経済雑誌「Kin Chu」2月号の発刊にあたって…。

本日2月1日。会員向け経済雑誌「Kin Chu(近代中小企業)」の2021年2月号が発刊されました。1月号からの連載企画「小さな会社が挑戦する新商品開発」の第2回原稿が掲載されています。思い出せば、昨年の6月頃に発行元「中小企業経営研究会」からお話をいただき、9月号に「コロナに負けない中小企業の取り組み」を執筆する機会をもらったことがきっかけです。

中小企業診断士として活動する時、ジャーナリズムへのアプローチはある意味必須条件であると考えています。ブログ内での自らの「主義主張」の発信、メルマガでの価値観の訴求など…。中小企業経営の”あるべき姿”を研究していく立場として、アウトプットを設置することは大切な取り組みだと信じています。

今回の記事内容は、熊本のクライアント「株式会社あんらく」の安樂社長に協力いただき、企画開発商品「コナイくん」の誕生秘話を取材・執筆させていただきました。

コナイくんについては、このブログでも何度も紹介しています。防犯・鳥獣害対策器具「コナイくん」は、安樂社長の長年の構想と努力の末、誕生したスグレモノです。記事をぜひご講読ください。

以下ダウンロードできます!

「Kin Chu」2月号原稿【新商品開発】

 

発行元情報はこちらです!

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「近代中小企業」
発行:中小企業経営研究会
https://www.kinchu.jp
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投稿日: 2021年2月1日 | 6:26 am

中小企業経営にまつわるフランチャイズ戦略

このご時世、自ら起業して新しい価値を社会に投下して対価を得ようとする人たちが、増加していくものと考えています。つまり長いコロナ禍により、しばらく日本経済はでの景気に見舞われるでしょう。その時、雇用されないなら起業して商売を…と思い立つ人が現れるのも自然な話だと思います。

中小企業診断士という立場から、起業そのものは心から応援しています。実際に僕も起業しましたから。

しかし、起業そのものは難しいことではありません。「起業を軌道化すること」が難しいのです。すなわち、事業を継続していくことです。

さて、フランチャイズ経営という分野があります。本部(フランチャイザー)からノウハウを教授して、その対価を支払いながら商売をする形態です。

コンビニエンスストアや飲食店、カフェなどに多い事業形態です。最大のメリットは、本部からのノウハウを提供してもらうことによる、時間の短縮でしょう。

安易に始めたフランチャイズ事業が軌道化できずに、早々と閉めてしまったというケーズは数知れません。

結構な確率で散見される事象として、本部が出した甘めのデータを信じてフランチャイジー契約したが、思うように売上が伸びないとう現象…。

フランチャイズ型経営はの最大のデメリットは、各種独自戦略が制約されている、あるいは全く不可能であるということです。中小企業経営は、オンリーワン戦略をどう立案するか?がその成否を分けます。

フランチャイジーとして経営する時は、戦略に足枷手枷をつけられることを覚悟することです。

現在多くのフランチャイズ本部が展開している事業に、フランチャイジー(加盟店)として契約する際は、十分な事前調査と覚悟と、十分な財力を持って望むようにしましょう。

投稿日: 2021年1月28日 | 6:45 am

粗利益(売上総利益)は中小企業経営指標の根幹である!

企業ブランディングを探求するプロとして、ここ最近行き着いた経営指標に関する結論があります。

数ある経営指標のうち、もっとも重要な指標であるのが粗利益(売上総利益)であろうという考えです。

売上から売上原価を引いた数値が粗利益です。そして粗利益を売上で割り、パーセンテージ表示した数値が粗利益率と呼ばれます。

※売上総利益ともいいます。建設業や建築業では、限界利益という言い方もしますが、ここではその違いは割愛します。

粗利益率は、企業ブランディングを評価する上でとても有意義な指標です。基本的には、粗利益率が高いとブランディングが高まっていると判断します。しかし、高ければ高いほどいいというものではない。ここが難しいところです。

つまり、原価には適正原価というものがあり、原価を下げると当然、粗利益が高まるのですが、下げた原価は”品質(クオリティ)”に跳ね返ってきます。

何度も言いますが、ブランディングの基本戦略は「高品質・高価格・高付加価値」ですから。お客様に感動されるような品質を実現できる適正原価を、実現・提供できるかで粗利益率を測定することが重要です。

よく、会計事務所が営業利益を上げるために、販管費(固定費とよばるいわゆる経費)を下げることばかり提言しますが、これは確実に限界があります。人件費などはもってのほか!

