ブランディング経営の本質ー5「『利』は『理』の道標である」

ブランディング経営は、覚悟と持続力が必要な長期的で壮大な取り組みである…。決して小手先のテクニックでは実現できない、価値のある取り組みなのです。なぜなら、「経営理念」と密接に結びついているからでしょう。したがって、理念経営を実践していく中で、ブランディング経営が副産物として実現できるものと言っても過言ではない。

ブランディング経営が実現する、高付加価値経営の成果(利益)は、理念に向かうプロセスの中にあるのです。これは、「利」は「理」の道標(みちしるべ)であると考えています。

ブランディングが総論的で、技術的(デザインやコピー)な要素で終始するのならば、簡単すぎて逆に挑戦する価値すらありません。

いつの時代でも、ブランディングは品質(絶対的で崇高な)が根底にあり、営業力や販促(デザイン、コピー)で終始するものではないのです。

ブランディング経営に挑戦するならば、まず我が社(我が店)の存在意義や目的をしっかりと見つめて、できれば言語化し明確にしたい。

ブランディングの各種戦略は、理念に向かうベクトルに合わせて立案、運営していかないと結果的にうまくいかないのです。

理念経営を進めていくと、「理(理念)」と「利(利益)」が別の方向を向きがちになります。

利益を出すことは、企業にとってある意味義務であると言えます。また、理念の達成のためには、利益は必要不可欠であり、利益を叩き出す至上の戦略としてブランディング経営に取り組んでいきましょう。

 

投稿日: 2023年4月3日 | 5:26 am

ブランディング経営の本質ー4「価格主導権を握る!」

中小企業経営の最大の難関は、価格競争を回避して「価値競争に持ち込む」ことだと考えています。中小企業診断士であれば、クライアントに対して「できるだけ安くしましょう」ではなく「できる限り高価格に設定しましょう」と提案すべきです。コストカット型コンサルティングと同様、低価格提案型コンサルティングは、誰でもできる愚策であると言えましょう。

その企業、その商品・サービスに価値があるならば、”価値に見合った価格を自信を持って設定”すべきです。お客様は、思ったよりも低価格を求めているわけではありません。「安かろう、悪かろう」は中小企業が生み出す価値とは言えない。

中小企業は「高くても価値のあるもの」を生み出す(仕入れる、開発する)べきですし、そこに挑戦のしがいというものがあります。

ブランディング経営の本質は「高品質、高価格、高付加価値」経営の実現であり、その根幹は「品質=クオリティ」であることに間違いはありません。

本当に品質が高いものであれば、それに見合った価格を設定できます。高価格は、高付加価値(高粗利)を実現し、利益をもたらすのです。

「そんな商品ニーズがあるの?」と考えるよりも「お客様が心底欲しいと思われる商品を供給しよう」という発想が大切なのです。

坂本光司先生の言葉。「景気は有効需要が決めるのでなく、有効供給が決めるのである」。この言葉は真理です。

中小企業の皆様。自信を持って価値のある商品・サービスを提供し、価格主導権を握るようなオペレーションにチャレンジしましょう。

投稿日: 2023年3月30日 | 9:10 am

ゲームを使った楽しいコンサルティング

先週末のこと。小生が開発したビジネスボードゲーム『SUBURI(すぶり)』の体験会を初開催しました。『SUBURI』は、参加者(経営者、社員)側も、支援者(コンサルタント)側も楽しく「学び」「高揚感」「課題感」を育むことができるツールとして開発しました。大切なのは「楽しい」という点でして。何事も楽しくなければ、浸透感が深まらないのです。

今回参加してくれたのは、同志として相互研鑽している仲間たち。皆、中小企業診断士の国家資格ホルダーです。

目的は、プロの目から見て『SUBURI』の率直な感想を聞くこと。運用上の改善点を発見したかったこと。ブラッシュアップポイントを見つけたかったこと…。

参加してもらった仲間たちからは、「面白かった」「勉強になった」などの話の一方、運営上のブラッシュアップポイントも上げていただき、とても有意義な体験になりました。

ゲームを使ったコンサルティングの分野を「ゲーミフィケーション・コンサルティング」と呼ぶそうです。この分野は、ともすれば悲壮感が漂いがちな「研修」「勉強会」などの雰囲気を一変させるツールとして、これからも開発していきたいと考えています。

