人事評価と人事考課の決定的な違い。

人事系コンサルタントや社会保険労務士が提言する人事制度の一つに、評価制度というものがあります。この評価制度とは、ひとつ間違えばとんでもない組織崩壊を招きかねないことを認識しましょう。

ひとつは、「評価」と「考課」を間違えないことです。人が人を評価することの難しさ。人は誰しも完璧ではありません。ですので、評価するこという行為自体がナンセンスではないでしょうか?

ぴったりくるのは、「考課」という考え方です。これは「課題を考察する」という意味があり、スタッフやメンバーの課題解決による成長を促す意味があります。

したがって、中小企業は「人事考課制度」という意味合いがもっとも適切です。

また、人事考課制度を導入する際には幹部研修制度を並行して展開する方がベターです。プログラムは、「幹部のあり方」を考察する内容がいい。併せて人事考課の意味合いや考課項目も落とし込みます。

いつの時代も、部下は上司の姿勢やマインドを”怖いくらい”に達観しています。実力もない、リスペクトもされていないのに上司風を吹かせて威張り腐るような輩(僕もこれまで散々ダメ幹部と接してきました…笑)が上司になったら、悲劇を通り越して喜劇です。

人事考課制度は、人を評価して給与や賞与に影響を与える制度設計をして「終わり」ではない。メンバーの成長を促し、伴走して考えて、企業とともに成長していく…そんな使い方が理想です。

間違えてはならないのは、人事系コンサルタントに丸投げして創ること。結果的に無駄なコストを使うだけですので、辞めておきましょう。

投稿日: 2021年6月29日 | 5:15 am

コンサルタントが本を出す意義

経営コンサルタントは、差別化が難しそうに見えて実は千差万別な職業です。コンルティングサービスは、コンサルタントによって全く違うものになります。

それは、コンサルティング理念に基づく枝分かれによるものが大きい。例えば、「経営は儲けてナンボだ」「業績を上げることが最も重要だ」という主張するコンサルタントは、コストカットを平気で実行します。僕のような、「いい会社にすることを第一主義」とするコンサルタントは、徹底して”いい会社”と現状のギャップを洗い出し、その解決策を探ります。

経営コンサルタントほど、サービス内容にバラツキのあるサービス業はないかと思います。

そこで、コンサルタント(中小企業診断士)は、自らの理念(主張)に基づく情報発信が肝心になるのです。ホームページやブログを使って、常に情報発信する努力は必須となります。

書籍出版も効果的です。特に今は電子書籍なるものがあり、ネット上で出版ができます。紙ベースでの書籍化がまだまだ理想ですが、コストがかかる。

一方で電子書籍は無料でできます。

経営コンサルタントは、是非出版を手掛けるべきです。それが自信にもなるし、オンリーワンコンルティングの貴重な情報発信源となり得るからです。

「書ける」スキルは、経営コンサルタントには必要な能力です。逆に、”書けない”コンサルタントは、仕事が獲得できないと心得ましょう。

「調べる」「書ける」「話せる」「獲れる」が、経営コンサルタントが仕事を獲得できるスキルプロセスなのです。

ちなみに、「後世に残るような本を出して、印税で暮らすのが夢…」と15年前から言っているエセコンを知っていますが、いまだに一冊の本も書いていません。

投稿日: 2021年6月28日 | 5:00 am

言い回しやフレーズで、イノベーションは起こせるか?

日本語は本当に美しい…。毎日のようにブログを書き、最近は小説を執筆しましたが、そのような日本語に向き合う機会があると、心から感じることです。

僕もブランドコンサルタントを自称している以上、言葉はとても大切にしていますし、フレーズは「素晴らしさを伝える重要なツール」と認識しています。

しかし、とあるコンサルタントの売り出しを見たときに、「フレーズで業績を上げる!」というような文言を見た時は、かなりの違和感を覚えました。

言葉遣いや言い回しで、業績が向上するなら、こんなに楽なことはありませんよ。コピーライターはたちまち敏腕コンサルタントでしょう。笑

企業をブランディングするイノベーションのコアは、品質(クオリティ)以外の何者でもありません。品質がズタボロなのに、言葉の力だけで業績を上げるのは「詐欺に近い」行為だと思いませんか?

