると、優秀な幹部が育つはずもありません。

業績ばかりに気になって、手足となってくれるメンバー・幹部を育てていないと、経営の拡大には限界が来きます。結果として、業績も伸びるはずがない。

いつの時代も、経営において数字をもたらす(稼いでくる)のは、ヒト=人財であることを忘れてはなりません。

投稿日: 2021年8月24日 | 5:21 am

想いの強さが勝負を分ける!

ビジネスにしろスポーツにしろ、勝敗というのは必ずつきまとう概念です。ビジネスの勝敗は、「黒字か赤字か?」「契約が取れたか?失注したか?」「売れたか?売れなかったか?」「社員が幸せか?不幸か?」などの勝敗基準で分けられます。

スポーツは言わずもがな。勝敗というのは常に付き纏いますよね。

中小企業経営にとって、ビジネスの勝敗は死活問題に直結する場合があります。社運をかけてスタートした新規事業が、軌道化するか頓挫するか?そこに多大な投資を伴っていたのであれば、なおさらでしょう。

はっきり言えることは、ビジネスもスポーツも勝敗を決めるのは「想いの強さ」であるということ。2020東京オリンピックが終了しましたが、満足いく成績を収めた選手たちは、「やりきった感」があります。

そのやり切ったというのは、想いの強さの裏返しでしょう。取り組むことへの熱い想い。この強さの結果に、満足や不満足が伴うのだと僕は思っています。

経営のテクニックとは、「営業のやり方」「商品開発のやり方」「情報発信のやり方」などを挿しますよね。しかし、これらの中身はすべて「想いの塊」なのです。

コロナ禍を乗り切ることも、熱い想いが大切。「一念岩をも通す」です。収束が見えてくるこの情勢の後をイメージしながら、次の一手に想いを込めましょう。

経営はやり方でなく、あり方を問われる営みである…恩師・坂本光司先生の言葉。その言葉の意味をしみじみと噛み締めている今日この頃なのです。

投稿日: 2021年8月23日 | 5:06 am

中小企業の経営支援専門家は、診断士しかいない!

中小企業経営に関わる専門家といえば、真っ先に会計事務所(税理士、公認会計士)、社会保険労務士、そして中小企業診断士…です。法律の顧問として弁護士。知的財産に関わる専門家として弁理士。そのほかにも様々な専門家が関わり、サポートしています。

TVCMでも、「身近な経営のサポートは税理士に…」というフレーズが結構目立っていますよね。

経営に関わる専門家は、その時々で使い分けることがベターですが、未来を切り開くための相談相手は、断然中小企業診断士!と断言できます。

守備範囲が広い診断士であればこそ、経営の町医者的な存在として機動的に支援が可能だからです。

とはいえ、まだまだ中小企業診断士が、クライアントの経営の中枢に入り込み、実行支援している話は少ない。同じ志を持つものとして、是非頑張って良質なコンサルティングサービスを提唱してほしいと願います。

「中小企業の経営相談は。断然、中小企業診断士へ!」と言ったフレーズが日常化する時が早くきてほしいと思います。

理由はさまざまあると思いますが、他の専門家と診断士の何が違い、何が強みなのか…これが確立されていないことが主な要因であろうと思っています。

そして中小企業診断士の理想型業務形態は、断然「顧問支援契約」です。月に1〜3度に渡り、定期的に顧問支援する。この現場でも、上から目線で物を言ったり。横柄な態度をすることはご法度。

