近代中小企業(Kin Chu)4月号発刊!

4月1日に、中小企業経営研究会『Kin Chu(近代中小企業)』が発刊されました。

1月号から執筆してきた連載「小さな会社が挑戦する新商品開発」の第4回です。

今回、取材させていただいた会社は、佐賀市内の元気企業「田島興産株式会社」。僕が心底惚れ込み、坂本光司先生もお連れした会社です。

ご縁があって、様々な方面からサポートさせていただいていますが、本当に素敵な会社です。

取り組み内容については、ぜひこちらの記事をご覧ください。

Kin Chu 4月号

 

投稿日: 2021年4月3日 | 9:05 pm

中小企業の新入社員研修

新入社員研修の季節になりました。コロナの影響で、オンラインによる研修も実施されていると思います。中小企業経営は人財が全て。縁があって入社してきた、新人スタッフを心を込めて育成していただきたいと、切に願います。

さて、中小企業診断士として、新入社員研修会の依頼を受けることがあります。

よくあるのが接遇研修というもの…です。いわゆる社員としての所作や挨拶などを教える研修。否定しませんが、オススメしません。

昔の話ですが、接遇研修を自称得とするコンサルタントと一緒に仕事をいていましたが、新入社員研修=接遇研修と混同していたような(女性)コンサルタントでした。

中小企業の新入社員研修のあるべき姿は、「オリジナルプログラム」による研修です。

なぜならば、新入社員こそ「経営理念」を徹底的に教え込む研修であるべきだからです。

経済団体などが展開している、合同新入社員研修会では「所属企業の経営理念の意味」など教えることは不可能。

接遇も大切ですが、全体プログラムの中の一部として組み込むべきでしょう。

また、圧迫型・過大負荷型の研修会はもはや時代遅れ。「あんたたち、甘えなさんな!」と怒鳴るインストラクター(コンサルタント)などもはや化石です。

研修も「愉しく、リラックスして、真剣に」学べる工夫とプログラムを、オリジナルで立案ましょう。

できれば、1年間くらいのカリキュラムを組んで、じっくりと育成することが望ましいと言えます。

投稿日: 2021年4月2日 | 7:50 pm

中小企業が売上を伸ばす方法

中小零細企業が売上を伸ばす方法…。相談内容として、かなり多く聞く質問です。正直言って、「そんな方法があったら、魔法だぜ!」って開き直りたくなりますが、そこはプロとして論理的にお答えしなければならないでしょう。

間違っても、価格を安くするとか、広告投資をしましょうとかいうコンサルタントのアドバイスを、真に受けてはいけませんよ。

中小企業診断士のアドバイスは違います。

このブログでも再三主張していることです。売上には公式があります。

様々な分解公式がりますが、マーケティングを考えたとき「売上=客数×客単価」という公式を使います。

売上を上げる方法は、3パターンしかありません。ひとつは、「客数はそのままで、客単価を増やす」。ひとつは「客数を増やし、客単価はそのまま」。最後に「客数も、客単価も増やす」。この3パターンです。

以前、知っている自称コンサルタントが「両方増やすことです!」と断言していましたが、はっきり言って理想論です。

そこで、まず何を増やすか?ですが、明らかに客数ということが言えます。理由は…名言できますが、あえてここでは避けましょう。長きなりますので。

ご興味がある方は、ぜひ僕のメルマガ(無料)をご講読ください。

売上は、大切な経営資源「カネ」の源泉です。売上を上げて、利益を上げ、経費や投資に回していく。これが商売の基本です。

中には、補助金を大切な収入源として、補助金申請ばかりに興じている経営者がいまが、早く商売を畳んだ方が無難でしょうね。

投稿日: 2021年4月1日 | 5:05 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【50】

【中小企業診断士を志す仲間へのメッセージ−2】

今や人気国家資格のトップ争いをするほどになった、中小企業診断士。毎年数万人の人がチャレンジし、1000人ほどが第二次試験をパスして口述試験に進んでいます。

第一次試験と第二次試験をパスする確率は、単純計算で4%ほどです。つまり100人がチャレンジして、4人の合格という狭き門なのです。しかも、この資格は(どんな資格もそうですが…)取得してからが勝負。

中小企業診断士は肩書に過ぎず、職業は経営コンサルタントなのです。

この世界は、様々なタイプのコンサルタントが、玉石混交で存在しています。その数10万人とも言われているのです。中小企業診断士の数は、約2万人ほど。独立してフィールドで活動している診断士は、1万人くらいではないでしょうか?

我々国家資格ホルダーは、気概と覚悟と誇りを持ってミッションに当たることが重要です。

そして、中小企業診断士は「喜ばれる」「稼げる」「愉しい」仕事であるということ。現場で活動している僕の、率直で嘘偽りのない感想です。

もし、このメッセージに刮目し、中小企業診断士を取得することができた仲間がいたならば、ぜひ独立して現場でコンサルティングを提供してほしい…と切に願っています。

困っている中小企業は無限にあります。課題も無限にあります。中小企業診断士の活動フィールドもまた、無限です。

志高い、中小企業診断士の仲間たちへの熱いメッセージを送って、このシリーズを終わりたいと思います。

投稿日: 2021年3月31日 | 5:56 am

性善説?性悪説?

