”言っていること”と”やっていること”が違う会社

業績第一主義の会社に比較的多い現象なのですが、自社の経営理念には「立派な文言」を掲げておきながら、実行している戦略は理念にまったく違う内容という現象…。

こういう現象も、かなりの確率で散見されます。

社員の幸せ?お客様第一主義?…言うは易しで、この命題は実に難しいのです。

ただ、経営理念というものは「錦の御旗」のようなもの。実現したくても実現できない理想…。僕はこれでも構わないと思っています。

実際に、その理念に向かって「ブレずに突き進んでいるか?」が大切です。理念とは真逆の戦略を実行する会社も、実は多い。

経営理念をただの「キャッチフレーズ」だと勘違いしているのでしょう。明言しますが、経営理念はそんなチープなものではありません。

「企業が価値観を明文化した、社会に対する約束事!」これが意味合いです。そのため、インターネットのホームページを通じて、経営理念を掲載している会社は”全世界に対して”、理念に書いてある文言を「約束している」ことになる訳です。

言っていることと、やっていることが違う会社…長期的に見ると、企業のパフォーマンスは降下傾向になります。なぜなら、周囲から見透かされるからです。

とりわけ、自社の社員はシラけていき、モチベーションが下がります。最悪、人財の流出に繋がりかねません。

中小企業経営にとって最も恐ろしいのは、「客離れ」というのは再三主張していますが、「社員離れ」が起きると赤信号です。

投稿日: 2021年7月20日 | 5:21 am

思うように”稼げない”同志への伝言

僕のブログやメルマガで、再三にわたり主張していることですが、中小企業診断士は「マーケティングのプロ」です。そのため、顧客開拓の方法やクライアント開拓・契約の手法が”分からない”という状態は、ナンセンスです。

医者が病気を治す方法が分からない…と言っているようなもの。甘えるなよ同志!と言いたいですね。

僕のオフィスや携帯電話にも、1週間に一度のペースで「ITマーケティング会社(仮称)」から営業の連絡があります。曰く「集客やクライアント開拓のお手伝いしますよ!」という。

見くびられたものです。ほとんどの場合、レスポンスすることはありませんので、連絡する時間とコストの無駄です。

とはいえ、中小企業診断士の仲間間では、顧問契約を締結して「定例顧問支援」ができなくて悩んでいる同志が多いのも事実。

はっきり言っておきますが。怪しげな営業トークにひっかかったら、コストと時間と労力の無駄ですよ!

しかし、中には「受けてみたら為になること間違いなし!」というセミナーもあります。具体的な名前は避けますが、共通しているのは個別具体的でノウハウの提供を惜しまない方々であるという点。

僕が師と仰ぐ、経営コンサルタントや中小企業診断士の大先輩など…。

ネットを利用した安易なクライアント開拓手法なんて、絶対にありえませんから。「◯◯というシステムを使った新しい集客・開拓手法です」というのが彼らの常套文句です。気をつけましょう!

マーケティングのプロとして、自信を持って「あり方」を追求し、選ばれる診断士を目指しましょう!お互いに。

 

投稿日: 2021年7月19日 | 5:28 am

賞与の算出根拠を明確にせよ!

中小企業も拡大し、メンバー(構成員)が増えて育ってくると、様々な方面で意味づけが必要になります。つまり、ガバナンスが「家業」から「企業」としての意味合いに移行し、社長の独断と偏見での言動がマイナスに作用するようになります。

当たり前ですが、社員がいればいるほど「社員あっての経営や業績」という認識を持たないと、いつまでたっても企業は育ってきません。

企業も人の集まりですから、ガイドラインやルールが必要になります。法的には、社員数が10人を超えると、就業規則を労働基準監督署に提出する義務が発生します。

当然ですが、給与や賞与といった社員がもっとも気にするような要因は、”意味付け”が重要となってきます。

以前、僕が所属していたコンサル会社は「賞与の算出根拠」がありませんでした。代表者に尋ねましたが、「そがんとなか!(そんなのないよ:佐賀弁)」という答えが返ってきました。

