ブランディング経営の本質ー7「コストカットは企業努力か?」

相変わらず中小企業支援の専門家の中に、コストカットばかりを推奨する輩がいることに辟易します。このブログで何度も主張していますが(これからも言い続けますが)、コストカットは誰でもできます。役員報酬や交際費を無駄に使っているケースなら別ですが、中小企業経営の実際は、コストはカツカツの場合が多い。

極端なコストカットは、企業の体力を奪うばかりか、人財の流出という最悪の事態を招きかねません。

「財務は必ず建て直す…」などと宣う、自称コンサルタントのやっていること…。これは、仕入れ先の値段交渉だったり、固定費の削減だったり…。つまり、コンサルタントでなくコストカッターなのです。

経営改善計画書の策定も、同じようなことが言えます。売上推移の月毎シミュレーションが、少しづつ上がっていくのは理解できますが、その根拠が示されていません。根拠のない経営計画書は所詮「絵に描いた餅」なのです。

示している根拠と言えば、経費(変動費、固定費)に関するコストカット策…。数字の羅列は誰でもできます。

明言しますが、コストカットは企業努力とは言えません。

本当の企業努力とは、高付加価値経営の実践に向き合うことです。つまり、徹底したオンリーワン・オペレーションの立案と実践です。その過程で売り上げが伸び、粗利益率が改善されることはあるでしょう。

企業努力とは呼べない施策(コストカット)に一生懸命になるより、どのようにして売上を上げて粗利益を確保できるか…。そのような思考で努力していきたいものです。

 

投稿日: 2023年4月12日 | 5:58 am

ブランディング経営の本質ー6「新商品開発によるブランディング」

どんな会社も我が社の「商品」というものを持っています。商品なき商売は不可能ですよね。「商売とは”価値”をお客様に与えて”お金”をいただくこと」ですから。

ただし、実物の商品とは「想い」が物体となったものしかすぎません。つまり、価値の正体とは「想い」であるということになります。この考え方は、サービス業でも同じです。旅館・ホテル業、エステ、美容、そして医療機関…。それにコンサルティング業…。提供するサービスに込められた「想い」が商品です。

中小企業経営がブランディングに挑戦する時…。新しい商品を開発する方法は、ブランディング経営への大きなチャンスとなり得ます。

「モノを闇雲に仕入れて売る…」そのような時代は、終焉しました。卸業でも小売業でも、企画商品としてオリジナル商品を開発することができます。これをPB(プライベートブランド)商品と言います。

覚悟と時間とコスト…。これさえあれば、挑戦実現することが可能です。

今までにないような、素晴らしい高付加価値商品の開発…。これが実現すれば、大きな果実を企業にもたらしてくれます。

経営資源別に言うと…

「ヒト=人財」…商品開発のプロジェクトを組むことにより、メンバーは主体的・自発的人財へと成長してくれます。

「モノ=商品」…オリジナルの商品(サービス)ができて、競合店との差別化が可能になります。

「カネ=財務」…高付加価値商品の開発は、粗利益率のUPにつながります。

「ジョウホウ=ノウハウ・知的財産」…レシピやノウハウが蓄積され、大きな資産形成につながります。

このように、新商品開発はブランディング経営と絡みやすい推奨戦略なのです。

投稿日: 2023年4月10日 | 5:40 am

「学び」とは自ら掴みにいくべきもの

社会人になっても、人間は学びのプロセスを止めることはできません。社会人になると、勉強から解放されるというのは妄想であり、人間は一生学び続ける動物であると言えます。

近年の学校教育や塾産業を鑑みると、「与えられた問題の正解を点数で評価し、順列をつけることに目的が置かれている」そんな想いがしています。

与えられた問題の正解を探す、あるいは解く…。この行為は、これから急速に普及するAI(人工知能)に変わることは間違いありません。また、人間は与えられた問題を解くことに、真の学びは皆無(あるいは薄く)となります。

学びとは自ら進んで、興味ある分野を見つけ出し、探究し、結論づける行為のはず。長い間、日本の学校教育をはじめとした学びのシステムは、今後劇的なイノベーションの必要性があるでしょう。