また、口八丁手八丁で経営や商売が成立するほど、甘い世界ではありません。何度も言いますが、商売は始めることが大切なのでなく、続けることに価値があるからです。

経営の継続は、品質なしではありえません。どんな商売でも一緒です。

いくらお客様の心に刺さるプレゼンをしても、そこに”確かな間違いのない、絶対的な品質”が伴っていなければ、継続的取引は成立しないのです。

商談の場面で、一時的に成功することはあるでしょう。しかし、そこから長い長い関係性がスタートする訳です。

中小企業経営の目標はブランディングの構築です。「高品質、高価格、高付加価値」実現のためには、言葉やフレーズだけに頼らない、品質そのものの向上が望まれるのです。

投稿日: 2021年6月26日 | 5:29 am

高すぎる定量目標を課すリスク

結論を言いますが、「高すぎる定量目標は、百害あって一利なし」です。これは断言できます。ましてや、社員自ら挑戦しようと心から思える目標ならまだしも、経営者から一方的に言われた高すぎる目標は、高いリスクがあります。

以前、ある会計事務所のコンサルタントが「あえて高い目標を立てて、目標に肉薄することに意義がある」と宣言しているのを見たことがありますが、全くの素人考えです。

高すぎる定量目標は、大きなリスクを招きます。

そのリスクの正体は、モチベーションの低下というものです。

よくあるのが、「売上目標」というもので、営業職や販売職によく課せられる現象です。今日日、前年比120%を超える目標設定は、かなりの負担になります。

業務効率化を図り、無駄を省いた動き(営業活動)を…などというのも限界があります。一昔前のように、働き過ぎを強いる企業は罰せられる時代。

今日のような低成長時代においては、「無理なき成長」を意図して目標設定することが肝心です。

定量目標の設定方法は「がんばれば届く。がんばり方も分かる。」です。

「これ以上、どうしろと言われているのか?」とメンバーが思った瞬間、モチベーションは著しく低下していきます。

あるのは徒労感だけ。

高度成長時代の化石のような企業運営を、いまだに実施していると、大切な社員の退職という悲劇を産みます。そのような徒労感は、優秀な社員であればあるほど敏感です。

このブログで、飽きずに何度も主張していますが、「目標設定は、経営者が考えるものではない。当事者が考え、自らが自らにコミットするもの」なのです。

そのことを忘れ、「今期はこの数字を叩き出せ!」のような指示命令は、モチベーションを下げて徒労感を招き、結果として人財流出を招きかねない悪習だと認識しましょう。

投稿日: 2021年6月24日 | 5:39 am

会社の変化を実感する瞬間

先日のこと。長崎のクライアント様での会議後、率直な感想を経営者にお伝えしました。「社員の放つ雰囲気が、確実に変わりましたね。」…。

このクライアント様は、ご支援を始めてちょうど1年になります。最初は正直なところ、社風も明るいとは言えず、会議での発言も皆無のような状況でした。

この1年間、経営理念を少しずつ浸透させ、会議の雰囲気を変え、経営者の価値観を少し修正していただくようご支援しました。

元々、若いが人間味溢れる経営者であり、社員の成長を心から願う人格者であったためか、会社(特に幹部社員の思考や発言)が変わってくプロセスを実感しています。

当然のことながら、このクライアント様は業績好調。長崎県内でも、業界をリードする技術者集団として躍進している会社です。

会社の変化というものを、明らかに実感する時は、「経営理念の唱和」の時です。会議の前に、経営理念を参加者全員で唱和していますが、いい方向に変わってきている会社は、「元気に唱和してくれ」ます。

これは、我が社の価値観を認め、それに賛同し、大切にしていくという初心を心に落とし込んでくれている証拠となります。

このような会社は、結束力が違います。次々とやってくる課題(ハードル)をいかに超えるか?避けて通るか?打ち破って前に進むか?…幹部・リーダーが主体的に考えて行動し始めるからです。