代表者が、適当に(俗に言う”鉛筆舐め舐め”)決めていたのです。これがコンルティング会社か?と当時の僕は呆れましたが、モチベーションが著しく下がったのは言うまでもありません。

賞与や給与の計算式(算出根拠・方法)は、明確にする必要があります。

社長が善意でくれた賞与も、不信感を持つようであれば悲劇です。

お互いにハッピーな状況を作り、モチベーションをあげるような賞与・給与であるために、計算式は明確にして、構成員にアナウンスしておくことをお勧めいたします。

投稿日: 2021年7月16日 | 5:25 am

中小企業の経営者像【動機付けをしていますか?】

中小企業経営は、何より構成員(社員、メンバー)の結束力が重要です。構成員の判断基準が経営理念を軸にブレない、そしていつも共有された価値観のもとアクションに結びついていることが望まれます。

そのため、企業経営には”明文化された”経営理念が重要だと主張しているわけですが、結構これが簡単なことではない。経営理念をカードにして配布したり、会議の時に唱和したり…その取り組み自体はとても重要なのですが…。

もっとも重要なのは、”動機付け”というものです。つまり、我々は「何のために仕事をしているのか?」「我が社はお客様に何を提供し、貢献しているのか?」などという至極単純な命題を、日常業務の中で共有する小さな取り組みのことです。

この動機付けが、「不純(損得感情)」であったり、「チームワークに反するもの」であったり「理念にミスマッチした」ものであったりする時に、時として取り返しのつかない事態を招きかねません。

もっとも怖いのは、企業自体のブランディングに”傷がつく”ことです。

一人の構成員の、理念にミスマッチした行為で企業自体の信用・信頼力を削ぐこと…。これはもっとも避けたい事態と言えます。

そのために、社員教育や成長プロセスの明確化と実行が必要なわけですが、その際にも「何のための教育・研修か?」という動機付けを施さないと、取り組み自体の効果・成果が薄くなっていきます。

何より、組織力・結束力で経済環境を突破していきたい中小企業経営。経営者は常に、社員との対話を通じた”動機付け”を意識したいものです。

投稿日: 2021年7月15日 | 5:04 am

頭の中にSWOT分析表を…。

たまには、同志(中小企業診断士や志高き経営コンサルタント)に対するアドバイスを…。経営の現場を調査したり、診断する機会があります。その際、いつも頭の中にSWOT分析のシートを思い浮かべましょう。

SWOTは、ついつい強み(S)、弱み(W)からスタートしがちですが、注意しましょう。間違いです。人間の性格もそうですが、長所と短所は表裏一体なところがあります。

最初に分析すべきは、機会(O)です、我が社の事業にとって追い風となっている状況、情勢は何か?を考察します。その機会にとって、内部要因がマッチしていれば「強み」になりますし、ミスマッチであれば「弱み」にすぎません。

一般的に「機会」に「強み」をぶつけるオペレーションが「積極戦略」と呼ばれるもので、優先順位が圧倒的に高い。すぐにでも仕掛けたいところです。

プロのコンサルタントは、各種分析ブレームワークを頭の中に常時描いているか?が問われる仕事です。そのためには、日頃のくれんが大切。遊びに出かけた時でも、さまざまな局面でSWOT分析してみましょう。

立案した積極戦略は、即経営者に提案してみてください。注意しなければならないのは、総論でなく各論で立案すること。

また、実現可能性の高い戦略でないと、絵に描いた餅になります。絵に描いた餅は、経営者に見透かされます。より、具体的で実現可能な積極戦略を自信を持って提案してみてください。

