コンサルティングと助言サービス

プロコンとして経営の現場を駆け回っていると、「以前サポートしてくれていたコンサルタントとは、違いますね。」と言われることがあります。

以前のコンサルタントは、アドバイスや助言に長けていたが、伴奏型サポートはしてくれなったという内容です。

経営コンサルタント業界の”あるある”現象なのですが、国家資格である中小企業診断士ならば、踏み込んだ伴走型支援はマストだと思っています。

立派な計画書を作っても、実行されなかったら「絵に描いた餅」になります。”餅を書いて終わり”ならば、根拠のない”あるべき論”を並べ立てるだけでいい。コンサルタントとして、こんなに楽なことはありません。

ですが、中小企業診断士は違います。町医者たる診断士は、ハンズオンの踏み込んだ支援が必要です。当然、発言の重みも違ってきます。責任もあります。ですので、一緒に苦しみ、のたうち回って課題解決に向き合う必要があるのです。

ここが、伴走型コンサルティングサービスと助言サービスの違いだと、僕は認識しています。

当然、喜ばれるのは「伴走型のコンサルティングサービス」。求められるのも同様です。

コンサルティングは助言サービスとイコール…。そう想っている中小企業診断士が意外と多い。決してそうではありません。

助言サービスは、あくまでもコンサルティングの中のほんの一部にしか過ぎない。大切なのは、一緒に悩み、一緒に苦しみ、一緒に解決策を実行支援する本物のコンサルティングです。

投稿日: 2021年5月4日 | 6:52 am

経費削減か?売上拡大か?

コロナ第4波の真っ只中ですが、企業経営自体を止める訳にはいきません。時短要請や休業要請に直面したとしても、接客時間が無くなったり短くなったりするだけです。企業経営そのものは、継続していかなければなりません。

このようなご時世になると、企業経営は「経費削減」を考えがちになります。コストカットを助言するコンサルタントも多いことでしょう。

はっきり言いますが、経費削減は、今やる戦略ではありません。いつでもできる戦略です。

今こそ実施する戦略は、「顧客創造戦略」です。特に中小企業経営は、顧客(市場)を開拓し続けることが重要です。

経費削減には限界があります。また、削ってはいけない経費もたくさんあります。その最たるものが、人件費でしょう。

人件費、研究開発費、広告宣伝費、教育費などの”未来型経費”は、企業の体力を著しく削ぎます。

過度な経費削減は、アフターコロナに備えた体制を整備できなくなるのです、

もしも、お客様が来なくて(接触できなくて)時間的余裕のある商売をなさっているとしらた…。今やるべきことを粛々と実施していきましょう。

特に、新商品(新サービス)開発戦略は、この時こそ逃してはなりません。じっくりと時間をかけて取り組む必要のある「新商品開発」戦略も、顧客創造戦略なのです。

顧客創造戦略は、売上拡大に直結します。来るべき、アフターコロナに備えてやるべきことをしっかりやる!これしかありません。

今こそ逆張り経営。経費削減よりも、売上拡大のための各種戦略を立案してください。

投稿日: 2021年5月1日 | 6:34 am

中小企業の営業、販売戦略

中小企業の経営コンサルティングを現場で展開している時、営業戦略や販売戦略を練ることがよくあります。

カネという大切な経営資源を生み出す源泉は、販売や営業の戦略によるものだからです。当たり前ですが…。

究極の究極な、中小企業の営業戦略は「営業しないこと」です。つまり喉から手が出るほど、欲しい商品を開発(あるいは仕入れ)してお客様から”わざわざ”来てくれるような、そんな戦略が理想です。

あくまでも理想論なので、現実で考えた場合、中小企業の営業・販売戦略を列挙しましょう。

1 取り扱う商品(サービス)の特徴(USP)を磨き上げ、高価格設定を実現すること

2 1社(少人数)依存型の販売・営業戦略を取らず、客数(取引会社数)をできるだけ増やしていくこと

3 リピートしてもらうような、丁寧な応対・接客を実現すること

4 お客様の情報をこまめに収集し、ワンツーワン・マーケーティングを実現すること

5 新商品や新開発商品を出した時、必ず情報提供して案内すること

6 常に”仕掛ける”こと。情報発信を常時できる体制を整えること

7 ビジュアル的な案内ツール(企業情報なども掲載)を用意して、”見せる”販売・営業を展開すること

最後に、営業力は「企業力」であり、営業スタッフの「人間力」であることも重要なファクターです。

トークを磨き、プレゼンテーションだけで完結させる販売・営業戦略は、いつか限界がきます。

ですので、細かい配慮や心配り、お客様が感動するような販売・営業戦略こそ、中小企業にふさわしいことを認識しましょう。

投稿日: 2021年4月30日 | 5:26 am

企業は利益を上げてナンボか…?