経営は、社員が幸せでないとお客様を幸せにできない…。これは、恩師・坂本光司先生から教えていただいた貴重な価値観。

同じように、経営も、楽しくなければ社員が愉しく働くことはできない…。愉しくなければ、学ぶことができない…。これは小生が現場で気づいた価値観です。

経営コンサルティングも同じ。クライアントに新しい風を吹き込み、愉しい会社の社風を作っていく。すると、社員のモチベーションは上がり、結果的に業績寄与が高まっていくのです。

投稿日: 2023年3月29日 | 9:30 am

ブランディング経営の本質ー3「コンサルティングのブランディング」

ブランディング経営支援の担い手は、中小企業診断士(経営コンサルタント)の仕事である!これは、小生にとって不変の主張です。経営コンサルタントを生業として活動している方々は、全国に10万人ほどと言われています。しかし、全ての専門家が、思うような活躍月できているか…というと、そんなことはないというのが実状です。

数ある専門家の中から、ご縁があってクライアントの支援に繋がるわけですから、中小企業診断士(経営コンサルタント)にも”ブランディング”が必要です。

拙著『選ばれる会社になる!ブランディング経営』を「選ばれるコンサルタントになる!ブランディング支援」と置き換えれば、違った読み方ができるのではないでしょうか?

そうです。経営とコンサルティングは密接に結びついており、考え方や価値観は一緒なのです。

中小企業診断士の価値を上げる活動をしていきたい…これは、これからの人生においてライフワークとなることでしょう。

中小企業診断士に自信と覚悟を持って、中小企業経営のダイナミズムをサポートしていく…。誇り高い中小企業診断士でありたいですね。

つまり、中小企業診断士は自分にとってのキラー・コンサルティング・コンテンツを発見し、ブラッシュアップしていけるか…。これが大きな分岐点になることは、間違いないでしょう。

特に、これから独立してフィールドに出て行こうとする中小企業診断士。

中小企業診断士の仲間たちには、自らのブランディング・コンセプトを発見し、育んでほしいと切に願います。

投稿日: 2023年3月27日 | 9:10 am

問題解決力から問題設定力へ

以前にも書きましたが、急速なAI(人工知能)の発達。これによって無くなっていったり、あるいは価値が低下する職業は多々予想されます。会話型人工知能「ChatGPT」が今脚光を浴びていますが、他のベンチャー企業が発展型を開発していくはず。

これは中小企業企業の経営環境や、特に日本の学校教育環境にイノベーションを起こすことになるでしょう。また、自らそのイノベーションに適応していく努力が試されます。

社会人は、これまでの「問題解決力」が試される時代から、「問題設定力」が試される時代に変わっていくはずです。今や問題解決力はAI(人工知能)が担う時代なのです。これからは、「問題設定力」。つまり自ら課題を創造する力です。これは、人工知能を使いこなすスキルと言ってもいいでしょう。

AI(人工知能)が導き出した答えをコーディネート(組み合わせたり、発展させたり)して、「価値ある情報」を創造するパワー。

ここに到達したものが活躍できる社会に突入した…そう僕は観ています。

これまでの学校教育現場は、完全に「問題解決型」でした。しかも、正解のある「問題」です。この現象は「問題を創造する力」を養うことがありませんでした。点数で格差がつけられる、実社会とはかけ離れた教育がなされていたと言えます。