中小企業診断士は、真の伴走型支援専門家として、クライアントに寄り添うハート・マインドが最も重要なのです。

投稿日: 2021年8月20日 | 5:43 am

中小企業の経営者像【苦しい時ほど問われる器】

業績が悪い時に機嫌がすごぶり悪くなり、会議の場や朝礼などで、社員に嫌味をいう経営者がいます。正直言って、業績の結果責任を追うのは、経営者(取締役以上)です。

現場により近いスタッフに、結果現象である業績の責任を負わせるのは、ルール違反です。

ですから、人事考課制度は現場に近いスタッフほどプロセス(定性)評価をすべきなのです。

さておき、業績を含めた会社の状態が苦しいときこそ、経営者の器が問われます。他責でなく自責。自らの経営手法を鑑み、振り返り、達観し、客観的に評価してみてください。

全てのベクトルが、自らの経営手法に向いていることに気づくはず。

そして、覚悟を決めることです。ありとあらゆる知恵と行動を通じて、この難局を切り抜ける覚悟を。

会社が倒産するときは、経営者が諦めたときです。諦めずに、禁じ手を避けて基本に忠実な経営を推進するのです。

基本に忠実な経営とは、社員を鼓舞する、新商品開発に着手する、新しい取引先を開拓する…などアグレッシブにオペレートすること。

逆に苦しい時の禁じ手経営は、火に油を注ぐ結果が待っています。

社員が辞めていく、組織が萎縮していく、業績はますます悪化する…。このような現象が起きたときは、かなり手遅れになる場合が多い。

経営者は、器を大きくするということでない。磨きましょうということです、いつの時代も、経営者が器を磨き、人間性を高めると、自然発生的に業績は上向き、危機を脱することができるはずです。

投稿日: 2021年8月19日 | 5:35 am

会議は成長的内容を含めて!

今時、営業会議で圧迫的な空気感の中で実施している会社があるでしょうか?いや、まだまだ多いでしょうね。このような時代遅れ的会議は、早く滅亡して欲しいものです。

会議は、参加メンバーのモチベーションを上げ、且つ成長的要素が漂わないと、全く意味がありません。社員に圧をかけて、数字を追いかけさせる時代は、とうの昔に終わりました。

そして、経営者の機嫌で、場の空気感が変わるような会議は、さらに価値がありません。

ただの連絡事項や、情報共有なら、オンラインで十分です。経営者の気分に左右された、一方的な訓話会議もしかり。

会議は、目標に向き合うための方策・戦略・戦術をPDCAするべきもの。

社員の成長が、会社の成長に直結するのですから。

時には叱咤も必要でしょう。ただし、特定のメンバーを吊し上げるような会議は、もはや化石同然です。昨今は、パワハラなどと訴えられるリスクもありますから。

経営会議は、メンバーがそれぞれ自分の考えを発言できる雰囲気づくりが重要です。未だに、経営者が大声で圧をかけて、推進する会議は全く意味がないので、時間とコストの無駄。思い当たる節がある経営者の方は、即刻改善しましょう。

そのような空気感は、社員の退職という人財の流出現象が起きているはず。

今一度、会議のあり方を振り返り、改善が必要ならば思い切って経営者が外してみるような覚悟を示してはいかがでしょう?

いつの時代も、中小企業は人財力で勝負するものです。

投稿日: 2021年8月18日 | 5:01 am

中小企業の経営者像【経営者は強い組織づくりに向き合うべし!】

企業がまだ小さい時(大体企業規模にして5人未満のメンバー数)、経営者は現場で必死に頑張るフェーズだと思われます。それこそ、何から何まで自分でこなし、何より業績や資金繰り向き合い、良い商品を創る(仕入れる)…いわゆる現場業務に邁進しなければなりません。

ところが、業績が安定し向上していくと、メンバーも増えて、経営者自らが現場に執着することが足かせとなってくる時を迎えます。

特に社員数が10人を超えたら、思い切って社長は現場を離れ”社長業”をしていく必要があります。

社長業とは…?

1 トップセールス…人脈を活かした経営者ならではの、営業活動です。トップセールスで仕事が決まるほど、効率的な営業活動はないでしょう。

2 リレーションシップバンキング…借り入れがある場合ですが、金融機関とは定期的に情報交換し、関係性を構築しておくことが大切です。不測事態に備える意味でも…です。

3 新商品開発構想・新規事業開発構想…経営の長期的存続を鑑みて、自社の”次の一手”を構想することです。

4 組織づくり・チームづくり…これがもっとも重要。給料が高ければ、社員の忠誠心は下がらない…こんなことは妄想にしかすぎない時代です。経営理念で結ばれた、強い絆の組織を創る!経営者の仕事は、これに尽きるでしょう。経営者自ら、社員のモチベーションを上げる取り組みを率先して推敲し、働きやすい環境を整える。そして、経営理念を語り、伝え、社員に感謝の気持ちを伝える。

組織が大きくなるにつれ、経営者が向き合うべきことは、以上4点に集約されます。

特に4点目は重要!です。永続発展していく企業を創っていくためには、組織づくりへの向き合い方が問われるのです。

投稿日: 2021年8月17日 | 5:16 am

経営理念の落とし込み…

理念経営を実践していくことは、実を言うと簡単なことではありません。理念(ここでは、経営理念と呼びます)は、社員全員の想いを見える化、読める化したものであり、企業の目的そのものだからです。

