オンラインでコンサルティングは可能なのか?

長引くコロナ禍において、従来のビジネスモデルが根本的に劇的に変化する…という専門家や有識者がいます。たしかに、業種・業態によっては劇的な変革が求められる事業・ビジネスも存在します。

変革が起こるビジネスは、事務的な事業(資料策定や書類策定)、PCの画面を見ながら終始する事業(ネットビジネス、トレーダー)…。飲食店のテイクアウトもある程度は促進されるでしょう。また、AIに任せる職種も増加していくことも予想できます。

一方、変わらないビジネスもあります。特に対人的なビジネスです。

経営コンサルティングも、典型的な対人型ビジネスですので、オンラインでの経営コンサルティングは普及していきません。

研修事業は別です。研修はある意味、その現場の様子を知らなくてもできる。そのため、オンラインでの受講が可能なのです。いや、むしろオンラインが急速に普及していくことも予想されます。すべての研修事業がそうなるとは思えませんが…。

さて、経営コンサルティングは「現場」志向でないと成り立たない事業・事後です。

オンラインで経営コンサルティングを提供します…といった文言を掲げたコンサルタントを時々拝見しますが、そんなスキームか教えて欲しいくらいです。

オンラインでできるのは、せいぜい経営者へのヒアリングと資料解析ぐらいでしょう。

もし、ヒアリングや資料による診断(現状認識)とフレームワークによる解決方法を的確に助言しようとされているなら、明言しますがそんなチープで浅はかなものではありませんよ。経営というのは。

したがって、オンラインで経営コンサルティングが可能か?この答えは、否!です。ただし、今現在の技術では…ということを付け加えておきます。

投稿日: 2021年8月10日 | 5:16 am

OFF販促のカラクリ

販売価格の◯◯%OFF!という販促戦術を考案する場合、時と状況を熟考しながらというのが定説です。お客様は、意外と価格に訴求点をもっていないのが現実です。

そして、「OFF販促」は中小企業経営の業績数字を圧迫する”諸刃の剣”であることを認識しましょう。

例えば、販売価格が10000円だったとしましょう。10%OFF販促を展開した場合、仮に売り上げたとしても金額は9000円になります。つまり収入の1000円減ということです。

そこで、僕が推奨するのは「+アルファ販促」なのです。つまり、ノベルティやオマケをつけて顧客満足度を上げる販促戦略です。下手なコンサルタントほど、価格を下げる戦略を提案するのでご注意を!

ノベルティやオマケは、仕入れても販売価格の50%ほどの原価で済みます。OFF価格の1000円を原価で使ってもいいと考えると、それなりの豪華なノベルティやオマケ(+アルファ)が実現できます。

実はこの戦略は、とても有効です。ノベルティのセレクトは知恵を絞るところですが、ここが腕の見せどころであり、中小企業らしいワンツーワン・マーケティング(顧客様との個別関係構築)を実現します。

OFF販促による値下げ戦略は、「麻薬のような」ものです。例え売り上げることができたとしても、粗利率は下がりますし、結果的にブランディングを阻害していきます。

先ほどの例で、酒屋さんでイメージしてみましょう。

「10000円の高級日本酒が今なら9000円!」という販促キャッチと「10000円の高級日本酒!お買い上げの方には、店主厳選の高級おつまみが付いています!」という販促キャッチ。

皆さんはどちらに興味が湧きますか?

投稿日: 2021年8月4日 | 5:41 am

目標管理か?モチベーションマネジメントか?