コロナ禍による経済情勢の厳しさに直面すると、企業経営の進化が問われる事態が到来します。経済情勢の厳しさとは、不況のことを言うのですが、まさに淘汰の時代到来といえるでしょう。

このご時世において、経営者の真価(進化とも言えますね)が問われる時でもあります。このブログで何度も訴えているのですが、経営とは「やり方」ではなく「あり方」が問われる人間の営みである…ということ。

つまり、企業は利益を上げてナンボ…という価値観は、どこかで躓く運命にあります。

企業経営は「世の中に価値をどれだけ投下したか?」が問われるのです。したがって、「価値を創ってナンボ」という価値観が正解です。

特に昨今のコロナ禍においては、消費者の感性が研ぎ澄まされます。本当に”いいもの(いいサービス)”を提供している企業(お店)かどうか?で、今後(これから)が決まっていくのです。

中小企業診断士として、現場を駆け回っているとまだまだ「企業は利益を上げて(儲けて)ナンボ」という価値観が横行しています。

利益というのは、「頑張った運営の結果現象」にしか過ぎなませんし、バロメーターにしか過ぎません。

常に「経営のあり方」を省みて、「お客様から選ばれる経営」をしているか?を検証することが重要なのです。

正しい経営(経営理念に向かってブレない経営)をしている会社は、結果として利益が上がっていく…ただそれだけのことです。

ただし、その年だけ利益を上げても一時的現象にしか過ぎない。利益を出し続けることが重要です。

投稿日: 2021年4月29日 | 11:37 am

選ばれる会社になるということ…。

コロナの第4波と言われる今日この頃ですが、永遠にこの状態が続くはずもなく、いずれ収束する状態になることは間違いありません。

企業経営においては(どんな商売もそうですが)、アフターコロナのことを予想し、様々な経営方針・戦略を講じる必要があります。

マストな方針として、「選ばれる企業(事業者)になる」ということが挙げられます。選ばれる?誰から?お客様から?と思われるかも知れません。

ここは順番があります。

まずは、自社の現在社員と未来社員からです。現在社員は、今在籍している社員。未来社員は、まだ見ぬ仲間たちのことです。アフターコロナにおいては、経営的逆風が予想されます(もちろん、業種によって相違はありますが)、

そして、労働人口の絶対的な現象は否めません。その時、社員から選ばれる様な経営的なオペレーションを展開しているか?が問われます。

次に、仕入れ先や外注先などの取引先から”選ばれる”ということです。取引先から「この会社と取引して良かった!」と言われる会社かどうか…。過度な供給を強いていないか?今一度振り返ってみてください。

最後に、お客様から”選ばれる”ということです。これは、本当の意味で「顧客(ファン、リピーター)」を大切にしているか?が問われるものです。

「また来るよ」と言ってもらえる様な、顧客満足度を高める戦略を実施してますか?

この3点を振り返ってみて、もし改善の余地があるのであれば、全社一丸となって「選ばれる企業づくり」に挑戦してくさい。

投稿日: 2021年4月26日 | 5:51 am

メンバーのモチベーションを上げる新商品開発

今日は新しくご縁のあったクライアント様で、新商品開発会議をご支援してきました。会議が始まった時は、メンバーの皆さんかなり緊張されていて、発言も少なかったです。

しかし会議が進むにつれ、考察と発言が促されていきました。

新商品開発会議のスタートは、目的の共有が重要です。というよりマストです。

商品開発が目的ではない。商品開発は戦略であり、打ち手であり、手段にしかすぎない。つまり目的は、自社のブランディング確立がということ。その先にある、”いい会社として躍進する”ことなのですから。

新商品開発のプロジェクトは、何度も支援を手がけてきましたが、中小企業診断士として実に高揚感あふれる愉しい仕事になります。

開発とマーケティングの戦略を同時に進めていく。これがとても重要なのです。せっかく良いモノが出来上がっても、世の中に受け入れられなければ、価値には変換できません。

逆に、マーケティング戦略は確立できていたとしても、高品質でなければ高価格・高付加価値は実現できないのです。

さあ、これから新しいクライアントでスタートした新しい商品開発のプロジェクト。どんな価値が生み出されるのか?これからしっかりと支援していきたいと思っています。

帰宅後、社長からいただいたメール「社員がとてもイキイキしてくれて、嬉しかった」とありました。

新商品開発は、いいことがたくさんあるプロジェクトです。今回も”まだ見ぬ新商品”を生み出し苦しみの先にある、確たる喜びを味わいたいと思っています。

投稿日: 2021年4月17日 | 12:03 am

経営コンサルティングの実態を広める!

今日の出来事です。経営コンサルティングは大変でしょう?と言われました。この「大変でしょう?」という意味は、ネガティブな志向を持っていたように感じました。

確かに、責任という意味では「経営コンサルティングは、大変な仕事」でしょう。しかし、この世に責任のない仕事など、ありませんよね。

おそらく彼は、プロの中小企業診断士が、経営の現場で何をしているか”分からない”が故の発言だったような気がしています。

断言しますが、経営コンサルティングは「実に愉しい仕事」です。僕は、今日の出来事を振り返りながら「中小企業経営における経営コンサルティングの実態」をもっと広げなければならない!と改めて感じました。

このブログで何度も主張していますが、経営コンサルティングは「価値と価値を掛け合わせて、新しい価値を創造する(その支援をする)」活動であるということです。

あのためには、あるとあらゆる知恵や情報、人脈や感性、感覚を駆使して「経営の実態に肉薄し、課題解決のための具体的な戦略を、伴走型で考察・立案」しなければなりません。

ですので、パッケージングされたコンサルティングサービスなどなく、全てハンドメイド(手作り)です。

定例顧問支援をしているクライアントが10社れば、10種類以上の課題が存在します。必ず。

以上と書いたのは、1社のクラインとが抱える課題は、1つ以上になるからです。要は、優先順位。優先順位を示しながら、クライアントに寄り添い解決の支援をすること。これが経営コンサルティングです。

投稿日: 2021年4月15日 | 11:01 pm

会議の意味を考えよう!