中小企業経営の現場で、支援活動をしているとき、経営者から「性善説か?性悪説か?」と聞かれる時があります。これまで幾度となく、その議論をする場面に遭遇しましたが、あくまでも傾向としてですが、「社員は性悪説に基づく」という認識をされている経営者が多い気がします。

つまり、性悪説に基づいてマネジメントをしないと、社員は「楽をして、仕事をしなくなる」というもの。

あの未来工業の創業者、故・山田昭男氏も書籍の中で「僕は性悪説」と言われていました。しかし、山田氏の発言や書籍を、深く読み込むと、性善説に基づいて、社員を大切にする「愛情溢れた」経営をなさっていたことが、よく分かるものです。

最近、僕が行き着いた結論は、「性善説や性悪説」というものは「経営の環境や社風」によって左右されるということです。理想は性善説に基づいて、社員が自発的に仕事に邁進していくです。

結果として、経営者はマネジメント自体も楽になり、次の一手を考えることができるようになるからです。

これもあくまでも傾向ですが、性悪説に基づいたマネジメントは、社員の成長を阻害していきます。

そして、性悪説マネジメントを実行している中小企業が圧倒的に多い。

会社というのは、社会で最後の教育機関です。人間は一生学んでいく動物だと思います。

企業としては、社員は自発的・自主的・自律的に考え、行動していくような社風と仕組みを作ること。そしてこれが経営の最大の仕事なのだと、確信しています。

投稿日: 2021年3月30日 | 5:47 am

価格競争市場をどう捉えるか?

中小企業で取り扱う商品が、価格競争市場になったと思うときがあります。特に卸業や小売業に見られる現象です。

中小企業経営戦略の最大の大ブーは、価格競争であることは、このブログで再三訴えきました。この主張に変わりはありません。

資本力で劣る中小企業に、価格競争で打ち勝つことなど、不可能だからです。中小企業経営戦略の基本的な考え方は、「差別化=オンリーワン」戦略です。

ですので、我が社の商品が価格競争市場になってきたと思う兆候があったときは、速やかに差別化ポイント(独自のウリ=USP)を探索する必要があります。もちろん、探索というより「創造:しても構いません。

本当に価格競争を避けられない市場であったとき、その市場からは残念ながら撤退を考える必要があります。

これは、覚悟と勇気が必要な決断と言えます。問題はそのタイミングです。すでに、価格競争の真っ只中にあり、大手企業の攻勢に晒されているときは、すでにタイミングを逸した場合が多い。

新規事業や新商品開発戦略は、一筋縄では成立しない中長期的な戦略です。

ですので時流を読み、価格戦略に陥るようであれば、次の一手を考案し備えておく必要があります。

価格競争、中小企業経営の根幹である「高付加価値経営」の実現を著しく阻害します。粗利を稼ぐことができなければ、固定費や投資額がなくなっていきます。

つまり、戦略を立案し実行するという”打ち手”がなくなっていくのです。

次々と繰り出す(仕掛ける)経営戦略は、中小企業経営の基本です。そのため、価格競争市場には、特に敏感にアンテナを貼っておく必要があるのです。

投稿日: 2021年3月29日 | 6:01 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【49】

【中小企業診断士を志す仲間へのメッセージ−1】

数ある士業の中で、中小企業診断士は特異な国家資格であると言えましょう。独占業務はなく、名称独占の資格であるにもかかわらず、支援は非常に難しい。

試験範囲も非常に広域で、つかみ所がありません。勉強の方法も、特に2次試験などはセンスを問われます。ある意味正解のない答え(模範解答はあります)を導き出して、採点されます。

近年は、大学院をはじめ様々な機関が養成課程を開設し、2次試験を免除できるコースとして受験生を募っています。

ちなみに僕は、法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科(通称イノマネ)MBA特別プログラム(通称M特)第1期生です。

法政大学経営大学院の門をたたき、学んだことは僕の誇りであり、財産となっています。2次試験に挑戦するのもいいですが、チャンスがあれば大学院で学ぶのも大いに価値があります。

中小企業診断士2次試験は、事例をもとにロジックに基づいて、回答を記述していきます。事例の中の情報からはみ出すような、奇抜な解答はタブーとされます。

しかし、実務社会においては奇抜な経営戦略を立案し、実行する場合が往々にしてあります。

いやむしろ、尖った戦略の方が成果を期待できる場合があるのも事実です。

ですので、2次試験の事例問題のような経営課題にぶつかった時もオリジナル性に富んだ戦略が期待されます。

中小企業診断士は、クリエイティブな仕事です。戦略自体をクリエイトできる診断士を目指しましょう。

クライアントの制約条件を目一杯活用し、あらゆる知恵(叡智)を研ぎ澄ませた経営戦略を考案してください。

 