戦略実行の際に、中小企業診断士のサポートが必要な場合が多く、それが仕事のタネになります。

投稿日: 2021年7月8日 | 5:38 am

中小企業の経営者像【社員を家族と思えるか?】

中小企業経営者の中には、社員のモチベーションを挫くのが当たり前と思っているのではないか?と疑ってしまう方もおられます。よく、業績重視型思考の経営者に見られます。

業績というのは、結果現象にしかすぎない。大事なのは、プロセスです。業績重視型思考の経営者にあるのが、「仕事は結果が全て」という妙な価値観です。

断言しますが、結果だけで判断されるのは「経営者」だけですよ。あえていうなら、役員(取締役)までです。社員が結果ばかり問われては、たまったものではありません。

話を戻しますが、社員は経営者(トップ)の言葉に、非常にビビットに反応するものです。社員を貶すような言い方は、モチベーションを著しく低下させます。

経営者の皆さん。我が社の社員を「家族(同然)」と思っていますか?家族なら、やる気を出すような助言やアドバイスをします。これが家族です。

いい経営者と、よろしくない経営者の最初の違いはそこにあります。

我が社の社員を、家族同然に愛することができますか?

現場社員と経営者の距離が近く、心が伝わりやすいこと…これが中小企業の強みです。大企業の経営者ではあるまいし、社員は貴方の一挙手一投足を恐ろしいほどみていますよ。

なぜなら、トップは父親であり母親的な存在だからです。家族的経営の強みを発揮し、絆を重視したハートフルな経営を実現するためにも、中小企業経営者には、是非言動に留意してもらいたいと切に願います。

投稿日: 2021年7月7日 | 5:18 am

外資系コンサルティング会社の手法…。

外資系のコンサルティング会社があります。その多くが、大企業向けの戦略型コンサルティングサービスを提供しています。それ自体否定するつもりはありません…が、中小企業経営の実態にマッチしているか?というと…正直疑問があります。

外資系コンサルティング会社は、日本の中小企業経営の実態にマッチしているのか?答えはノーだと考えています。

日本的経営の特徴は、良きも悪きも「情の経営」「浪花節的な経営」「心を重視する経営」です。業績第一主義は、日本の中小企業経営の良さを潰してしまいます。

ですから、「社員(人)を大切にする経営」がピッタリ合うのです。

外資系の大企業向け戦略立案型コンサルティングファームの手法は、業績ありきの場合が多い。高い目標を掲げて、逆算して戦略を立案すると言うもの。

高すぎる目標は、様々な弊害を招きかねない。もっとも怖いのは、人財の退出(退職)です。企業経営の目的や企業理念…これがもっとも大切なな価値観のはずが、業績第一主義に陥り、組織に疲弊感が蔓延する。

こんなパターンを中小企業が耐えうるでしょうか?