まずは、「適正原価を測定し、適正原価をギリギリまで低減させ、粗利益を最大化する経営戦略」が大切なのです。

全社を挙げて、ブランディングに取り組んでいく経営戦略が望まれる中小企業経営にとって、粗利益がもっとも注視すべき経営指標であることは間違いないようです。

投稿日: 2021年1月27日 | 6:14 am

『燃える人事考課制度』のメカニズムー14

【評価基準の制定方法−2 6段階評価の意義】

「燃える人事考課制度」では、何よりもメンバー(被考課者:評価されるスタッフ)のモチベーションを重視します。したがって、偶数評価で設定します。よく目にするのが、5段階での評価です。これは、「中心化傾向」という望ましくない現象を招きます。

つまり、1〜5の5段階評価の3をつけてしまう現象です。人事考課というものは、本当に手間がかかり、時間も要する負荷のかかる仕事です。なぜなら、評価ひとつでメンバーの人生を左右することになりかねないからです。

手間がかかるだけに、考課者(経営者や幹部などの評価を担うメンバー)の神経はすり減らされるほどエネルギーを消費するものです。

人間のモチベーションは、「中心よりも上、中心よりも下」という結果で大きく変わっていきます。ですので、評価自体は偶数にすべきなのです。4段階でもいいのですが、経験上少ないです。8段階は多すぎて、評価基準の設定が非常に困難になります。

最もベターなのは、6段階により評価基準の設定です。S、A、B、C、D、Eの6段階評価。

特評価Sをつけることができるメンバーは、非常に出現率が低い基準を設定します。低評価Eも同様です。出現率が低いといっても、絶対に現れないような評価基準はナンセンスです。

時々、このような評価人材は絶対に出現しないでしょう…といった基準を設定されている文言を見ますが、かえってメンバーのモチベーションは下がります。なぜなら、到底到達できない基準だからです。

ゆえに、評価基準は6がもっとも理にかなった段階と言えるのです。

投稿日: 2021年1月26日 | 6:43 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【47】

【中小企業診断士のプライベート考察】

中小企業診断士は、中小零細企業の経営者・幹部・メンバーと人間的に真っ向から向き合う仕事です。このブログでも何度も主張していることですが、”人生を愉しんでいる診断士”でないと、向き合うことができないと心得ましょう。

そして、余暇(プライベート)をいかに過ごしているか…という命題も実に大切なファクターです。

四六時中、仕事(中小企業経営コンサルティング)のことを考えること。これは、全くお勧めしません。学者型の思考も必要ありません。

仕事と離れた、心からリフレッシュできる趣味(プライベート)を持つことが重要です。

かくいう僕も、多趣味を自負するほど、余暇を心から愉しんでいます。

ちなみに、僕の趣味の数々です。

空手(和道流)、アウトドア(バーベキューや野外活動)、カヌー(シーカヤック)、釣り(ローコストフィッシング)、読書(主に小説、漫画 ビジスネ書はほとんど読まない 笑)、ギター(弾き語り)、映画観賞(冒険もの、ファンタジー)、ひとりドライブ、お酒(日本酒)、etc.

これから挑戦したい趣味…ヨット操船(船舶2球免許取得を目指します)、カヤックフィッシング、小説執筆、etc.

全く時間が足りないくらい、愉しみがありすぎます。もちろん、僕のような多趣味が中小企業診断士のコンサルティング技能を直接磨くものではありません。

ただ、人生の達人である、経営者と渡り合うためには、診断士も愉しく生きる達人である必要があります。また、そのような診断士に、経営者は心を開いてくれます。

中小企業経営コンサルティングは、とても人間臭く、泥臭く、地べたを這いつくばるような丁寧かつ実践的な支援が必要となります。

人間的な魅力を磨くためにも、様々な趣味や愉しみを体験し、味わうプロフェッショナルでありたいものです。

投稿日: 2021年1月25日 | 6:01 am

魅惑のダマスクローズー3

佐賀市内において、独特の商品企画力を武器に躍進を続ける株式会社ローズテラス。毎度のことながら、訪問する度に高揚感を感じる素敵な会社です。

残念ながら、コロナ禍の影響を多少は受けることになりました。ただ、この会社の素晴らしいところは、やはり新商品の開発と”ホンモノ”にこだわった品質(クオリティ)だと確信しています。

