商売を知らない人のための商売の話ー1

商工会議所などの経済団体が主催している、創業塾などのセミナー。これ自体はとても有意義な取り組みだと思っています。創業を促し、事業を応援して地域の活性化につなげることを応援する貴重な政策だと思います。

仕事柄、様々な創業塾的なセミナーにオブザーバー参加しましたが、多くの講師の先生方が肝心なことをお伝えされていない”残念感”を覚えることが結構あります(もちろん、そうでないセミナーもありますよ…笑)。

創業塾や創業セミナーの”あるあるメニュー”です。

⒈夢を実現するビジネスモデルの作り方

⒉強みを打ち出したコンセプトの作り方

⒊経理・会計の仕組みを学ぶ

⒋儲かる仕組みの作り方

⒌マーケティング戦略立案の方法

⒍人材の採用と育成方法

⒎融資を引き出す事業計画書の作り方

…う〜ん。目立つのは「◯◯の作り方」「◯◯の方法」などというメニューです。

現場型中小企業診断士、町医者型経営コンサルタントを自負(笑)する僕から見ると、肝心なポイントを押さえていません。

肝心なポイントとは、「商売は”やり方”が重要なのでなく、”あり方”が問われる営みである」ということです。

商売の方法やノウハウを学ぶのでなく、商売をする目的やマインド、ハートを確固とするための学びが重要です。つまり、何のために商売をスタートするか?何のために経営をするのか?という動機・価値観の確立です。

ただ単に「金儲がしたい」とか「会社からドロップアウトしたい」というボヤけた理由で商売が軌道に乗るほど、甘い世界ではないのです。

これから商売を始めたい人が、まず学ぶべきことは「何のために事業(商売)をするのか?」という目的の落とし込みです。この目的が魂まで響いていないと、事業(商売)自体の方向性がブレまくり、軌道化していくことが難しいのです。

※「軌道化」の定義…10年以上にわたり商売が発展継続すること

投稿日: 2020年11月17日 | 11:36 pm

中小零細企業の取るべき広報戦略

広告宣伝費予算に投下できる原資に限界がある、中小零細企業においては莫大な予算で広告投資をしてくる大企業とどう対峙していけばいいか…悩ましい課題ですよね。先日もクライアント(個人商店)の経営者から、広告代理店から提案されている広告商品を採用していいかどうか…という相談を受けました。

残念ながら、その広告商品に対し投下できる予算は捻出できる余裕がなく、「今回は見送ってください」との助言をさせていただたところでした。

中小零細企業ができる広告展開は、究極のところ「口コミを誘発する仕掛け」です。

何度も言いますが、中小零細企業は「弛まぬ企業努力に裏付けされたブランディング」に取り組むことが重要です。ブランディングの本質は「高品質・高価格・高付加価値」経営ですから、広告予算投下の前に品質(クオリティ)を上げるための予算投下が先決です。

マスメディア(テレビや新聞広告)を利用した、高額な広報展開は中小零細企業は慎重に検討する必要があります。極端にいうと、ある一定の規模になった時点で検討していい。

マスメディア広告を全く採用せずに、売上15億をたたき出す企業も知っていますし、広告は新規顧客の獲得を意図した戦略であることを忘れてはなりません。

あえて言えば、ホームページ制作による情報発信をすることが最も推奨する広報戦略です。

広告予算は経費でなく”投資”です。投資である以上、費用対効果を検証する必要があります。もちろん、考課=売上ではないことは認識しましょう。効果は「知名度」「新規問い合わせ数」「新規来店数」などなどで測定することが大切です。

投稿日: 2020年11月16日 | 11:13 pm

”コナイくん”シリーズ、漫画でフレンドリー紹介

昨日は熊本でご支援している、株式会社あんらくの訪問日でした。代表の安樂(あんらく)社長は生粋のヨットマン。小生もヨットに乗せてもらう人生の大先輩です。

安樂社長が紆余曲折の末に、完成させたのが”コナイくんシリーズ”。このブログでも何度か紹介していますが、実にユニークな商品です。

元々、鳥獣害対策を事業として手掛けていきた会社。お困りごと解決をノウハウにした開発は間違いのない商品を誕生させました。

今回紹介するのは、コナイくんⅢ型とⅣ型。

(Ⅲ型はこれ)

マスコットキャラクターの「コナイくん」です。小型で手軽。カワイイやつです。笑

(Ⅳ型はこれです)

農地における獣害対策のための撃退器具です。これは、ニーズが高いですよ!