結果、学歴と幸福度が必ずしも一致しないような現象が出てきました。社会は正解のない世界。ベターな解しかありませんから。

中小企業経営の世界も、大きな転換期を迎えています。人財育成の分野においても、課題設定力に重点を置いた育成プランを立てる必要があるのです。

投稿日: 2023年3月23日 | 5:31 am

ブランディング経営の本質ー2「ブランディングに挑む経営者像」

中小企業経営は、ブランディング経営に他ならない!この主張を拙著に込めたわけですが、間違った方向性に進んでいくと「まがいもののブランディング」が成果物として出来上がっていきます。「伝え方」や「見せ方」だけに偏ったブランディングがそのひとつ。

ブランディング経営は、そんなに簡単に出来上がるような代物ではない。そこには、「覚悟」「継続」「不屈」などといった”めんどうくさい”壁が立ち塞がるのです。

ブランディング経営になかなか踏み込めない経営者の特徴があるので、チェック項目として使ってみてください。

① 業績重視の経営者…短期的な業績に一喜一憂しすぎて、コロコロと戦略を変えていく経営者

② 販促物に頼る経営者…売れない理由を、販促物などの手段に求める経営者

③ 我が社の商品に自信を持てない経営者…自信のない商品(サービス)を価格に訴求させて販売戦略とする経営者

④ 責任転嫁型経営者…業績(結果)の責任を幹部・スタッフに押し付ける経営者

⑤ 継続力のない経営者…飽きっぽい経営者。一度決めた戦略を継続できない経営者

他にもありますが、この辺りで…。

ブランディングは、「品質を重視した継続的な取り組み」です。ですので、「覚悟」が必要ですし、諦めずに突き進む「不屈」の精神力を要します。

日々上下する売上高に一喜一憂する必要はありません。なぜなら、ブランディング経営は業績結果の中身が重要。

具体的にいうと、粗利益重視の経営だと言っても過言ではないのです。

投稿日: 2023年3月22日 | 5:58 am

ブランディング経営の本質ー1「ブランディングの背景」

拙著「選ばれる会社になる!ブランディング経営」を刊行してから半年。さまざまな方面で、感想をいただくようになりました。結局のところ、中小企業経営というのは「ブランディング経営」に突き進むことが王道である!というのが本著の主張です。

このブランディング経営の書いた背景と、そのコア部分の主張を、ブログでも紹介していきたいと思っています。本題に入る前に、「ブランディング」とは何か?を定義しないと話の方向性がズレてしまいますので、固めておきます。

ブランディングとは、「確かな品質に裏付けされた、供給主導型の中小企業経営における躍進戦略」であると定義します。

この定義についての説明は、次号にするとして。今回は執筆に至った背景を紹介します。

中小企業経営においては、価格戦略はタブーです。大量生産・大量仕入れで価格優位性のある大企業に対して、まともに低価格で対抗できないからです。しかしながら、中小企業経営においても低価格路線や値引き路線に頼り、低付加価値経営に陥っている現状を見てきました。

中小企業経営の本質は、オンリーワン・オリジナリティ戦略であることは周知だと思います。では、具体的にオンリーワン経営を実践していくための戦略を指南する必要があり、中小企業診断士はその担い手であるべき…そんな思いにかられたのです。

また、「見せ方」「伝え方」に頼るような、薄っぺらなブランディング(もどき)は、お客様に見透かされ、ともすれば客離れという最も危険な環境を招きかねない。

そのため、本当のブランディング経営を警鐘とともに主張することは責務と思い、執筆に至ったのです。

投稿日: 2023年3月13日 | 5:05 am

企業業績の真の目的を知っていますか?

多くの中小企業経営者の言動を見てきましたが、違和感を感じることもまだまだ多いです。20年前ほどではないのですが、企業業績の本当の目的を誤ってしまうと、結果現象としての業績そのものが停滞・低迷していまう傾向があるのです。

経営者の皆様。御社が叩き出す、業績の真の目的は何ですか?答えられる方は、驚くほど少ないのではないか…そう思います。

事業拡大の設備投資のため?

万が一に備えた内部留保のため?