2020年は転機の年でした。これまでのビジネスモデルを刷新して、イノベーションを実現。2021年は新生・ローズテラスとして様々な価値を社会に投下していく予定です。

商品開発会議は、高揚感に溢れています。何よりも、議論の軸が経営理念「幸せな時間の提案」に合わせていることが素晴らしい。そして、本当に素晴らしい、美しい、面白い、美味しい商品をお客様にお届けするという使命感にブレがないことです。

店舗の外観写真です。看板を見てお分かりだと思いますが、バラ(ブルガリア産の原種:ダマスクローズ)を原料として様々なバラ関連商品を取り扱う開発・卸の会社です。

主力商品は何といってもこれ!

ノンアルコールスパークリング「セイントローズ」。バラの香りがふんだんに味わえる、ヒアルロン酸が配合のとても爽やかなスパークリングです。

小瓶タイプ「スパークロゼ」。2016年「美食女子グランプリ」銀賞受賞商品です。

代表の高木社長は、熊本出身。しかし、佐賀県の魅力をもっと情報発信したいという思いから、佐賀の産品とダマスクローズのコラボレーション商品を次々と開発されています。

今面白いのは、「うれしの薔薇茶」(商標申請中)。これは嬉野茶(日本茶)とバラ(ダマスクローズ)奇跡ののコラボレーション商品。

コンサルタントして、多くの方々にこの商品群の素晴らしさを知ってもらいたい…心からそう思っています。中小企業診断士として生きていく以上、それは当然のミッションなのでしょう。

高木社長とセイントローズのスナップです。社長、かっこいいですよ!

 

 

 

投稿日: 2021年1月24日 | 6:23 pm

中小企業経営におけるマーケティング戦略の正体

マーケティングの専門家でもある中小企業診断士。経営コンサルタントの国家資格ホルダーである診断士は、中小企業に特化したコンサルタントであると言えます。大企業の経営実態と根本的に違う中小企業経営は、独自の考え方や価値観のもと、様々な経営戦略を駆使しなければなりません。

では、「中小企業経営におけるマーケティング戦略は何でしょう?」と問われて、明確な答えを返せる診断士がどれくらいいるでしょうか?「SWOT分析を用いて…」「VRIO分析で…」などの各種分析手法を語る人もいますが、はっきり言ってそれは戦略立案手段にしか過ぎません。

日本マーケティング協会の定義として「顧客の欲求と満足を探り、創造し、伝え、提供することにより、その成果として利益を得ること」とあります。正直、「??」です。中小企業の経営者から「マーケティングってどんな意味ですか?」と聞かれて、先ほどの答えをしてみてください。お仕事を依頼されることは、皆無でしょう。笑

中小企業経営のマーケティングとは?「顧客づくり」のことだと僕は(勝手に)定義しています。「1人(1社)でも多くの顧客(ファン、リピーター)を開拓し、増やし、守り、育てていくこと」です。

結局のところ、中小企業経営の基盤は「顧客数」に比例しますので、顧客数を拡大するための戦略がマーケティングと呼ばれる各種戦略であると考えています。

マーケティング戦略を「顧客づくり戦略」と位置付ければ、様々な具体的戦略が立案しやすくなるはずです。

投稿日: 2021年1月16日 | 6:36 am

中小企業経営コンサルタントの立ち位置

経営コンサルタントという仕事は、特段に資格か必要なわけではありません。それだけに、様々な存在(立ち位置)が主張されています。また、様々なコンサルティング支援の方法があります。

しかし、中小企業専門のコンサルティングは特徴的です。中小企業経営コンサルティングにおける、経営コンサルタントの立ち位置は、「社外取締役」としてのミッションに向き合うこと…です。つまり、経営の意思決定や、戦略実行のフェーズにおいて総合的に関わる支援です。

大手コンサルティングファームやシンクタンク系コンサルティングファームが、大企業の部分的(プロジェクト的)経営に関わる支援と違い、中小企業経営専門の支援はトータルサポートが基本となります。