中小企業経営にとって、時間を考慮した運営はとても大切です。ですので、会議そのものの内容や意義を明確にして、時間の効率化を図っていきましょう。

よくある現象ですが、何のための会議か?を明確にしないと、会議そのものが迷走し、何の決定事項もないまま終了してしまうこと。

会議は、議論の場ですので”議論するための”準備”をしっかりとして臨みましょう。

単なる報告会ならば、メールや社内共有のデジタルツールを使えば済みます。

会議が多すぎるのはもちろん問題ですが、洗練された会議の種類と内容を決めていくことが重要です。

また、各種会議は大切な社員・幹部教育の場でもあります。何より、”発言できる雰囲気・空気感の演出”が重要なのです。

「考えて発言し、主体的に物事を考えることができる社員」を育てるためには、会議そのものを教育・育成の場とする。

中小企業経営の、会議あるあるをご紹介します。

①経営者の独壇場と化して、一方通行の伝達・説教の会になっている。

②準備も何もなく、議論する材料がない。

③プログラムが用意されておらず、何をしていいか分からない。

④圧迫型の会議になって、メンバーが萎縮し、発言が全くない。

⑤人数が多すぎて、議論が迷走し決定事項が定まらない。

他にもありますが、この辺で。

①〜⑤の会議は、中小企業の経営現場でよく見られる現象です。こんな会議は、やっても無駄!即刻中止して、生産性のある現場業務を遂行して方が会社のためです。

投稿日: 2021年4月14日 | 9:08 pm

本物の追求は零細ビジネスの基本

今日は終日、クライアントの社員研修でした。研修名は「事業家養成講座」というもの。約1年間のプログラムで、ビジネスモデルを作り上げる長期的な取り組みです。

研修は、企業内の事業家的思考力を養い、今後の基幹人材を育てようとする意図があります。

ビジネスを立ち上げ、収益化のシミュレーションを組み立てていきます。その中で、競合他社とどうやって渡り合うか?ブランディングの戦略をじっくりと考えなくてはなりません。

今日は第3回目のプログラム。企業や商品のブランディングについて、講義・考察しました。

研修生に気づいてほしいポイントの一つに、”ホンモノの追求がブランディングの基本”という考え方があります。

中小零細企業の経営の基本は、高品質戦略です。品質を追求し、できるだけお客様から”選ばれる”品物を揃える(創る)必要があります。

本物(ホンモノ)=高品質というロジックですから、高品質経営に特化することが重要なのです。低品質な商品は、高価格で勝負できません。高価格が高付加価値を実現しますから、中小零細企業は徹底的に品質にこだわるべきなのです。

何度も言いますが、中小企業は価格競争はタブーです。価格競争で大手競合企業に打ち勝つことはできません。

徹底徹尾、品質で勝負します。高品質にこだわり、高価格を設定し、高付加価値を成し遂げましょう。

これは、中小零細企業経営戦略の基本中の基本です。高品質経営が、オンリーワン経営に直結していくのです。

投稿日: 2021年4月7日 | 11:12 pm

中小企業におけるマーケティングの極意

マーケティング戦略と聞いて、ピンと来る人はどれだけいるでしょうか?マーケティング戦略を、フレームワーク(SWOTや VRIOなどの各種分析手法、5フォースモデルなどの考察手法)を用いた手法と考えていたら、本末転倒。正直に言って机上の空論と言えます。

まず押さえておきたいポイントは、大企業におけるマーケティング戦略と、中小企業のそれは根本的に違うということ。

大資本にものを言わせた、広告展開など中小企業にできるはずもありません。

では、中小企業におけるマーケティング戦略はどういうものでしょうか?

僕は、中小企業経営のマーケティング戦略の実際を「一人(一社)でも多くの顧客(ファン)を増やすための各種取り組み」と定義づけています。

大企業は、広域に一度にファンを増やす戦略を採ってきます。一方の中小企業は、地道なハンドメイド戦略で対抗します。

そしてその極意は、「ハイクオリティで口コミを誘発する戦略」だと心得ましょう。

中小企業のあるべきマーケティング戦略は、極力広告投資をしない戦略です。広告に費やす予算があるなら、品質を上げるための投資に予算を投じます。

インターネットの普及で、個人や事業者が媒体(広告手段)を所持できる時代になりました。この時代の流れに乗ることが大切です。潤沢な資金があるならまだしも、カネという経営資源にハンデがある中小企業は、知恵を絞ってマーケティング戦略を立案しましょう。

投稿日: 2021年4月5日 | 5:31 am