イノシシを中心にした農地の被害は近年、特に甚大になってきています。Ⅳ型は、撃退器具として大いに期待されています。

今回、コナイくんシリーズの漫画が完成したので、ご紹介します。コナイくんⅢ型を、一人暮らしの高齢者の安否確認や、空き家の侵入者撃退で使用する例として紹介したものです。

漫画にするととても分かり易いですよね。まさにフレンドリー販促です。

一人ぐらしの高齢者(親や祖父母)の安否確認、農地の獣害対策はとても深刻な問題を抱えています。どれもこれから、絶対に必要となるニーズの高い課題でしょう。

コナイくん漫画表

コナイくん漫画裏

コナイくんシリーズについては、株式会社あんらくにお問い合わせください。

投稿日: 2020年11月14日 | 10:17 am

続・ホームページ制作と運用のコツ

前回に引き続き、ホームページに関する見解を述べます。ホームページは「”見るもの”であり”読むものではない”」と書きましたが、次に訴えたいのが、ホームページ自体に様々な工夫・演出をしていく「運用」というフェーズについてです。

ご存知のように、キーワード検索すると様々な情報ページが羅列されます。自社のホームページを特にお客様にアクセスしてほしいですよね。その場合、ホームページには常に”活性化”させることが重要になります。

ホームページを見てもらうと分かりますが、最新情報やニュース・トピックスが「一年前のもの」出会ったり、全く更新されていなかったりすると、見る側は「ガッカリ」してしまいます。古臭いイメージが植え付けられ、ブランド力は一気に低下していきます。

まさに、「ホームページなどない方がいい」状態になるわけです。

せっかくコストをかけてホームページを制作する訳ですから、最新の情報をアップすることは必須条件です。

自社の取り組みやプロとしての所見、ニュースや出来事、トピックスなどなど…描こうと思えばネタは無限にあるはずです。

最新情報のアップ頻度としては、最低でも週に一度。多くて3日に一度は更新したいものです。

また、写真や動画の撮り方も工夫しましょう。場合によっては、コストをかけてプロに撮影依頼することも重要です。もちろん、独学で学習しスキルアップすることもお勧めします。写真や動画は、明らかに訴求力を分けます。

いいホームページは、本当に「見やすく、美しい」。「この会社や商品をもっと知りたい」と思われるようなホームページ制作と運用を祈念いたします。

 

投稿日: 2020年11月13日 | 5:23 am

ホームページ制作と運用のコツ

先日も述べましたが、最近特に中小企業のホームページ関する相談やお悩み解決に直面しています。限られた経営資源の中で、いかに効果的に広告宣伝を行なっていくか…という命題は、中小企業経営にとって大きな課題なのでしょう。

そして、ホームページ制作と運用に関して、”残念感”を覚えてしまうことに直面してしまうのも事実です。

クライアント様をはじめ、様々な会社・事業者のホームページを拝見すると、”いい情報発信をなされている”と感じることが少ないのが現実です。圧倒的に”もったいない”と思うホームページが多い。

以前にも述べましたが、ホームページ制作会社のセレクトは慎重かつ大胆に行う方がいいのですが(11月9日投稿「失敗しないホームページ制作会社を選ぶ方法」参照)、依頼側も知識武装をしないと、後悔する結果を招きかねません。

まず、インパクトのある”美しい”ホームページの特徴は、「見やすい」という点にあります。ホームページは「読むもの」ではなくて「見るもの」です。ですので、字ズラばかりのホームページは訴求力が圧倒的に低下します。

「見る」という行為は、人間にとってストレスも少ないのですが、「読む」という行為はストレスがかかります。そこで、ホームページ内に「写真」や「絵」「図」などをちりばめて、できるだけ見やすい内容に仕上げる方がベターです。もちろん文字も大切ですよ。言いたいのは、”文字ばかり目立つホームページは価値が下がる”という点です。