中小企業経営は、課題の連続です。次々と立ち塞がるハードルに対して、それを超えるか?避けて通るか?判断(意思決定)を、データや経験から導き出し、経営者に助言していきます。時には、根幹を揺るがしかねないギリギリの判断を迫られることもあります。

中小企業経営コンサルタントの責任は重大です。ですので、コンサルタントは経営者と一緒に悩み、苦しみ、課題解決の光明を何とか見つけ出して助言・提言しなければなりません。

自分(経営コンサルタント)が、クライアント(経営者)ならばどう判断し、どう戦略実行していくか…同じ目線で”我がこと”として、考えることが大切です。その真摯で謙虚な姿勢に、経営者からの信用・信頼をいただけるのです。

投稿日: 2021年1月5日 | 5:15 am

昇格人事の失敗を回避する方法

中小企業経営の趨勢を決める人事戦略。特に幹部人材の育成や登用は、今後の戦略実行や企業運営に大きな影響を及ぼします。幹部人事に失敗し、多くの優秀な社員が去っていったという事例は、枚挙にいとまがありません。

経営幹部はリーダーシップを発揮して、部下(社員やメンバー)を正しい方向に導くスキルが要求されます。いや、リーダーシップこそ幹部に最も求められるスキルといっても過言ではないでしょう。

社員を正しい方向に導くには、幹部人材にはリスペクトされる要素が不可欠です。人言的魅力に溢れ、損得でなく善悪判断ができ、経営理念にブレずに向き合う姿勢と情熱…これを持ち合わせていない幹部人事をしてしまうと、悲劇が起こります。

まさに幹部昇格人事の失敗は、企業経営の根幹を揺るがす事態となり得るのです。

間違っても、スキルやテクニックで幹部人事戦略を立案しないことです。例えば、営業幹部の人事を「営業力(販売力)や営業実績」だけで判断してしまう、製造部・開発部幹部の人事を「企画力、開発力」だけで判断してしまう…など。

幹部に大切なスキルをバランス良く持ち合わせ、人間的魅力に溢れた人財を幹部に登用しましょう。

一度失敗してしまうと、取り返しがつかないのが「幹部昇格人事」です。なぜなら、降格人事は幹部のモチベーションを著しく下げて、会社を去るような事態を招きかねないからです。

以前、勤務していた会社でもありましたね。なんでこんな人材が「主任」なんだろう?って思う人事。経営者は「幹部=稼げる人財」というロジックだったのでしょう。そして、その経営者が言っていた「仕事は結果が全て」という言葉が、そのような間違った人事を成立させていたのでしょう。

はっきり言いますが、社員の仕事は結果が全てではありません!全て結果で判断されるのは、経営者(取締役以上)だけです。

投稿日: 2021年1月4日 | 5:42 am

精神論だけでは闘えないが、精神論がないと闘えない…

ある意味、人間を見つめる営みであるということができる、中小企業経営。最も大切なのは、ハート(こころ)であると信じて疑いません。欧米のそれと違い、日本的経営は「人を大切にする経営」が基本となります。賛否両論がありますが、中小企業経営にとって重要なファクターは、「人間力。人間的魅力」です。

こうすれば得、こうすれば損…といった損得感情経営は、日本では淘汰の道まっしぐらです。

つまり、商売(経営)に向き合う精神というモノが、もっとも大切なのです。何度も言いますが、経営はテクニックではありません。経営戦略やマーケティング、商品開発、組織構築、財務戦略、情報発信…。そのいずれをとっても、単なる手法、方法論に過ぎないのです。

経営基盤構造のトップに立つモノが、経営理念や社是などと言われる「価値観の表現」と「企業としての約束事」です。いずれも企業の独特な精神を表現したフレーズです。

経営方針や各種経営戦略は、経営理念にマッチした(方向性を合わせた)方策を立案しないと、うまくいきません。何よりも、メンバー(社員)のモチベーションに火がつきませんし、戦略実行がブレていくからです。

精神論だけで闘えるか!という声が聞こえてきそうですが、その通りです。しかし、精神論を間違ってしまうと敗けです。精神論がないと闘えないのです。

2021年の経営方針を立案している経営者の方々も多いと思います。経営方針が間違わないためにも、精神(経営理念)を見つめ直して、ベクトルを合わせた方針立案をしてもらいたいと思います。

投稿日: 2021年1月3日 | 6:00 am