大企業と中小企業の経営は、全く違います。住む世界も、価値観も、戦略もまるで違うのです。とりわけ社員を犠牲にする経営手法は、絶対にタブーです。

外資系コンサルティングファームの全てがそうとは言いませんが、経営判断を「損得でなく、善悪で」する経営が中小企業の実態です。

中小企業経営のコンサルティングは、診断士が担うべきもの。やっぱり我々中小企業診断士が、しっかりすべきなのでしょうね。

投稿日: 2021年7月6日 | 5:23 am

総務部(総務課)、総務担当の価値について

あまりよろしくない傾向が、中小企業の現場に蔓延することがあります。中小企業経営あるあるのことですが、総務部をはじめとした間接部門を疎んじるような傾向です。

営業部や製造部のような、フロントラインにいる部署が幅を利かせ、「自分たちが稼いでいるんだ(作っているんだ)」とばかりに間接部門を見下すような社風。

こんな傾向を経営トップが認めているような企業が、まだまだあります。

明確に断言しておきますが、経営は役割とミッションを明確にする必要があります。そして、それぞれの部門には価値があり、お互いに認め、リスペクトすることが重要です。

総務部の役割は何か?ズバリ、企業全体のコントロールタワーの役割に他なりません。

これはとても重要な役割です。言わば司令塔の役割なのです。ただの事務部門ではありません。

社内の情報を共有化したり、トップからの指示・命令を組織前夜位に行き届かせるような仕組みづくり。

また、人材採用や育成、法令義務、各種手続きなどその業務は実に多様なのです。

問題は、適正な人員構成にすること。目安で言うと、業種にもよりますが、マックス総務部スタッフの数は社員10名あたりに1人。10名を超えたら2人に増員しましょう。

大切なのは、間接部門の価値を全社で共有すること。

強い軍隊は、兵站(供給部門)や情報収集・共有に注力するものです。

いい経営をするために、知恵(叡智)を出す時代。総務部の価値は、これからますます高まっていくことでしょう。

投稿日: 2021年7月5日 | 5:01 am

リアリティ・コンサルティング

経営コンサルタントの業界は、まさに玉石混交であると断言できます。中小企業診断士という国家資格ホルダーとして、恥じないクオリティをクライアントに提供していくのは必然と言えるでしょう。

現場型の経営コンサルティングを、志のある中小企業に提供し、一定の満足感を持っていただくには?リアリティのあるコンサルティングを提供することが必定です。

コンサルタントの中には、理想論ばかりを掲げて助言する輩もいます。あるべき論は、教科書に載っていますからコンサルタントが、わざわざ助言しなくても経営者には分かるものです。

ましてや相手は、日々死活問題と向き合っている海千山千の経営者です。「こうあるべきです!」ばかりのコンサルタントは、即契約を斬られますよ。

では、何を持ってリアリティを追求すべきでしょうか?ひとつは、五感を常に経営現場に向けることです。

より経営現場に肉薄した、実現可能性の高いコンサルティングソリューションを、分かりやすくお伝えします。

その手法は、SWOT分析やVRIO分析、ファイブフォースモデルなどの各種フレームワークで導き出せるものではありません。

現場で事実を見て、耳で聞いて、触って味わう。臭いで感覚を研ぎ澄ませる…。この行為からリアリティ・コンサルティングが実現します。

経営者から「売上を上げるには、どうすればいいですか?」と聞かれるとしましょう。下手なコンサルタントは、「客数、客単価どちらも大切です。どちらも上げていきましょう。」と言います。

稼げるコンサルタントは、「売上は客数と客単価の掛け算です。しかし、客単価というのはつまり、”財布の中身(予算)”ですよね。したがって優先順位が高いのは客数。常に、ひとりひとりのお客様を大切にして、ひとりでも多くの客数(顧客数)を上げていきましょう。」と答えます。

投稿日: 2021年7月1日 | 5:39 am

業務日報って必要ですか?

中小企業経営者の陥りがちな思考に、「業務日報の義務化」があります。僕もサラリーマン時代には、日報が課せられかなりのストレスを感じた経験があります。

これは主観ですが、「業務日報は、時間とストレスの無駄使いである」と思います。日報というものは、何のために必要なのか?経営者から、業務日報の導入を相談されることがありますが、「スタッフが入社間もない頃(最高で1年間)は、必要でしょう。あとは必要ないと思います。」と答えています(もちろんこれは、TPOによって変化しますが…)。

多くの場合、業務日報は幹部や経営者が、スタッフの動きを”管理”したいときに義務化します。裏を返せば、メンバーを信じていないということになりませんか?

日報で管理するのでなく、日頃からのコミュニティが大切で、意思疎通を日常風景としていれば、業務日報など全く必要ありません。

そして、「日報を出せ!」と日頃から注意されている社員は、だいたいモチベーションが低くなっている証拠です。

業務日報で管理している以上、その社員の成長は望めません。ある一定に時期に、日報をやめて日頃からのコミュニケーションを密にするようなマネジメントが理想です。

働き方改革が叫ばれ、労働時間の短縮が当たり前の価値観となった今、業務日報などの無駄業務は即刻廃止して、自らの成長やお客様満足度の工場に時間を割くようにしましょう。

理想型は、自ら考え、自らを律し、自ら行動できる社員です。

投稿日: 2021年6月30日 | 5:34 am