業績を目的としない中小企業経営

社会貢献だとか、お客様の幸せの支援だとか…美しい言葉をいくら並べてみても、実際のオペレーションでは違うことを戦略実行している。そんな企業が、あまりにも多いと思います。

前職は会計事務所ですが、立派な理念を掲げても「会計報告と税務調査対策」から抜け出せないそうした企業の経営目的は、実のところ「儲けること」になっている場合が多い。ゼニカネの勘定だけで、経営の意思決定をしていく会社…。そんな会社は早晩辻褄が合わなくなり、様々な歪みが生じてくることを認識すべきです。

経営の目的は、「経営理念の実現」に他なりません。また、この世の中にある、ありとあらゆる事業者の商売の目的は「関わる人の幸せの実現」です。

商売は実のところ、「お客様を幸せにすること」です。

売っているものや手段が違うだけ。行き着くところは、お客様に幸せを与え、お金をいただく…。これを商売というのです。

単年度の事業計画書は、「事業を通じて、関わる全ての人の幸せ実現」を見える化したもの。1年を通じて、理想とする会社に一歩近づくための指南書です。

各種経営戦略は、「幸せを実現するための」実行案と実行計画のことです。

したがって、その方向性は全てが「経営理念」に沿っているか…この1点を軸に構想していく必要があります。

上場企業なら「株主の配当」などが問われるでしょう。中小企業経営は違います。業績はあくまでも結果現象。

今日も佐賀市内のクライアントで終日プロジェクト会議でしたが、会議の席で改めて確認することができました。

PS. 前職は会計事務所ですが、立派な理念を掲げても「会計報告と税務調査対策」から抜け出せない…どうにかならないかと思いますね。

投稿日: 2021年2月22日 | 7:48 pm

コンサルティングが効果を発揮しない時…

五現主義(現場、現物、現実、現時、現金)を貫き、現地にて実戦的な経営コンサルティングを実施していても、一向に効果が現れない場合があります。様々な原因が考えられますが、経験上、経営革新施策(イノベーティブ・オペレーション)が決定されたのに、実行者(経営者や幹部)が履行しないということが多いです。

つまり、コンサルティングの施策実行が進まず、イノベーションを引き起こさないという点です。また、稀にですが会議で散々議論して決定された経営戦略を、ひっくり返してしまう現象。俗に「ちゃぶ台返し」というものです。

経営コンサルティングは、ただの話し合いや会議、打ち合わせだけではありません。革新施策を立案し、実行し、検証し、改善する行為なのです。

あまりにも、クライアント側が革新施策を履行されないときには、コンサルティングを即座に終了する方がベストです。何より、コストと時間と労力の無駄になります。

先日もありました。大切なクライアント様ですから、まだまだご支援したいとは思っているのですが…。

お店のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)を次回会議(1ヶ月後)までに実行すること、店内の4S(整理・整頓・清掃・清潔)を実施すること…などを決めたのに…。実行していない。実行させれていないコンサルタントの腕なのでしょうね(笑)。

速やかにコンサルティング支援を終了したくなりますが、町医者型・中小企業診断士としては、なかなか突き放すことができない…。とても悩ましいところです。

投稿日: 2021年2月17日 | 6:16 am

経営方針書(単年度経営計画書)の価値を考える

今日は福岡市内で、経営方針書を策定する支援をしてきます。かれこれ5年間に渡ってお手伝いしている、躍進企業です。経営方針書は、1年間に及ぶ経営戦略を見える化した重要な経営指針書です。しかし、支援している会社における経営方針書は、半期(半年)に一度策定しています。

今日日、1年間というのは経営環境がドラスティックに変化します。経営は、環境に適応する柔軟性が求められます。そこで半年に一度の戦略策定を実施しているのです。また、そのクライアント様はリーダー以上が会して(今年はコロナで分割開催)、グループワークを取り入れてお互いに刺激しあいながら、ボトムアップ型で戦略立案、策定していきます。