このブログでも幾度となく紹介していますが、経営理念をただのお飾り的に活用している経営実態。すなわち、立派な理念を掲げてているが、実際のオペレーションは理念に反することを展開している…。

そんな経営を幾度となく見てきました。そのたびに、理念経営の難しさを実感するものです。同時に、我々のような専門家(理念経営を推奨する専門家)が、ブレずにクライアントに対して浸透支援することの不足感を覚えています。

経営理念を、自社の組織に隅々まで落とし込むのは、コンサルタント(中小企業診断士)の仕事ではありません。これは、経営者の大切なミッションです。

ことあるごとに経営理念の意味や価値を、メンバーに伝え、理解を促進する。全ての経営判断が理念を基準になされているか?を日々留意する。このような地道な行為がないと、理念経営は本物にならないのです。

月に1、2度支援のために来るコンサルタントは、組織に刺激を与え、気づきを促すことしかできないのです。

何度も言いますが、理念経営は本物であり、中小企業経営の真髄です。ブランディングも理念がないと成り立ちません。小手先のテクニックに走ってしまうからです。

マインドが籠もらないテクニックは、限界があるものなのです。

投稿日: 2021年8月16日 | 5:02 am

ブランドは社内で創るもの

中小企業経営の目指すべき方向性は、ブランディングであるとこのブログでも再三主張しているところです。

ブランディングに成功すれば、様々な利点があります。

まず「価格決定権を握ることができる」。中小企業経営の最大の禁じ手「価格競争」。オンリーワン商品(サービス)を開発し、顧客を掴むことができれば、価格決定権を主導できます。結果として、高価格・高付加価値経営を展開できるのです。

次に、「お客様がやってくる」ことが挙げられます。究極のブランディング効果は、営業が不要な経営が実現できること。選ばれる商品(サービス)、選ばれる企業、選ばれるスタッフ。とにかく、お客様が選んでやってくるようになります。営業展開が不要。こんなに楽な経営はありません。

そして、「新しい価値を世の中に投じることができる」です。お客様の指示が絶大な、商品・サービスはそれだけで価値があります。この価値を世の中に提供し、反映している中小企業は多い。新しい価値を創造し、新しい価値を世の中に提供する活動です。これこそ、中小企業経営の鏡と言えましょう。

ブランディングですが、創り出すのは専門家(コンサルタントなど)ではありません。あくまでも価値を創造するのは、社内メンバーの仕事。

中小企業診断士などの外部専門家は、演出家であり調整役でしかありません。間違いのないブランディング商品やサービスを開発し、ブラッシュアップするのは、中小企業自身の戦略なのです。

投稿日: 2021年8月13日 | 5:41 am

インセンティブ旅行について思う

先日、僕の大切なクライアント(アパレル事業)で会議をしていたときのこと。社長がおもむろに「インセンティブ旅行を計画したい」と発言しました。

インセンティブ旅行とは、目標達成したら社員を旅行に招待する(普通は全額会社負担)制度です。

この会社は、コロナでもろに負の影響を受けている企業です。業績もコロナ前に比較して、大変苦戦している結果なのですが…。

「この2年にも及ぶコロナ禍の中、アゲインスト(逆風)にも関わらず、しっかり頑張ってくれているスタッフの皆に報いたい。」社長の言葉です。

これが中小企業経営者の真の姿だと…感激して涙が出そうになりました。

社員をネガティブ叱咤(蔑みに近い、モチベーションを限りなく削ぐ言動)する経営者は、普通にいます。

しかし、この状況下でも社員を信じ、社員を激励し、社員に感謝する経営者がどれだけいるでしょうか?

会議の終盤において、このような議題を提案。この後の会議は、高揚感が高まり、議論も盛り上がったことは言うまでもありません。

このブログで何度も訴えていますが、中小企業経営は何よりも「メンバーのモチベーション」が大切です。モチベーションが低い会社は、業績も低い、あるいは長続きしません。

試算すると数百万円のコストを、社員への還元のために惜しみなく使うクライアントに、僕自身心から感銘を受けました。この企業をこれからも誠心誠意、支援していくこと…これを自分自身の信念にコミットした瞬間でした。

投稿日: 2021年8月11日 | 5:10 am