先日これからは「問題解決力」よりも「問題設定力(構築力)」である…という記事を書きました。

そこでの主張はまさに、自ら問題(課題)を構築できる(探究材料を掴みにいく)スキルなのです。

企業は最大の教育機関である…。坂本光司先生の言葉。定年設定のない企業も増えていく中。40年以上働く社会人として、自ら掴みにいく学びの姿勢を重視する考え方、仕組みが重要であることは間違いない。

経営者が与えるような、社会人教育のプログラムではなく、社員が自ら「学びたい」と思う仕組みや内容を立案することが大切なのです。

学びたいと思うプログラムは…参加して愉しい、小さな成功体験がある、目標が明確になっている。そんなプログラムです。

投稿日: 2023年4月5日 | 5:50 am

ブランディング経営の本質ー5「『利』は『理』の道標である」

ブランディング経営は、覚悟と持続力が必要な長期的で壮大な取り組みである…。決して小手先のテクニックでは実現できない、価値のある取り組みなのです。なぜなら、「経営理念」と密接に結びついているからでしょう。したがって、理念経営を実践していく中で、ブランディング経営が副産物として実現できるものと言っても過言ではない。

ブランディング経営が実現する、高付加価値経営の成果(利益)は、理念に向かうプロセスの中にあるのです。これは、「利」は「理」の道標(みちしるべ)であると考えています。

ブランディングが総論的で、技術的(デザインやコピー)な要素で終始するのならば、簡単すぎて逆に挑戦する価値すらありません。

いつの時代でも、ブランディングは品質(絶対的で崇高な)が根底にあり、営業力や販促(デザイン、コピー)で終始するものではないのです。

ブランディング経営に挑戦するならば、まず我が社(我が店)の存在意義や目的をしっかりと見つめて、できれば言語化し明確にしたい。

ブランディングの各種戦略は、理念に向かうベクトルに合わせて立案、運営していかないと結果的にうまくいかないのです。

理念経営を進めていくと、「理(理念)」と「利(利益)」が別の方向を向きがちになります。

利益を出すことは、企業にとってある意味義務であると言えます。また、理念の達成のためには、利益は必要不可欠であり、利益を叩き出す至上の戦略としてブランディング経営に取り組んでいきましょう。

 

投稿日: 2023年4月3日 | 5:26 am

ブランディング経営の本質ー4「価格主導権を握る!」

中小企業経営の最大の難関は、価格競争を回避して「価値競争に持ち込む」ことだと考えています。中小企業診断士であれば、クライアントに対して「できるだけ安くしましょう」ではなく「できる限り高価格に設定しましょう」と提案すべきです。コストカット型コンサルティングと同様、低価格提案型コンサルティングは、誰でもできる愚策であると言えましょう。

その企業、その商品・サービスに価値があるならば、”価値に見合った価格を自信を持って設定”すべきです。お客様は、思ったよりも低価格を求めているわけではありません。「安かろう、悪かろう」は中小企業が生み出す価値とは言えない。

中小企業は「高くても価値のあるもの」を生み出す(仕入れる、開発する)べきですし、そこに挑戦のしがいというものがあります。

ブランディング経営の本質は「高品質、高価格、高付加価値」経営の実現であり、その根幹は「品質=クオリティ」であることに間違いはありません。

本当に品質が高いものであれば、それに見合った価格を設定できます。高価格は、高付加価値(高粗利)を実現し、利益をもたらすのです。

「そんな商品ニーズがあるの?」と考えるよりも「お客様が心底欲しいと思われる商品を供給しよう」という発想が大切なのです。

坂本光司先生の言葉。「景気は有効需要が決めるのでなく、有効供給が決めるのである」。この言葉は真理です。

中小企業の皆様。自信を持って価値のある商品・サービスを提供し、価格主導権を握るようなオペレーションにチャレンジしましょう。

投稿日: 2023年3月30日 | 9:10 am

ゲームを使った楽しいコンサルティング

先週末のこと。小生が開発したビジネスボードゲーム『SUBURI(すぶり)』の体験会を初開催しました。『SUBURI』は、参加者(経営者、社員)側も、支援者(コンサルタント)側も楽しく「学び」「高揚感」「課題感」を育むことができるツールとして開発しました。大切なのは「楽しい」という点でして。何事も楽しくなければ、浸透感が深まらないのです。