今日から一泊二日。明日までじっくりと取り組む、この経営方針書策定会議を、毎回楽しみにしているのです。

自分の店舗(部署)の課題に真剣に向き合い、課題を解決して、一歩成長していく…。そのための指針書です。よく聞かれるのが、目標は高ければ高い方がいいのでしょうか?という質問。

経営というのは「3歩進んで2歩下がる…やっと一歩進む」ものです。今よりも一歩進めれば上等!成長した証です。

ですので、できる範囲で、無理なき実行戦略を考案することが大切。

さらにいうと、トップダウン型の経営方針書はあまり意味がありません。リーダーが存在している企業においてはなおさら。リーダーが自主的に考え。自立(自律)して戦略考案する…これが理想です。何より、考案した戦略へのコミットメント・モチベーションが違います。

投稿日: 2021年2月16日 | 6:05 am

いい仕事をするための多彩な趣味

独立開業してつくづく良かったと思うことの一つに、自由に仕事を設計できて、スケジューリングできる点があります。サラリーマン時代の煩わしい会議や、日報執筆などのストレスからは解放され、クライアントでの仕事が終わったらさっさと帰宅して、趣味を堪能する時間に当てています。

僕のブログでも再三主張していることですが、経営コンサルタントが対峙する相手は、中小企業経営者です。経営者は、ある意味”人生の達人”だと思っています。人生の達人とは、僕の中では「仕事もプライベートも精一杯愉しんで生きている人」と位置付けています。

であるならば、対峙して提案し、サポートすることがミッションである経営コンサルタント(中小企業診断士)も”人生の達人”であるべきでしょう。サラリーマンをしていた頃、「私は有給休暇など使ったことがない。」と自慢していた上司がいましたが、はっきり言って何の自慢にもなりません。

今日日そのような輩は、「もったいない生き方だね。」と言われてしまい、何の評価を受けることもありません。

ちなみに僕は、多彩な趣味の持ち主です。今日も仕事が終わり、18時から約1時間。空手道場で汗を流しました。趣味については、具体的には割愛しますが、プロとしてオンとオフの切替えは絶対に大切です。

愉しく生きている人でないと、クライアントを愉しく元気にすることなどできません。

暗くマイナス思考でネガティブな経営コンサルタントは、絶対に仕事を確保することはないでしょう。

いい仕事をするためにいい趣味を。趣味を思い切り愉しむためにいい仕事を…そんな人生を歩みたいですよね。

投稿日: 2021年2月15日 | 11:35 pm

商品開発は実証実験と検証によって裏付けする。

先日、僕の大切な支援先(クライアント様)にて、新商品開発会議をお手伝いしてきました。新商品開発は、中小企業にとって経営のイノベーションを誘発する有効な戦略です。

今回取り組んでいるのは、これからの社運をかけた事業。ある飲料を開発しているのですが、企業秘密なのが惜しい。完成したらこのブログで、絶対に紹介します。

さて、新商品開発に関しては僕も書籍(中小企業が挑戦する新商品開発)を執筆し、電子図書として出版していますが、開発段階においての意思決定は、実証実験が不可欠です。

今回も実証実験により、商品のベースとなる原料を議論して決定しました。

商品のプロトタイプ(試作品)は、完成物にできるだけ近づける必要があります。

コンサルティングの本分は、「五感を研ぎ澄ませ、五感を使った現場密着支援」です。経営コンサルタントや、中小企業診断士の中には机上の空論で結論を導き出そうとする輩もいます。残念ですが、中小企業診断士であるならば「自らの目で見て、耳で聞いて、匂いを嗅いで、舌で味わって、手で指で触ってみて」判断し、経験による想定値を提案することが大切です。

マーケティングの理論や、経営戦略立案のためのフレームワークは各種ありますが、最も大切なのはコンサルタントの五感であること。

五感と経験から導き出される結論を、体系的に戦略構築するためにフレームワークを使用するだけです。

新商品開発を含めてコンサルティングの現場では、徹底した事実確認と、実証実験とコンサルタントの経験値から導き出した答えを、自信を持ってクライアントに提案・助言していきましょう。