答えのひとつではありますが、正解ではありません。もちろん、価値観なので強制はできませんが、業績の真の目的は構成メンバーの幸せの実現なのです。

そう考えると、業績の上下で一喜一憂する経営者が軽い存在に見えてきます。明言できますが、社員が経営者の顔色ばかり伺うような社風では、会社は発展していきませんよ。

経営者の役目は、企業経営の目的を社員にしっかりとアナウンスすること…。そして、そのための経営方針を示すこと。ここにブレがあっては、現場はブレまくり、混乱を招きます。

このような会社は、社員が経営者の方ばかりを見て、業務に当たっていることが多い。つまり、お客様や社外社員に対する心配りよりも、経営者に嫌われまいとするマインドに陥ってしまうわけです。

この傾向は本当にリスクが高い。

何度も言いますが、最終的な業績結果責任は経営者にあります。社員はプロセスを重視し、経営者はそれをしっかりと観察していくことが重要なのです。

なかなか浮上しない業績の責任を、部門にばかり押し付けるような経営は、成長していかないということを認識しましょう。

投稿日: 2023年3月8日 | 6:00 am

祝!田島株式会社『日本でいちばん大切にしたい会社大賞』受賞!

去る3月3日(金)。
11時からの記者発表が行われ、第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞企業が公開されました。
僕の大切なご支援先「田島株式会社」(佐賀市)が大賞受賞!
佐賀県で初の受賞企業になりました。
このアワードは、全国で最も受賞が難しい経営表彰といっても過言ではない。
創業100周年の年度末に受賞発表という、ご縁を感じる忘れられない1日になりました。社長をはじめ社員の皆様。本当に本当におめでとうございます。
4年ほど前に、恩師・坂本光司先生を佐賀にお招きし、講演会の前に企業訪問させていただいたのがきっかけでした。
本当に不思議な縁です。
田島株式会社の田島社長は法政大学出身。僕も法政の大学院で経営学を学んだ縁。そして当時教授だった、坂本光司先生…。
引き寄せの法則とはこのことでしょう。
僕は正式にお仕事として、田島株式会社(当時は田島興産株式会社)をご支援させていただくようになり…。
依頼このアワード受賞を目標にして、さまざまな取り組みをしてきました。
その頃から、表彰される田島広一社長のことをイメージしていました。
まさに想いは叶う!
さて、これからがスタート!さらに”いい会社”に向かって突き進みましょう。
ぼくも共に夢を描き、夢を育んでいきたいと思っています。
中小企業診断士として、クライアントがいい会社として成長していくプロセスが何事にも変え難い幸福です。

投稿日: 2023年3月6日 | 11:49 am

想いを伝える難しさ

先日2月25日(土)。福岡県中小企業診断士協会のご依頼で、講演会講師を務める機会がありました。テーマは、「人幸福の企業経営支援の実際」というもの。笑

ところが内容は、ほとんどが「稼げる診断士」「楽しい診断士」「喜ばれる診断士」の実像としました。笑

参加者からは、よかったとか勉強になったとか…嬉しい感想もいただきました。

終わった後は、多少の充実感と多くの反省点…。やはり、想いを伝えるということは難しい。

だけど…です。講演会やセミナー講師は100回を超えていると思いますが、もっとも大切なことは何か?を掴みつつあります。

まず、熱意。熱く語ること。これが一番大切。熱意なき講演講師の話は、まず心に響かない。

次に、机上の空論を話さないこと。リアルで生々しい話が人の心に響くものです。僕はだいたい、コンサルティングの現場をしっかりと紹介します。もちろん、クライアントの了解をいただいて。

そして、ユーモア。講演会は勉強会と違い、ユーモアとジョークも大切です。落語などを見たり、講談を聞いたりして講演会ユーモアの参考にしています。

それと間も大事です。話題と話題の絶妙な間。時間の取り方。参加者の反応を見ながら、強弱を変えていくことも必要です。

ということを書いていると…。う〜ん。先日の講演会は自己採点60点というところでしょう。

まだまだ「伝えるスキル」を磨かねば…。講演会は、中小企業診断士にとって武器となります。積極的に引き受けて、磨きたいものですね。

投稿日: 2023年2月28日 | 5:06 am

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