今回参加してくれたのは、同志として相互研鑽している仲間たち。皆、中小企業診断士の国家資格ホルダーです。

目的は、プロの目から見て『SUBURI』の率直な感想を聞くこと。運用上の改善点を発見したかったこと。ブラッシュアップポイントを見つけたかったこと…。

参加してもらった仲間たちからは、「面白かった」「勉強になった」などの話の一方、運営上のブラッシュアップポイントも上げていただき、とても有意義な体験になりました。

ゲームを使ったコンサルティングの分野を「ゲーミフィケーション・コンサルティング」と呼ぶそうです。この分野は、ともすれば悲壮感が漂いがちな「研修」「勉強会」などの雰囲気を一変させるツールとして、これからも開発していきたいと考えています。

経営は、社員が幸せでないとお客様を幸せにできない…。これは、恩師・坂本光司先生から教えていただいた貴重な価値観。

同じように、経営も、楽しくなければ社員が愉しく働くことはできない…。愉しくなければ、学ぶことができない…。これは小生が現場で気づいた価値観です。

経営コンサルティングも同じ。クライアントに新しい風を吹き込み、愉しい会社の社風を作っていく。すると、社員のモチベーションは上がり、結果的に業績寄与が高まっていくのです。

投稿日: 2023年3月29日 | 9:30 am

ブランディング経営の本質ー3「コンサルティングのブランディング」

ブランディング経営支援の担い手は、中小企業診断士(経営コンサルタント)の仕事である!これは、小生にとって不変の主張です。経営コンサルタントを生業として活動している方々は、全国に10万人ほどと言われています。しかし、全ての専門家が、思うような活躍月できているか…というと、そんなことはないというのが実状です。

数ある専門家の中から、ご縁があってクライアントの支援に繋がるわけですから、中小企業診断士(経営コンサルタント)にも”ブランディング”が必要です。

拙著『選ばれる会社になる!ブランディング経営』を「選ばれるコンサルタントになる!ブランディング支援」と置き換えれば、違った読み方ができるのではないでしょうか?

そうです。経営とコンサルティングは密接に結びついており、考え方や価値観は一緒なのです。

中小企業診断士の価値を上げる活動をしていきたい…これは、これからの人生においてライフワークとなることでしょう。

中小企業診断士に自信と覚悟を持って、中小企業経営のダイナミズムをサポートしていく…。誇り高い中小企業診断士でありたいですね。

つまり、中小企業診断士は自分にとってのキラー・コンサルティング・コンテンツを発見し、ブラッシュアップしていけるか…。これが大きな分岐点になることは、間違いないでしょう。

特に、これから独立してフィールドに出て行こうとする中小企業診断士。

中小企業診断士の仲間たちには、自らのブランディング・コンセプトを発見し、育んでほしいと切に願います。

投稿日: 2023年3月27日 | 9:10 am

問題解決力から問題設定力へ

以前にも書きましたが、急速なAI(人工知能)の発達。これによって無くなっていったり、あるいは価値が低下する職業は多々予想されます。会話型人工知能「ChatGPT」が今脚光を浴びていますが、他のベンチャー企業が発展型を開発していくはず。

これは中小企業企業の経営環境や、特に日本の学校教育環境にイノベーションを起こすことになるでしょう。また、自らそのイノベーションに適応していく努力が試されます。

社会人は、これまでの「問題解決力」が試される時代から、「問題設定力」が試される時代に変わっていくはずです。今や問題解決力はAI(人工知能)が担う時代なのです。これからは、「問題設定力」。つまり自ら課題を創造する力です。これは、人工知能を使いこなすスキルと言ってもいいでしょう。