目標管理(MBO)という経営戦略手法を、僕はこのブログでかなり否定的に書いています。もちろんその考え方や、具体的内容に関しては参考にあることもあります。

ただ経験上、うまく運用している企業を見たことがない…というだけです。目標管理制度は、その使い方を間違うと「組織の疲弊」「チームの崩壊」「メンバーの退場(退職)」という事態を招きかねません。

目標管理は、明らかに経営者側の立場からみた一方的な運営手法です。

働き方の価値観が180度変わった今日。目標管理は、時代錯誤の手法になった…と僕は勝手に思っています。

逆に、モチベーションマネジメントは目標達成への誘引戦略として、とても有効です。一昔前と違い、生涯雇用の時代は終焉を迎えました。

働くという価値観が大きく変わったのです。超情報化社会の今日。自分のスキルを賭けて、他の会社に移る洗濯をする人も増加しました。

そして、会社の屋台骨を支える現場スタッフのモチベーションマネジメントこそ、もっとも重視すべき戦略だと考えています。

何よりもモチベーションが大切。上から圧をかけるような目標管理は、もはや時代遅れです。

経営は、長期的視野で考えなければならない。瞬発的に結果を求める「目標管理制度」は、長期的に結果を出す「モチベーションマネジメント」に勝ることはないと断言できます。

メンバーの心から湧き立つような、やる気と情熱を引き出すような「モチベーションマネジメント」こそ、業績を左右する戦略です。

投稿日: 2021年8月3日 | 5:09 am

経済雑誌『近代中小企業』(Kin Chu)8月号記事掲載!

ご縁があって、幾度となく記事掲載を依頼していただく、経済雑誌「近代中小企業」(Kin Chu )。8月号に僕の記事が掲載されています。かれこれ7回目になります。

プロコンとして、記事執筆を公式な経済雑誌等からいただくことは、大変名誉で光栄なことです。多くの中小企業診断士や経営コンサルタントが情報発信手段について、課題を持っているのですから。

今回も頑張って取材しました。

事例でご登場いただいたのは、佐賀市の完全オーダー・ハンドメイド・シューズ工房「NIHIL bespoke shoe」の古賀幸仁代表です。

「間違いのない品質が、突き抜けた高価格の裏付けとなり、結果として高付加価値を実現する」…。この戦略を着実に実行する「NIHIL」。

中小零細企業の”価格競争を回避するブランディング”戦略。そのヒントを教えてくれる記事になっています。

13-17-8「価格競争を回避するブランディング」

 

 

投稿日: 2021年8月2日 | 5:02 am

中小企業の経営者像【二枚舌は最大の禁じ手!】

中小企業の経営者と毎日のようにお会いし、様々な方向から打ち合わせ、議論しています。すると、経営者の「あるある」のひとつに”二枚舌”というものがあります。

つまり、社員に発している言動とコンサルタント(支援者)に発している言動が、全く違うという現象です。

あるプロジェクトを推進する時、コンサルタントの前では賛成したのに、途中経過報告で様々な注文をつけてプロジェクト推進の障壁となっていしまう…。俗に言う「ちゃぶ台返し」という行為です。

経営者は会社の最高意思決定の権限を握っています。当たり前ですが、それだけ責任も大きいいからです。

責任と権限はイコール(=)でなければならない。それなのに、表面上は賛成するコメントを発し、決定したにもかかわらず、実は反対で障壁となる…このような行為は、経営者のリスペクト感を限りなく削ぎます。

結果として、良いことはひとつもありません。

これは朝令暮改とは違う行為です。朝令暮改は、状況に応じて指示命令を変えることを指します。一方、「ちゃぶ台返し」は抜本的・根本的な否定・反対行為です。

社長が思ってもいないうちに、現場社員のモチベーションが著しく下がります。やもすれば、退職という最悪のシナリオを招きかねない。

経営者はブレないことです。自らの信念や承認事項、言動…そして経営理念に対してブレていないか?

ブレずに経営に邁進する姿に、現場社員は共感し、追随していきます。そこに人間的な魅力が加わった時、その企業の発展の道は明確になっていくのです。

 

投稿日: 2021年7月28日 | 5:06 am

アフターコロナなんて誰にも分からない

アフターコロナに備えた経営を…。クライアントの経営者が、「最近よく言われるんですよ。」と愚痴っぽく言われることがあります。コロナ後は、世界の価値観がガラッと変化し、これまでのビジネスモデルが根本から変化するのだとか?