投稿日: 2021年3月24日 | 5:23 am

点でなく線でなく、面で戦う経営戦略

経営戦略の基本的な考え方は、総合的な視野や考察をしていくことです。例えば、個人でなくチームで、一つの商品でなく複数商品で、など…。

つまり依存度を高めていくと、うまく行かなかった時のリスクが大きいのです。

また、短期的視野よりも中長期的視野に基づいた立案をしなければなりません。まさに、点でなく線でもなく、面で立案する思考が求められるのです。

中小企業経営の現場を達観してみると、経営戦略のリスクを感じてしまう場面が多々あります。

短絡的な経営戦略は、リスクが大きい。もちろんリスクなき施策に成功もありません。ただ、乾坤一擲という場面の経営戦略においても、様々な角度からのシミュレーションが重要なのです。

金融機関からの融資政策も、同じ考え方が成り立ちます。借入も多面的に検証が必要です。闇雲に「資金繰りが厳しくなったから」と言った理由で借りてしまうと、非常に危険です。

財務戦略も多面的に検証し、考察しましょう。資金繰りの悪化は、経営の体力を著しく奪っていきます。

人財育成や採用戦略も同様です。

不足しているからとか、今足りないからとかいう理由で採用してしまうとリスクが大きい。中長期的な視野で計画した採用・育成プランに基づいて、戦略を立案・実施します。

中小企業の各種経営戦略は、短期・思いつき・行き当たりばったりは絶対にタブーです。取り返しのつかない失敗を回避するためにも、多面的に考察し、実行していきましょう。

投稿日: 2021年3月23日 | 5:41 am

経営パートナーはよく吟味して…

経営者は孤独である…よく言われる言葉ですよね。僕も、小さなコンサルオフィスを運営していますが、元々一人での経営ですので、孤独を感じることはあまりありません。

というより、様々な提携者(パートナー)とのご縁に恵まれていると思っています。

経営者にとってのパートナーは、よく吟味してセレクトすべし!と考えています。経営(商売)をしていると、実に様々な方々が、様々なことを提言してきます。しかし、そのほとんどが実態を知らずに言う”テキトー”な場合が多い。

そのため、その意見に翻弄され、経営戦略がブレまくる場合が多いです。経営パートナーとのセレクトは、「経営理念・企業理念」とのマッチングで判断する方がいい。

その理念に共感してもらっているか?アドバイスは、理念に反していないか?つまり、価値観への共感ということです。

間違っても、「そうした方が得だよ。」とか「そうすればもっと儲かるよ。」などといった損得判断に基づいたアドバイスは、受け入れないようにしましょう。何度も訴えていますが、経営は損得判断では失敗します。

経営判断は、善悪判断。目的(経営理念)にマッチしているか?で判断すべきです。

経営者には様々なアドバイザーが必要です。その典型例が士業(税理士や弁護士、社労士や診断士など)だと言えましょう。

士業の価値観も多様です。考え方に大きな違いがあります。

自分の価値観(経営理念)をよく理解して支援してくれる、士業専門家をセレクトしてください。

投稿日: 2021年3月22日 | 5:41 am

賞与(ボーナス)支給の考え方

賞与というのは、特段法律で定められているわけではない報酬です。しかし慣行によって、賞与を支給している会社が多い現状があります。給与と言うのは社員にとって、生活の糧です。ですので、少しで経済的に豊かな生活を送れるよう賞与を支給することは、個人的に推奨します。

ですが、せっかく用意した賞与が、社員の不満になったとしたらどうでしょう。経営者側からは、せっかく用意した賞与に不満を持たれると心外です。また社員側からすると、「この額?」などと不満を持つことは不幸です。

賞与に関して不満が発生する要因は、大きく3点あります。

①  賞与自体の金額が極端に少ない。同業他社や同規模企業と比較して、極端に少ない賞与は不満につながります。ただし、経営を考えた時、業績結果によって少ない額となってしまう事態も考えられます。その場合は、経営者自ら説明機会を設けてモチベーションケアを実施しましょう。

②  賞与自体の算出根拠がない。いわゆる経営者の”鉛筆ナメナメ”で決める賞与額は、不満を招きやすい。原資が限られている中小企業経営においては、ロジックに基づいた算出式を決めておきましょう。

③  経営者(幹部)自ら、面談をしながら支給する。賞与支給のタイミングは、個人面談をして日頃の就労を労い、双方向のコミュニケーションを実施するいい機会です。これがないと、不満を招きやすいです。

3月は年度末です。3月決算の企業においては、決算賞与を検討される経営者も多いでしょう。

賞与という法定外の報酬を、ぜひES向上に役立てていただきたいと思います。

投稿日: 2021年3月16日 | 10:08 pm