AI(人工知能)が導き出した答えをコーディネート(組み合わせたり、発展させたり)して、「価値ある情報」を創造するパワー。

ここに到達したものが活躍できる社会に突入した…そう僕は観ています。

これまでの学校教育現場は、完全に「問題解決型」でした。しかも、正解のある「問題」です。この現象は「問題を創造する力」を養うことがありませんでした。点数で格差がつけられる、実社会とはかけ離れた教育がなされていたと言えます。

結果、学歴と幸福度が必ずしも一致しないような現象が出てきました。社会は正解のない世界。ベターな解しかありませんから。

中小企業経営の世界も、大きな転換期を迎えています。人財育成の分野においても、課題設定力に重点を置いた育成プランを立てる必要があるのです。

投稿日: 2023年3月23日 | 5:31 am

ブランディング経営の本質ー2「ブランディングに挑む経営者像」

中小企業経営は、ブランディング経営に他ならない!この主張を拙著に込めたわけですが、間違った方向性に進んでいくと「まがいもののブランディング」が成果物として出来上がっていきます。「伝え方」や「見せ方」だけに偏ったブランディングがそのひとつ。

ブランディング経営は、そんなに簡単に出来上がるような代物ではない。そこには、「覚悟」「継続」「不屈」などといった”めんどうくさい”壁が立ち塞がるのです。

ブランディング経営になかなか踏み込めない経営者の特徴があるので、チェック項目として使ってみてください。

① 業績重視の経営者…短期的な業績に一喜一憂しすぎて、コロコロと戦略を変えていく経営者

② 販促物に頼る経営者…売れない理由を、販促物などの手段に求める経営者

③ 我が社の商品に自信を持てない経営者…自信のない商品(サービス)を価格に訴求させて販売戦略とする経営者

④ 責任転嫁型経営者…業績(結果)の責任を幹部・スタッフに押し付ける経営者

⑤ 継続力のない経営者…飽きっぽい経営者。一度決めた戦略を継続できない経営者

他にもありますが、この辺りで…。

ブランディングは、「品質を重視した継続的な取り組み」です。ですので、「覚悟」が必要ですし、諦めずに突き進む「不屈」の精神力を要します。

日々上下する売上高に一喜一憂する必要はありません。なぜなら、ブランディング経営は業績結果の中身が重要。

具体的にいうと、粗利益重視の経営だと言っても過言ではないのです。

投稿日: 2023年3月22日 | 5:58 am

ブランディング経営の本質ー1「ブランディングの背景」

拙著「選ばれる会社になる!ブランディング経営」を刊行してから半年。さまざまな方面で、感想をいただくようになりました。結局のところ、中小企業経営というのは「ブランディング経営」に突き進むことが王道である!というのが本著の主張です。

このブランディング経営の書いた背景と、そのコア部分の主張を、ブログでも紹介していきたいと思っています。本題に入る前に、「ブランディング」とは何か?を定義しないと話の方向性がズレてしまいますので、固めておきます。

ブランディングとは、「確かな品質に裏付けされた、供給主導型の中小企業経営における躍進戦略」であると定義します。

この定義についての説明は、次号にするとして。今回は執筆に至った背景を紹介します。

中小企業経営においては、価格戦略はタブーです。大量生産・大量仕入れで価格優位性のある大企業に対して、まともに低価格で対抗できないからです。しかしながら、中小企業経営においても低価格路線や値引き路線に頼り、低付加価値経営に陥っている現状を見てきました。

中小企業経営の本質は、オンリーワン・オリジナリティ戦略であることは周知だと思います。では、具体的にオンリーワン経営を実践していくための戦略を指南する必要があり、中小企業診断士はその担い手であるべき…そんな思いにかられたのです。

また、「見せ方」「伝え方」に頼るような、薄っぺらなブランディング(もどき)は、お客様に見透かされ、ともすれば客離れという最も危険な環境を招きかねない。

そのため、本当のブランディング経営を警鐘とともに主張することは責務と思い、執筆に至ったのです。

投稿日: 2023年3月13日 | 5:05 am

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