投稿日: 2021年2月12日 | 10:07 pm

経営者の悩み解決に寄り添い、貢献する…

今日は、あるクライアント様に終日赴き、午前中は首脳(役員)会議、午後は幹部による経営方針会議に参画し支援してまいりました。会議後、社長から、「会社も社員も良い方向に変わりつつある。自分も、今まで悩むことが多かったが先生(小生のことです)とのご縁で、自分のミッション(社員を幸せにすること)が分かり、自信になっている。」と嬉しい言葉をいただきました。

このクライアント様には、関与して約1年になりますが、社員と組織(チーム)の主体性が明らかに変わっていっています。自ら考え、提案する組織。課題意識が高い組織に変貌しつつあるのです。

何より、経営者(社長)が「社員を幸せにすること」がミッションだと気付いてくれ、それを実践実行してくれていることが嬉しい。中小企業診断士、経営コンサルタントとしてこんなに嬉しい言葉はありません。

コンサルタントの中には、「私が関わって業績がV字回復!」とか「コンサルティングで昨対150%の売上・利益を達成!」などとホームページ上で宣う輩がいますが、なんとチープで幼稚な表現だといつも呆れます。業績の達成や回復は、間違いなく100%クライアントの功績です。

経営者からの感謝のお言葉は、ありがたく受け止めるべきですが、コンサルタントはクライアント様を「いい会社」にするために存在することを忘れてはならない。いい会社になった(あるいは近づいた)結果が業績なのですから。

志の高い経営者であればあるほど、課題意識が高く、お悩みが多い現状です。

中小企業診断士であれば、その悩みに寄り添い、不安を取り除き、自信を深めてもらうような親身のある支援を心がけたいですね。

投稿日: 2021年2月10日 | 10:41 pm

『燃える人事考課制度』のメカニズムー15

【評価基準の制定方法−3 評価文言の考察方法】

評価基準は6段階で制定する方が、人事考課制度を策定する際にはベターです。人事考課制度は、成長プロセスを明文化して、メンバー(社員・幹部)のモチベーションを上げることが目的だからです。成長プロセスは、4段階では短すぎ、8段階では長すぎます。そこで最も最適なステップ数が6段階なのです。

人事考課をする際の評価基準文言は、具体的にその”姿”がイメージできるように考察していきます。このプロセスは、とても根気とエネルギーが必要な作業となります。実際に僕は、プロジェクトチームを編成して「燃える人事考課制度」を策定する支援を展開していきますが、評価基準文言の策定考察が最も時間を費やします。

それほど時間をかけて、文言(フレーズ)を策定しなければならないほど、このタスクは大変重要です。

また、1から6に向かう段階で、その成長難易度がグラデーションになっていなければならない。そこに難しさが存在するのです。

考察策定のコツを教えましょう。

まず最高の状態(6)がどんな状態か…策定します。出現率はかなり低い。10%未満でしょう。その次に最低の状態(1)の状態を策定します。これも10%未満の出現率。それから5→2→4→3(出現率それぞれ20%)のそれぞれの状態を考察策定していきます。

評価文言は、「燃える人事考課制度」の根幹をなす考え方であり、使える人事考課制度として機能するための重要なファクターです。ぜひ時間をかけて考察策定してください。

投稿日: 2021年2月9日 | 9:25 pm

販管費(販売費および一般管理費)における人件費の考え方

一般的に固定費として位置付けられる「販管費(販売費および一般管理費)」ですが、中でも多くのシェアを占めるのが人件費と呼ばれるものです。人材にまつわる経費のことですが、詳細にいうと「役員報酬」「給与手当」「法定福利費」「福利厚生費」「退職金」などです。

この人件費の位置付けですが、削減可能な現在経費として捉えている経営者が未だに多いことに驚かされます。人件費の削減を、悪い言い方をすれば「リストラ」と言います。これは大企業的な考え方。経営資源が豊富な大企業は、多少のマンパワーの減少を設備や情報、そして採用活動で補うことができます。

一方の中小企業経営では、考え方を180度変えないと大変な事態になります。優秀な人財の流出は、中小企業の経営体力を急速に奪っていくからです。

また、業績の悪化を利益捻出のために、すぐに「人件費を削りましょう!」と提案するコンサルタントもいるから困ったものです。はっきり言いますが、コストカッター型経営コンサルタントは付き合わない方がいい。経営者の役員報酬ならまだしも、一般社員・メンバーの人件費は、経営の聖域であると位置付けましょう。