そして、定期的(目安は3年以内)に写真などを最新のものにアップして、フレッシュ感を演出しましょう。

投稿日: 2020年11月12日 | 8:05 pm

経営におけるオフェンスとディフェンス

スポーツの世界に限らず、オフェンス(攻撃)とディフェンス(守備)という考え方があります。経営の世界にもあります。

オフェンスは、ブランディングや営業・販促といった”仕掛け”を必要とする戦略です。逆にディフェンスは、バックオフィスにおける総務や経理、事務処理などといった戦略です。経営者によって、得意・不得意な分野があります。営業が得意だが財務的な戦略が不得意、反対に数字分析は得意で資金管理もしっかりしているが、営業が不得意という具合に様々です。

経営資源に乏しい中小企業経営は、最も欲しい資源として”ヒト=人財”が挙げられるわけですが、不足する人財力を補う戦略として、また、不得意分野を補うために専門家を活用することをお勧めします。

”不得意な分野を克服してから、勝負する…”などという時間定な余裕は経営の世界にありません。特に中小企業は課題の連続…。次々と立ちはだかる経営課題に対し、即効性のある解決策を立案し実行していくためにも、信頼できるブレーンとどれだけ繋がっているか…。これも、とても大切な経営戦略です。

また、近年ではITやAIの発達で、オフェンスやディフェンスにおける業務効率化が急速に進んでいます。クラウド会計や営業戦略進捗管理・情報共有ソフトなども続々と登場してきています。

しかしながら、これらを使いこなすのもまた人間。優秀な人財を育てる”人を大切にする経営”が、オフェンスとディフェンスの適正なバランスをもたらすことも事実なのです。

投稿日: 2020年11月11日 | 10:21 pm

続・失敗しないホームページ制作会社を選ぶ方法

前回に引き続き、ホームページ制作会社をセレクトする方法について述べたいと思います。何度も言いますが、経営資源に乏しい中小企業にとってホームページは、貴重なマーケティング情報発信ツールです。あらゆる情報が瞬時に入手できる、超情報化社会の現代において、ホームページを見ないでアクセスするということはまずあり得ないと心得ましょう。

逆にいうと、面白いホームページを制作し公開することは、企業のブランディングを訴求するチャンスだということです。

ホームページ制作を依頼する先のセレクトは、慎重かつ大胆に…と前回書きました。「ホームページを納品したから、あとはそちらで勝手に管理してね。」という制作業者は、選ばない方がいいです。

公開後に余計なストレスを抱えることになります。セレクトした後は、制作を依頼する正式な契約になりますが、長期的なリース契約はお勧めできません。

リース契約する場合は、最長でも3年以内にしましょう。情報化社会はこれからも日進月歩で変化していきます。3年ほどでホームページの改訂やメンテナンス、リフォームを計画するとき、リース支払いが残っていると、二重のコスト負担が発生するからです。

最もいい契約の方法は、できるだけホームページ制作費を一括または短期の分割で支払い、毎月のマネジメント契約(1〜3万円が目安)で、改訂やメンテナンスの自社負担を軽減することがベストです。

そのためにも、制作会社は「コストよりも面倒見」で選びましょう。そして、高い制作料金が、高品質につながるという妄想は捨て去ることが肝要です。

投稿日: 2020年11月10日 | 10:57 pm

失敗しないホームページ制作会社を選ぶ方法

偶然か必然か、最近はホームページに関する経営相談が立て続けにありました。相談内容は、ホームページを改訂したいが「今依頼している制作会社が不親切で、何もフォローしてくれない」「デザインも今ひとつだが、提案が全くなく、こちらの言いなり」「制作に関わる適正価格が分からない」などが主な内容です。

ホームページは、今でもまたこれからも(しばらくは)中小企業にとって重要な情報発信ツールとなり得ます。

ですので、制作会社は慎重かつ大胆にセレクトする方がいいです。

”慎重”という意味は、制作会社をセレクトするポイントとしてまず、「親切丁寧な対応をしてもらえるか?」ということです。制作会社あるあるとして、「納品したかので、あとは自社で改訂してください。マニュアルも提出しますから」という言い分です。