この日は、僕にとっても嬉しい日となりました。初めは経営者と僕だけだった、経営理念の唱和を幹部のみんなが参画してくれたこと。

コンサルティングの手応えを感じる瞬間です。

投稿日: 2021年6月23日 | 5:12 am

仕掛けていますか?コロナ禍のサバイバル戦術

いったいいつまで?というのが、この1年半におよぶコロナ禍の経済情勢でしょう。中小零細企業にとっては、まさに死活問題となる環境です。ただ、この情勢においても売上や業績を伸ばしている企業が、実際に存在することも事実として目を背けててはいけません。

一方で、飲食店や観光業、飲食店や観光業を取引先としている業種の中小企業は、本当に苦労されており、まさにサバイバル環境と言えます。

この環境が未来永劫続いていくはずはなく、いつかコロナは収束し(ワクチンの普及がそのきっかけとなることは間違いないと思われます)ます。

コロナで多大な負の影響を受けている、企業様にとってはまさに『今やるべきサバイバル戦略・戦術」を立案し、粛々と実行してく時です。

具体的には?

低価格でもいい、小規模金額の取り引きでもいい。ひとりのお客様、1社の取引先を着実に増やしていくことです。また、既存のお客様、既存の取引先とのリレーションも忘れてはなりません。

実際の来店や訪問が難しい時は、インターネットの使ったリレーション(SNSやホームページ)を徹底します。

このコロナ禍で本当に恐ろしいのは、客離れ現象です。一度離れたお客様や取引先は、なかなか戻らない。

ですので、既存のお客様とのリレーションを大切にしてください。

コロナ禍こそ、仕掛けが必要です。何もしないでいると、坐して死を待つ事態が待っています。来るべき収束に向けて、やるべきことをしっかりとやる!これが、生き残るか滅びるかの分水嶺です。

投稿日: 2021年6月22日 | 5:56 am

経営幹部の育成イノベーション

目安としては、社員規模が10人以上。就業規則の提出義務を課せられる規模になった時、経営者(トップ)が考えるべきことは、右腕・左腕(幹部)の育成です。

長年中小企業経営の現場を駆け回った結論ですが、「経営幹部かしっかりしている企業は強い!」ということ。

社長一人で、人財のマネジメントをしていくには当然、限界があります。その規模が、10人くらいからではないか…?と思っているのです。

10人になったら、社長の補佐をしっかりと務めてくれる幹部を育成しましょう。

そして経営者はできるだけ、現場を離れることをお勧めします。番頭たる幹部の育成は、10人以上の社員を育てて、拡大していくのに必須条件と心得ましょう。

経営者であれば、いつまでも現場の仕事に”口を出したい”ものです。しかしながら、10人以上を超えると、”社長業(社長しかできない仕事)”に専念しなければなりません。

社長業に関しては、後述しますが実に多岐にわたります。

企業規模が拡大(社員数の増加、売上の増額)していくにつれ、優秀な人材が育っているか?という命題がつきまとうようになります。

幹部が人材マネジメントができる人数の限界は、5〜6人だと考えています。

つまり、10人規模だと2人の幹部が理想となります。

その幹部は、徹底して”経営理念や社是”を理解し、体現できて語り伝えることができるブレないハートが求められるのです。

企業の階層別の形状イメージ(組織図)は、完全なピラミッド型です。これは、誰が偉いとか、上下関係を表したものではない。

ただの指示命令系統、情報伝達のラインを表したものであることを忘れないようにしましょう。

投稿日: 2021年6月21日 | 5:24 am

誕生日に想うこと 〜コンサルタント適齢期限界論〜

令和3年6月20日。51回目の誕生日を迎えました。昨晩、改めてこれまでの人生を少しだけ振り返り、現在に至るプロセスを思い出していました。

実に様々なことがありました。特に仕事に関しては、「今までの経験は全て、今この瞬間のためにある!」と断言できます。

中小企業診断士という資格に巡り合い、取得登録し、経営コンサルタントの仕事を愉しく推進できているのは、これまでご縁があった方々や乗り越えてきたハードルの賜物です。

これからもずっと、この仕事を愉しんでいきたいと思いますし、一生(命ある限り)続けていきたいと思っています。

しかし、経営コンサルタントの仕事は年齢的に限界がきます。必ず…来ます。

現地現場に赴き、現場の空気感を感じ取り、現場の現況に肉薄できる…そんな仕事ができるのは、残り10年ではないでしょうか?