預言者じゃあるまいし、未来のことが断言できるなんてありえますか?

ビジネスモデルを見直し、再構築すべき業種・業態は見られるでしょう。しかし、経営の根幹に流れる「基本戦略」は変わることがないはずです。

これは歴史が証明しており、経営の世界でも同じです。環境に適応していくのが経営ですが、適応の意味を取り違えては死活問題になりかねません。

環境に適応していくとは、萎縮した守りの経営に徹するということではないのです。いつの時代においても、発展していく中小企業には共通点があり、ブレない経営を貫いています。

まず、企業価値を高める(ブランディング)戦略に徹していることです。中小企業は、萎縮した経営で「仕掛け」続けないとたちまち大企業特有の価格戦略に飲み込まれます。

独自性の追求、オンリーワン戦略の立案が重要です。経営革新への果敢な挑戦です。

1 新商品・サービス開発

2 新しい取引際の開拓・新しい顧客の開拓

3 新しい組織の構築(新チーム構成、役割の明確化、スタッフで差別化する戦略)

4 新しいビジネスモデルの創造

これらの活動は、これからも中小企業にとって不変の戦略です。

 

例えば「アフターコロナは、皆酒を飲まなくなる。だからお酒の新商品開発など無謀だ!」という助言は、まったくもってナンセンスです。

投稿日: 2021年7月27日 | 5:17 am

中小企業診断士として、やってはならないタブーについて

最近経験したことですが、僕の大切な顧問先(クライアント)に対して、頼まれてもいないのに、経営構想を全否定した中小企業診断士がいます。

断言しておきますが、これはプロコンとしてやってはならないタブーです。そのクライアントが直々に相談したらならまだしも…です。

経営セミナーの終わりに、言いがかり的に辛辣な言葉で上から目線で経営構想を否定され、かなり凹んでしまったと…。はっきり言って越権行為で暴虐。このような行為は絶対に許されるものではありません。

問題は他にもあります。

中小企業診断士は、経営者の構想を全否定してはいけません。基本的には、経営者の夢を応援する立場です。

どんな中小企業経営者に対しても、診断士として”敬意を払わなければならない”!相手は、人生をかけて事業を追いかける方々です。

ただのサポーターにしかすぎない中小企業診断士は、偉そうに振る舞ってはいけません!絶対に!

 

しかも、その診断士は「(川崎には)今回言ったことはナイショですよ!」と言ったとか…。

お互い、プロコンとしての誇り、礼儀・礼節は大切にしてきたいものです。正直にいうと、業務妨害で大クレームをぶつけるところですが、ここは大人の対応をしておきましょう。

 

今回の経験は、僕にとって反面教師としての教訓を与えてくれました。診断士のあり方、姿勢、マインド…そして礼節。

このような輩が跋扈する以上、中小企業診断士としての価値を上げる活動が、まだまだ不足しているな…と振り返った出来事でした。

投稿日: 2021年7月26日 | 5:04 am

ハラスメントの間違った理解による、組織の萎縮

ハラスメントという言葉は、およそ15〜6年前あたりから社会現象として叫ばれるようになりました。会社の経営における、ハラスメントは代表格がパワハラ。モラハラ、そしてセクハラ…といったところでしょうか?