つまり、人件費は「投資型の未来経費」として、削減のプライオリティ(優先順位)から外すことです。

誇りある経営者、経営コンサルタントであるならば、会社の価値を上げて、増収・増益のための知恵を出し、戦略実行すべきです。または、他経費を見直す。例えば、地代家賃や水道光熱費、接待交際費や消耗品費など…。もちろん限度があります。

限界があるから、最もインパクトのある人件費を削減する方策を考えがちになるのです。

経営者の皆様、人件費削減を真っ先に提案するコンサルタントとは、付き合わない方がベターです。

投稿日: 2021年2月8日 | 6:00 am

会計事務所(税理士事務所)のARIKATA考察

会計事務所出身の経営コンサルタントとして、業界の今後には特に注目しているつもりでいます。会計事務所自体は、経理代行や月次決算報告、決算申告書の作成だけで存続できる時代ではなくなりました。それは、もう10年以上前から言われている現象であり、今後は AIの発達とともに加速していきます。確実に!

先日も、危機感を覚える様な事態を経験しました。会計事務所は、二つの帰路に立たされていると思います。ひとつは完全なロープライスで経理代行を継続し、従来の業務を維持する方向性。ふたつめは、高付加価値化に取り組み、高価格で顧問契約する方向性です。当然、理想はふたつめでしょう。

それには、顧問先の総合的なコンサルティングができる体制づくりが必要です。

しかし、その道は険しく、組織的に構築するのは至難の技です。言えることは、旧態依然とした考え方やオペレーションでは、絶対にできないということ。

そして何より大切なのは、顧問先から経理や決算以外の相談を受けて、それに真摯に向き合うことが大切です。絶対に言ってはいけないことは、「それは専門外だからできません。」とか「我が社の方針で月次報告は短時間で終わらせる様に言われています。」などなど。

中小企業の経営者は、須く相談相手を求めています。最も身近な相談相手は、会計事務所ではないでしょうか?

会計事務所経営の目的は?何…?

「決算書・申告書を作ること?」「月次試算表の納品と報告?」「税の相談と対応?」すべてが手段にしか過ぎない。

顧問先企業の未来の繁栄!これこそが会計事務所の存在意義でしょう!

投稿日: 2021年2月5日 | 11:14 pm

魅惑のダマスクローズー4

バラにまつわるオリジナル商品開発・製造販売を手がける株式会社ローズテラス 。毎年この時期に発売される、超人気商品があります。商品名は「ノーベルガナッシュ」と言います。

ベルギーの最高級ミルクチョコレート「カレボー」に、スウェーデン 王室御用達の北欧紅茶「セーデルブレンド」を練り込んだ、と〜っても贅沢なチョコレートです。1月の発売開始当日に即完売。2月に追加発注されていますが、即予約完売しました。

手作りのため数に限りがある、まさに至高の幻チョコです!

今回は特別にひとつ譲っていただきましたので、食してみました。笑

とろける様な食感はもちろんですが、全くしつこくない、あっさりとした爽やかなホワイトチョコ。紅茶の風味がしっかりと味わえます。

本当に美味しい。こんなチョコレートは初めて食べました。笑

食べたら思わず(大人が)笑顔になるチョコという感じです。紅茶にと一緒に楽しんでもいいですが、ワインのおつまみにもいいです。

僕はアウトロー的に、辛口の吟醸日本酒とともに味わいました。これも美味しいですよ!

ローズテラス は、企業理念を「幸せな時間の提案」としています。理念に徹底してマッチさせた商品の開発には、一切の妥協がありません。だからこそ、ファンが離れない。今この瞬間においても、素晴らしい商品の数々が誕生を待っているのです。

ローズテラス

〒840-0804  佐賀市神野東4丁目12-10  TEL 0952-30-7118

rose-terrace.co.jp

 

 

投稿日: 2021年2月4日 | 5:51 am