つまり50代が、経営コンサルタントの成熟期であると考えるのです。60を超えると、徐々に経営コンサルティングのパフォーマンスは下降傾向に入り、65歳からは極端に下がっていく…というのが僕のシミュレーションです。

ですので、コンサルタントの旬はまさに今!55歳まででしょう。

それまでに、60歳を過ぎた頃からの経営コンサルティングパフォーマンスを、別のルートで体現できる何某かの方法を模索しているところです。

51歳の今。経営コンサルタントとして約20年の仮説が、確信に変わりました。15年前から主張していた中小企業経営支援の真髄に間違いはなかった。

50代…これまで以上に、中小企業診断士の真髄を極めるべく、邁進しようと決心しています。

投稿日: 2021年6月20日 | 5:47 am

コンサルタントが手伝えない経営者

経営コンサルティングは、無限の可能性の中から最適な戦略を立案・提案し、セレクトして実施することが重要です。無限の可能性の中から立案しますので、AIなどでは計算し難い「ハンドメイド」の支援です。

クライアントに最適(ベター)な経営戦略を立案しますので、オーダーメイドであり、オンリーワン戦略であると言えます。

それゆえ、経営者との価値観の共有がとても重要です。

経営コンサルタントは、どんな経営者でも対応可能ではありません。これは僕の主観ですが、クライアントは”選ぶ”べき”です。

実際に経験があることですが、経営者のタイプによってはコンサルティングが不可能(に近い)場合があります。

いくら、ハンドメイドコンサルティングを伴走型で展開しても、経営者に響かない場合があるのです。

特に、”うまくいかない”経営課題”を、コンサルタントのせいにするような責任転嫁型経営者には要注意。経営は順風満帆ではありません。

むしろ、うまくいかないことが多い。うまくいかないことを何とか解決しようと奔走する経営者を、”支援する”のがコンサルタントの役割です。

常に自責の感をもって、推進する経営者でないと、コンサルタントはお手伝いができません。また、コンサルティングの成果は皆無です。

また、面従腹背型の経営者も無理です。コンサルタントと社員に伝える経営判断アナウンスが、全く違うという経営者を時々見ますが、コンサルティングフィー(報酬)の無駄になりますので、契約締結しない方がいいでしょう。

投稿日: 2021年6月17日 | 5:06 am

オンラインで支店運営マネジメントは可能か?

以前にも書きましたが、僕はオンラインで伝えられる情報や共有できる想いには、限界があると思っています。特に、コロナ禍によって会議や研修がオンラインでできる環境が整い、それが可能だという認識も高まりました。

ある意味便利ですよね。しかしながら、オンラインは所詮オンライン。想いの共有は、同じ空気感の中で実施するそれとは、大きく違います。

ただの連絡会議なら問題ないでしょう。そして、大企業のように役割分担が明確で、ミッションが明らかにセパレート化された環境下では、可能でしょう。

中小企業経営は全く違います。会議も、オンラインで簡単にできると思って導入すると、大失敗します。

中小企業経営は、何よりも結束力や絆が大切。経営理念(価値観)を共有し、立ちはだかる経営課題に対して全員で立ち向かわなければなりません。

ですので、移動費が多少かかっても、メンバーを招聘し一同に介して経営課題の解決策を話し合う。そんな会議では、なおさら同じ空間で、仲間意識を皮膚感覚で感じながら進めることが重要なのです。

昔ですが、TV会議なるものが流行りました。これは便利とばかりに、導入する企業も増えました。しかし、中小企業経営の現場では、全く使われていません。

その結果的不便さともどかしさに、”これは使えない”とばかりに浸透しなかったわけです。

したがって、支店運営においてオンラインでのマネジメントは、「可能だけど限界があり、その限界点は限りなく低い」というのが僕の結論です。

投稿日: 2021年6月16日 | 5:13 am