このハラスメントは実に厄介で、間違った解釈や社会への浸透が見られるのではないか?と僕は思っています。会社において、指示命令は当たり前です。そして、業務ミスや怠慢な仕事による多大な損失は、中小企業経営にとって死活問題となりかねません。

また社員の成長を願うばかりに、叱咤激励した言葉を「パワハラ」と言われる…。こんな現象があちらこちらで見られるから、困ったものです。

パワハラと叱咤激励は全く違います。そこに愛情があるかどうか?でそれは決まるのですが、なんでもかんでも「ハラスメント」として捉えられると、企業経営が萎縮してしまうのです。

もちろん、人格否定をする言動や性的な嫌がらせは、罰されるべきです。「お前はクビだ!」とか「辞めれば?」などという言葉自体は、絶対に否定されるべきでしょう。

組織の統制のために正当な間違いを正す言動は、ハラスメントとは言えないのです。

ハラスメントが横行する企業を冷静に見てみると、社風としてギスギスした空気の薄い(呼吸しにくい)雰囲気が充満している傾向があります。

日頃から構成メンバーの「人格的」「スキル的」成長のために、励まし合い高め合うような社風作りに気をつけたいものです。

投稿日: 2021年7月23日 | 5:02 am

スポーツマスターズ岡山大会開催決定!

久しぶりに、趣味の空手の話を…。マスターズ全国大会の開催が正式に決定しました。2019年の岐阜大会以来、2年ぶりの開催です。

2018年は、札幌市で開催予定でしたが震災で中止。2020年は、愛媛大会がコロナで中止になっていました。

2021年は舞台が岡山です。空手大会は、9月11日(土)〜13日(月)で実施されます。残り2ヶ月弱になりました。

しっかりと準備して臨みたいと思っています…というか、しっかりと愉しみたいと思います。

空手にはまって10年目の年です。

 

仕事も人生も、愉しみながら過ごした方がいいと僕は思っています。

そして、中小企業診断士として現場で仕事をしていると、「何かに挑戦し続ける」ことの大切さを実感するのです。なぜなら、仕事で対峙する相手は百戦錬磨の事業家。人生をかけて勝負をしている方々。

であるならば、僕も「挑戦し、勝負」しないと少なくとも対等ではない…と考えるからです。

もちろん、僕も独立開業してフリーで経営している事業者です。ただ、前向きで挑戦心あふれる人間でないと、経営者の信頼性は獲得できないと思っています。

経営者は、未来を夢見るドリーマーです。逆にそうでないと、経営の推進力が生まれません。

診断士もドリーマー・マインドを持った方がいい。

 

今年。組手第3部に出場します。全国の空手を愛する人たちとの、ご縁と交流を大切にしながら、新しい風景を見てきたいと思います。

投稿日: 2021年7月22日 | 5:34 am

企業再生型コンサルティングの”あるべき手法”

アフターコロナにおける中小企業経営を取り巻く環境を想像するとき、きっと企業再生をマスト(必須)とする企業が爆発的に発生することが予想されます。

おそらく2年に及ぶであろうコロナ禍は、多くの中小企業経営を圧迫し、資金繰りの逼迫を招くことでしょう。ひと昔前のように、企業再生という仕事が再増するのではないかと考えています。

この、企業再生という局面ですが、中小企業診断士(経営コンサルタント)の中には「経営改善計画書」を作って、金融機関からの借入返済を「リ・スケジューリングする(リスケ)」ことだと勘違いしている人もいます。

金融機関の返済一時停止やリスケは、一時的な効果しかありません。断言しますが、収益構造の改善(ビジネスモデルリニューアル)を推進しないと、本当の意味での企業再生にはならないのです。

そのため、再生の仕事はとてもエネルギーが必要となります。経営者側にも、支援者(中小企業診断士)側にも…。マイナスをゼロにする仕事ですから。

ビジネスモデルの抜本的な改革(以前は、リ・エンジニアリングと呼んでいました)のプランニングと実行支援。これが、企業再生型コンサルティングのあるべき姿です。

このとき、下手なコンサルタントは、非常なコストカットを推奨してきます。経営資源に限りのある中小企業経営において、コストカットは限りなく優先順位が低い。

収入(売上)の改革と、ブランディングによる粗利益の改善…。再生コンサルティングは、ここからスタートします。

投稿日: 2021年7月21日 | 5:38 am