あっちはITのプロ。こちらは素人ですよね。ここでボタンのかけ違いが発生するのです。ホームページ制作会社は、「手間暇かけて面倒を見てくれるか?」が最も重要です。ビジネスライクを直ぐに前面に出して、心ない対応をする制作会社が少なくありません。

”大胆”という意味は、「価格が安いからという理由で制作会社を決めてはならない」ということです。ホームページの出来栄えは、USP(独自の強み)を訴求してブランディングを進めるべき中小企業にとって、大切なマーケティングファクター(要素)です。

したがって、価格よりも腕(ウデ)。高品質なホームページを制作できる会社、的確で面白い提案ができる会社をセレクトしましょう。多少高くても…です。

 

投稿日: 2020年11月9日 | 10:45 pm

経営者から飲食にお招きされること…。

中小企業診断士も自称コンサルタントも、経営者の懐に飛び込んで本音で話し合うことが大切です。飲食を共にすると、つい本音が垣間見え、その後の人間関係形成に多大ないい影響を享受できるからです。

ですので、僕は基本的に経営者からのお誘いは断らないようにしています。そして、その貴重な時間はとても愉しく、勉強になる貴重なひとときとなるのです。

経営者もコンサルタントも一人の人間です。人間同士、包み隠さず人生のテーマを語り合うことは、経営コンサルタントとしても貴重なプロセスなのです。

美味しい料理やお酒をいただきながら、経営者から直接的に生きた経営ドラマを聞くことができる…。経営コンサルタントとして、こんな貴重な幸せなことはありません。

以前、お世話になったコンサルタントの先輩が言っていた言葉を思い出します。

「人間関係で仕事が決まるほど楽なことはないんだ。そこには企画力も、プレゼン力も書類策定力も関係ない。お前のいうことなら乗ってみるよと経営者から言われるような、人間的魅力を身につけなさい。」この言葉は今でも、僕の心に刻まれているのです。

先日も行きました。コロナが少し落ち着いた時期。

クライアントの尊敬すべき社長とのひととき。一次会から四次会まで飲み歩いて、語り合った時間。大いに笑い、大いに語り合い、大いに本音をぶつけ合いました。

会話から溢れ出す、社長の本音。こちらも負けじと本音をぶつけます。建設的な話なので、何らストレスを感じることない本当に愉しい時間。

これこそがヒアリングの極意なのではないでしょうか?笑

投稿日: 2020年11月6日 | 10:13 pm

中小企業経営における、”いまどき”の営業戦略

あるクライアントの社長(60代)と打ち合わせしていた時…。「一昔前と、営業展開に関する価値観が全く変わったよね。」という話になりました。そう言われてみれば、全くその通りです。およそ四半世紀前。僕が、放送局の営業部員だったころ。営業スタイルは完全にプッシュ型でした。

スポンサー先に訪問し、企画書をプレゼンテーションし、場合によっては価格調整で決定にいたるプロセスです。

もちろん、現在でもそのスタイルは生き続けています。しかし、”いまどき”の営業戦略は、完全にプル型に主導権が移りました。つまり、お客様の方から”その商品が欲しい”と思われるような営業・販売戦略を、いかに確立できるか?が勝敗を分けるようになったのです。

ここで問われるのは、各営業スタッフや販売員の”点の力”ではありません。企業全体で、ブランディングを確立していく”面の力”です。

ですので、ますますマーケティングという発想がとても大切です。データや傾向、そして現場(お客様)の生の声などを共有・分析し、これからの営業活動に活かしていく”戦略型営業”です。もはや3Kと呼ばれる「勘、経験、根性」の営業スタイルは完全に時代遅れとなりました。

営業担当部署、ひいては企業全体として”プル型”営業戦略に挑戦する時代と言えましょう。

営業部署のミッションは、”稼ぐ”ことから「企業努力や企業価値、企業全体の”想い”を伝え、結果的業績を創り出す」という概念に姿を変えたのです。

投稿日: 2020年11月5日 | 9:26 pm